東京農業大学
東京農業大学大学院 農学研究科 環境共生学専攻
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修了者の声
 
修了生イメージ 滋賀県立大学 准教授  南 和広  (平成20年3月修了)
環境共生学専攻では社会人ということもあり、多くの不安を抱いていましたが、とても充実した3年間となりました。また、私にとっては年に2回開催される専攻全体でのスクーリングも非常に刺激的なものでした。環境共生学専攻における専門分野は多岐に及んでいます。自然科学、社会科学、人文科学など専門分野が多岐にわたる全体スクーリングということは、自分の専門外の学会に参加するようなものでした。しかし、この全体スクーリングを通して、環境共生学という学問が一つの専門分野のみで成り立つものではないということをあらためて再認識しました。環境共生学専攻では、先生方により多分野間の統合・展開がなされており、他分野の先生方からの御指導や研究発表が聞けるということが、様々な視点からより多くのことを学ぶチャンスとなりました.実際に、研究における測定方法、評価方法、関わりなど多くの収穫とともに、自身の頭の中の狭さや自分の研究や研究意義を的確に伝える難しさを痛感することもできました。現在の研究活動においてより幅広い視点から物事を捉えた上で、研究や研究意義を的確に伝えなければならないという点でも非常に役立っています。本専攻で学べたことは私の大きな財産となっています。

 

株式会社地域環境計画 代表取締役  高塚 敏  (平成21年3月修了)
古代より日本の農耕文化が育んできた自然は今大きく劣化しています。近年始まった農村自然を保全・再生する市民活動は、自然をよみがえらせるだけなく、農村活性化の面でも大きな効果があります。このような背景を受け、農村地域における自然再生活動について研究しました。仕事と研究の両立で時間的にも精神的にも厳しい3年間となりましたが、先生方のご指導により、また、社会人大学院生の仲間にも啓発され、何とか博士論文を完成させることが出来ました。50歳を前にして博士の学位をいただけたことは、大きな自信になりましたし、これから進むべき道が切り開けたようにも感じます。

 

中部エコテック株式会社海外事業部  金 元淑  (平成21年3月修了)
環境共生の素晴らしいところは、1.環境に関する生物学・資源学・地域学等の総合的な専攻であるため、知識が広がる。2.毎年2回のスクーリングもお気に入り。研究状況を報告し、先生達のご指導をいただけるだけではなく、発表が終わった後での懇親会が何よりも楽しい。他専攻と違う気楽で楽しい雰囲気。3.素敵な社会人入学の方々が多く、違う年齢層の人から色んな分野・職種の話が聞けるので、視野が広がる。環境共生の修了した者として、誇りを持ってお勧めする。

 

株式会社クインビーガーデン 代表取締役  小田 忠信  (平成22年3月修了)
大学院で学んだ3年間は、私にとって新鮮かつ驚きの体験の3年間でありました。 研究テーマは「第二次世界大戦後のはちみつ産業の発展と関連団体の果たした役割の評価」です。私は、学生運動盛りの1970年代に早稲田大学に入学し、学び舎がロックアウトのまま卒業を迎えました。「在野精神」のみを頼りに社会に出て30有余年。ミツバチ関連の会社を経営し、業界を導く立場において仕事をしておりました。 縁あって良き東京農業大学卒業生の方々と知り合い、大学院農学研究科環境共生学専攻を受験いたしました。思い出はたくさんありますが、感銘を受けたことを1点上げるとしたら、東京農大大学院教育における「個別指導」の尊さでした。論文の書き方1つも解らない小生を、主査、副査の先生方はマンツーマンで懇切丁寧に指導して下さいました。 農大の「実学」の志を実践する研究者の第一歩を踏出したわけですが、知的好奇心を損なわず、同窓の方々と共に母校で学んだ学問を社会に還元できることに喜びを感じております。

 

東京都板橋区立高島第二中学校 教諭  飯塚 光司  (平成23年3月修了)
わたしは、東京都公立学校の教職公務員として理科教育に携わるかたわら、環境共生に在籍する3年間で、本邦産有尾両生類であるサンショウウオ科の発生学と細胞遺伝学の基礎研究をべースに、生物多様性保護の研究に取り組ませていただきました。その研究成果を「サンショウウオを活用した環境教育」と題して学位論文にまとめさせていただきました。論文内容は、江戸期に来日したツュンベリーやシーボルトといった欧州人によって記載されたハコネサンショウウオのナチュラルヒストリーに始まり、米国人自然保護活動の第一人者であるレイチェル・カーソンが著したセンスオブワンダーを基礎理論においた自然讃歌、サンショウウオ科の四肢形成とその進化、解剖学的見地からの心臓や血流の観察、そして環境シンポジウムの開催へと、環境指標生物としてのサンショウウオを幅広く評価活用しています。自然環境と人間社会との共生に興味をお持ちの熱意ある社会人の方々に、市民大学院としての本専攻に入学して是非博士号を修めていただきたいと思います。

 

富山県農林水産総合技術センター  寺島 晃也  (平成24年3月修了)
入学当初は、社会人で、しかも大学から遠いところに住んでいることもあり、多くの不安を抱いていましたが、この3年間は、ほんとうに楽しく充実したものとなりました。社会人はどうしても、一般の学生より不利になってしまいがちですが、環境共生学の先生方は皆、社会人のこれまでの努力や実績を認めてくださり、なんとか学位を取らせようと親切、熱心に指導してくださいました。また、私にとって年に2回開催される専攻全体でのスクーリングは非常に有意義なものでした。多分野にわたる発表は己の見識を高める素晴らしい体験となりました。その後、先生方と酒を酌み交わし、専門分野から人生談にいたるまで多くの話を聞き、親睦を深めることができました。このような機会を与えてくださった環境共生学専攻と先生方には心から感謝しております。この3年間で得た先生、友人達は私の人生において大きな財産となりました。

 

足立区立竹の塚中学校 副校長  小林 輝明  (平成24年9月修了)
環境共生学専攻には、さまざまな分野から集まった仲間がいました。誰もが社会において十分な実績とキャリアを積み、東京農業大学の実学主義を体現するかのような場でした。年2回のスクーリング発表は、新たな知見を得る貴重な経験でした。いただいた大学の先生方からの励ましと多くの示唆に富むご助言がなければ、学位の取得は到底成し遂げられなかったと実感しています。私は公立の学校教育に携わっています。個人の研究をまとめるだけでなく、教育分野とは異なる先生方の視点に気づかされることも多く、研究でどのように社会貢献できるかなど、たくさんの可能性を自分の中に見出すことができました。全国の教員の中にはやる気のある優秀な方がたくさんいるはずです。ぜひ、農大でご自身の研究をまとめられ、私の後に続いてほしいと願っています。小さなきっかけが大きなチャンスを生み、成功は成功するまで続けるからこそ得られるのです。

 

函館短期大学 専任講師  鈴木 英悟  (平成24年9月修了)
私は、修士課程修了後十数年の時が経過していたこと、さらに仕事をしていたことから、博士課程への進学を考え続けていたものの、なかなか行動に移せずに日々を過ごしておりました。そのような時、社会人として学び、研究活動を行うことができる本専攻の存在を知り入学を決意いたしました。本専攻では、多岐にわたる専門分野の研究が行われており、年2回開催されるスクーリングに参加し自分の専門領域外の研究発表を聞くことにより研究に対する幅広い視野や知識・技術および調査方法を習得でき、また新たな研究のヒントを収穫することができました。学生と社会人の二束のわらじを履く生活は、大変厳しいものでありましたが多くの素晴らしい先生方からの熱心なご指導により、無事学位を取得することが叶いました。ご指導頂きました先生方に心より感謝申し上げます。私にとって本専攻に在籍し研究のいろはを学べたことは、今後の人生に大きな影響を与える有意義な時間となりました。

 

神戸国際大学 教授 白砂 伸夫  (平成25年3月修了)
21世紀は環境•共生の時代であると言われるように、地球環境問題が人類の存続を大きく左右しはじめ、地球環境をいかに保全し、自然との共生を実現することが求められる時代です。環境共生学専攻は時代の命題である環境•共生を追求する時流を得た学問大系です。指導教官の先生方が幅広い分野から集まって指導していただけるもの環境共生学専攻の魅力です。年2回開催されるスクーリングで論文をさまざまな分野の学問的視野から批評、指導していただけるのはスリリングな体験です。私の専門領域はランドスケープデザインですが、これまでのデザイン業績を「論文」という学術的な思考方法で環境共生学の視点からまとめることができました。知の体系に中に身を投じることは新たな自己の発見に立ち会うことでもあります。

 

関西外国語大学 教授 沼田 晃一  (平成25年3月修了)
私は25年にわたり、社会人として論文の舞台となった海外の現場ペルーでのトマトの実務や調査に携わってきた。この間のデータと資料を整理・分析・検証して先行論文として取りまとめることが今後の世界のトマト研究に役立つと考え、社会科学的アプローチを通じて研究を一層「深耕」させたいと考えるようになった。そこで本専攻と出会い、本専攻に入学でき、指導教官はじめ本専攻の先生方のきめ細かなご指導とご教授の下で、ペルートマトの研究を進める機会を得ることができた。指導教官からは、テーマの設定をはじめ、研究の各段階において懇切丁寧な指導ならびに研究者としての心構え、ものの見方など貴重なアドバイスと激励を頂いた。論文の作成を通じてさまざまな人との出会いとつながりを得て、種々ご支援を頂いたことで、本研究を成し遂げることができ、論文の完成につながった。この御恩を少しでも新たな研究の地平を拓くかたちで残して行きたいと考えている。本専攻は、私のような社会人出身の研究者にも研究機会と希望を与えてくれる貴重な専門家育成機関であり、今後とも社会のニーズに応え社会貢献できると確信している。

 

宮城県庁 松谷 達馬  (平成25年9月修了)
私は本学の博士前期課程を経て本専攻に進学しました。本専攻は社会人学生が多いので学生上がりの私にとっては、多様な経験を持つ方々と出会える刺激的な環境でした。
私の研究テーマはマングローブ林床土壌からのFeの溶存化を解明することでした。Feは海域の植物プランクトン増殖の要因としてその動態が注目されています。私の研究は現地調査が中心でしたので、宮古島の本学農場に2年間張り付いて研究に取り組みました。本専攻は年2回の発表会に参加すれば、各人に合わせ自由な環境で研究に取り組めるのも魅力です。
他方で、私の研究は樹種葉中のタンニンの測定や林床のカニの生態解明等も含む学際的な内容でしたが、本専攻には多分野の先生方が在籍しており、様々な角度からご指導を頂けたのも研究をまとめる上で大きな助けとなりました。
最後に、私が在学中に実家が東日本大震災で被災し一時は就学断念も考えましたが、本専攻からのご支援や激励のお言葉を頂き、無事学位を取得できました。この場を借りて心より御礼申し上げます。

 

特定非営利活動法人環境修復保全機構 本部普及センター長 河邊 久美子  
(平成27年3月修了)
私はカンボジア王国コンポンチャム州の農村で、エリ蚕という野蚕の一種の普及活動を通した持続可能な開発に向けた教育(ESD)を進めて参りました。それらの普及活動の成果を持続可能な開発における教育(ESD)における実例の一つとして学術的にまとめることに意義を見出して、環境共生学専攻に入学しました。環境共生学専攻では社会人学生がほとんどを占めており、それぞれの職場で日々業務をこなしながら、年2回のスクーリングに向けて研究を進め、その研究成果の発表を行い、多分野に亘る先生方から叱咤激励を頂きつつ研究をまとめていきます。私にとってもスクーリングでの発表は緊張の連続でしたが、同時に大変よい勉強になりました。また、大学院博士後期課程2年次の大半をカンボジアで滞在していたため、国際協力事業の日常業務で忙殺されながら研究を進めなければならず、簡単ではありませんでしたが、今振り返れば大変貴重な経験となっています。主査・副査の先生方にはカンボジアの現場まで足を運んで頂き、炎天下の中、現地農家さんの軒下で博士論文の構成について議論をさせて頂きました。親身になってご指導してくださった主査・副査の先生方と過ごした現場での経験は、一生忘れられない思い出です。今後も開発途上国において持続可能な開発に向けた教育(ESD)を目指した普及・教育活動を実施していく予定ですが、活動においても博士(環境共生学)の名に恥じない仕事をしていきたいと思っています。

 

公益財団法人東京都公園協会 公園事業部防災担当部長 菊池正芳
(平成28年3月修了)
今、振り返ってみると、環境共生学専攻に入学したのが3年も前であったのかと懐かしく感じられ、あっという間の3年間でありましたが、今思い出に残っているのはやはり年2回行われたスクーリングです。環境共生学専攻の特徴として、食品、環境、農業等様々な分野を対象とする学生が一緒になって研究を進めており、スクーリングでのプレゼンテーションは初めて聞くことばかりで興味津々聞いておりましたが、研究の進め方、発表方法等非常に参考になりました。また、教授の方々も多種多彩であり様々な視点からのご指摘、ご意見は、研究に取り組んでいくにあたって貴重な経験となりました。
私は、自分の業務に係わる「都立文化財庭園のボランティアガイド」について研究を行いましたが、環境共生学専攻では、研究の方法、進め方等を学び、従来行ってきた業務に対する興味や深みが全く違うものになった気がしています。現在、公益財団法人東京都公園協会において、都立文化財庭園の管理にかかわる業務を行っており、研究の成果を実務に生かすとともに、さらに都立文化財庭園の管理運営に関する研究を進めていきたいと考えております。
研究を進めるにあたっては、担当していただいた教授をはじめ、環境共生学専攻の教授の方々から、多くのご指導ご助言をいただき研究をまとめることが出来ましたことを心より感謝しております。

 

島根県雲南市立 身体教育医学研究所うんなん 北湯口純  (平成28年3月修了)
私は、中山間地域の基礎自治体が設立した健康政策シンクタンクの職員として勤務しています。少子高齢化が著しい中山間地域では、高齢者の健康増進・介護予防が喫緊の課題となっています。一方で、地理(起伏など)、気象(降雪など)、公共交通の非利便性、公共施設等へのアクセシビリティの低さといった中山間地域特有の環境条件が、高齢者の健康増進・介護予防を進める上での障壁となっています。国土面積の約7割を中山間地域が占め、そこに総人口の約7分の1が居住する日本において、中山間地域特有の環境条件に応じた健康政策立案の意義は大きいと言えます。しかし、その立案に資する中山間地域ならではの健康関連の諸問題に関する疫学知見が圧倒的に不足していました。そこで私は、中山間地域に暮らす高齢者の健康を脅かす要因を疫学研究の手法によりひとつでも多く解明し、地域環境に応じた健康政策の立案に役立てていきたいと考え、環境共生学専攻に進学しました。本専攻での学びを通じて、人々が住み慣れた地域で健康に暮らしていける社会とは、本専攻が目指す「環境共生社会の実現」のひとつの姿であり、人々の健康を守る健康政策にこそ環境共生の視点が必要と考えられるようになりました。今後の活動の道標となる大切な気づきを得られたのも、先生方のご指導はもとより同じ社会人院生である先輩方や仲間の多様な価値観に触れられたことが大きかったように思います。

 

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