タンパク質の形を通して化学反応の筋書きが見えてくる
バイオサイエンス学科4年
深野 和紘
研究室の雰囲気をひと言でいうと「自由」。自分から「こういう研究がしたい」といえばどんどんやらせてもらえるし、実験もマイペースでできるところがいいですね。
今は、大腸菌がもっている、抗生物質の働きをとめる酵素タンパク質の分子構造を解析しているところ。菌から取り出したタンパク質を結晶化し、X線をあて、その曲がり方を写真に撮り、コンピュータ処理して形を割り出していきます。結晶にならなかったり写真に何も映っていなかったりと苦労が多いだけに、最後に分子の形がきれいに見えた時は本当にすっきりします。
酵素の形を目にすると、反応に関わる物質をつかまえやすいよう、実によくできているのがわかります。そこから化学反応がどのように起きるのかという筋書きが見えてきて、すごくおもしろいですね。
タンパク質の立体構造に関しては世界的なデータベースがあり、どのタンパク質でも最初に形を特定した人は名前が掲載されるんです。いつか自分もそこに名前を記したい。その日を夢見て研究に励んでいます。 |
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