造園科学がめざすもの
科学・技術・芸術を融合した環境デザインの総合科学
公園や緑地をはじめ都市空間から農山村地域まで、人と自然が共生する快適な環境を美しくデザインして創り出す学問を造園学といいます。造園学は科学・技術・芸術を融合する総合科学であり、国土の都市化が進む現代にあっては、都市と自然の再生やより美しい風景が求められ、その使命と役割は年々大きくなっています。
造園科学科は、環境デザインの近代の草分けとして90年の歴史をもっており、自然と共生した緑豊かな空間やガーデンデザインを考えるための知識と、それをかたちにする最新の手法・技術を学ぶことができます。また、自然環境の回復や緑化技術など、環境保全に取り組むうえで必要となるエンジニアリング系のカリキュラムにも力を入れています。
4年間を通じて豊富な演習と講義
学年ごとに専門分野の科目を実習・演習と並行して体系的に学べるのが特徴です。1年次は、造園に使う植物材料の知識を深める造園体験演習や花・緑演習などをおこないます。2・3年次には、造園計画の構想からプレゼンテーションまでを学ぶ造園植栽演習や造園総合演習を実施しています。
さらに4年次にも、実務と深くかかわる8つの分野の専門特化演習をおこなうなど、多くの演習を交えながら段階的に学習していきます。
また3分野に分かれた計12の研究室から所属先を選んで、研究活動をおこなうこともできます。卒業生は、環境や緑化担当の技術系公務員をはじめ、環境計画コンサルタント、ランドスケープデザイナーなど、幅広い分野で活躍しています。
JABEE認定カリキュラムで「技術士」の1次試験が免除
造園科学科のカリキュラムは、JABEE(日本技術者教育認定機構)の技術者教育プログラムに認定されています。JABEEは国際基準を適合した技術者教育の認定をおこなう評価団体であり、プログラム修了者は、国際的に活躍できる水準の知識と能力をもった技術者であることが証明されます。
造園科学科に入学すると自動的にJABEE認定プログラム履修者となり、卒業すると同時にJABEE修了者となります。修了者は「技術士」国家試験の第1次試験が免除となり、第2次試験までに必要な実務経験も7年から4年に短縮されます。