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応用生物科学部醸造科学科 醸友会

第19回あきだる全国大会経過報告

 第19回あきだる全国大会は、平成25年5月14日、15、16日の2泊3日、北海道で開催された。第18回が一昨年東京で行われた際、次回をどうするかで意見交換したが、既に北は青森から南は沖縄まで会員のいるところは、一応一周しているので、今回、会員のいない北海道を選ぶのには多少のためらいもあった。前回、箱根の宿で次回については当時の幹事提案として「二川本陣」の馬塲彦十郎会員を幹事長に推薦し、場所やその他の幹事については馬塲さんに一任ということで承認された。
 その後、1年を経過した頃からいよいよ具体的な打ち合わせが名古屋で行われ、冒険とも思える会場の「北海道」が実現することになった。昨年の暮には早くも馬塲さんから第1回目の北海道大会の案内状が会員に届いた。幹事には馬塲、石川、武藤さんの愛知県組、三重県の中嶋さん、岐阜県の白木さんと遠く青森県の中村さんの名前があった。中村さんは平成15年第14回大会を青森県で開催を担当した直後に病に倒れ、10年ぶりの参加である。北海道に1番近い所にいて、いろいろアドバイスできることもあって、打ち合わせにははるばる名古屋まで出向いて来てくれたとのこと、。元気な姿と再会できてよかった。それに引き換え元気なはずの堀井さんが水難事故でなくなられたことは誠に残念でならない。彼は第17回大会の幹事長で、例によって、いわむら一斎塾の代表として儒学者佐藤一斎先生の話をよくしてくれた。前置きが大分長くなったが、さて、いよいよ本大会についての報告である。

 初日。5月14日の夕刻には第2次締め切りの時点で参加の意思表示のあった24名全員が1日目の宿となる函館郊外の湯の川温泉「啄木亭」に参集した。例によって北から順に参加者を列挙する。中村(青森)、高木夫妻(山形)、工藤夫妻(山形)、森田夫妻(東京)、三橋(神奈川)、嶋崎夫妻(長野)、吉田(石川)、白木(岐阜)、馬塲夫妻(愛知)、中嶋(三重)、黒田夫妻(兵庫)、小泉夫妻(岡山)、藤(福岡)、西夫妻(大分)、石橋夫妻(長崎)である。
 全国大会の開会宣言と司会進行は中嶋幹事が担当した。会場には学歌が流れ、学歌と応援歌(大根踊り)のそれぞれ2番までを歌い、この2年間に亡くなった堀井、栗本、原田会員に黙祷を捧げた。続いて馬塲幹事長から大会のあいさつがあり、今日の開催にこぎつけた経過報告の中で、1次の予備登録から10名ほど出席できない会員が出てしまい大分ショックだったとに話があった。今回は前回の参加者に新顔で森田会員の奥様が初参加で来られ、あとの奥様方8名は再会の方々であった。森田さんの奥さんは栄養科の4期生とのことで、在学中からの付き合いかは、聞き漏らしてしまった。酒盛りが進むとあちこちに輪ができて一段と賑やかになる。賑やかの中身は、昔は商売の話が最優先で午前様になることのほうが多かったが、最近では病気の体験談や投薬治療中の話が優先してしまい、今回は珍しくカラオケも出なかった。歳は争えない時期に来てしまった。この会も卒業後50年以上経つのだから当然といえば当然かもしれない。このあと、並んだ順に全員が例によって近況報告をする。「タケヤ味噌」の嶋崎親分がいよいよ80歳になるが現役で、「いいちこ」の西会長もまだまだ多忙のようだ。今回、写真全般を担当してくれた藤会員は「からし酢みそ」で全国的に販路を拡大して、会長職にありながらこれもまた多忙のようだ。悠々自適の会員も大分増えてきた。馬塲さん宛に欠席の返事のあった会員の近況も印刷物にして配られた。新潟の斉藤会員からは土、日曜以外は第一線で80歳までは働くとの宣言文が届いた。熊本の湛会員からは100キロの体重で車椅子の生活とのこと。本人は参加の意志が強く、旅行業者からはOKが出たが。奥様から体調不良で欠席との結論が出てしまった。不参加の中に茨城県の細野会員は永年の民生委員としての労に対して、春の叙勲で「瑞宝単光章」に浴したとの嬉しい報告もあった。毎度参加で人気者の熊本県大塚会員は胃がんで今回は静養とのこと。
 宴席で白木会員から全員に「古酒」が土産に配られた。古酒に先鞭をつけた本人は、最近では奥さんや若い者に商売はすっかり任せているとのことだった。いただいた古酒は15年物で洒落た三角のビンに「アイスクリームにかけるお酒」とのラベルが貼ってあった。年代物は赤色だった。これと前後してしまうが、この宿の玄関には歓迎あきだる全国大会御一行様の大きな看板があった。受付には幹事の馬塲さんと中村さんがおり、中村さんからは観光土産に作っている「しそりんご」を全員が土産として早々いただいた。
 2時間ほどの宴会のあと、夕食後は函館山からの夜景見物が番組に組まれていた。大型バスが用意され大半の会員が乗り込んだ。しかし、参加した会員の話では、函館山の山中は悪天候で前方を走る車のテールランプしか見えなかったとの報告を受けた。勿論、あの素晴らしい函館の夜景は全く見えずにUターンしたのことである。お疲れご苦労さんと言いたかった。残った会員は2~3名ずつあちこちで雑談に華を咲かせていたようだ。

 2日目。8時30分宿を出る。まず、五稜郭に向かう。ここは今回の大会では唯一どうしても行かなければならないところだ。われらが母校東京農大の設立者榎本武揚の幕府終焉の地である。朝から修学旅行の生徒で展望塔に上るにも長蛇の列である。この塔からの眺めは、昨夜の挽回で函館を360度見渡せる。泊まった宿やその先に飛行場も見える。ここで北上してきた満開の桜と落ち合うことも出来た。大沼公園で小休止をして、森で昼食となる。このあたりまでは天候が冴えずバスの中からは靄が立ちこめて景色を見ることが出来るのは途切れ途切れであった。昼食は蒸篭の上段が蟹飯、下段は当地で有名なイカ飯であった。昼食後、洞爺湖に向かう。有珠山の噴火跡や昭和新山を目の当たりにする。バスから降りあたりを散策する。噴火に伴う各地の傷跡が生々しく残っている。新山は昭和18年12月28日噴火して今なお白煙を噴き上げている。
 夜は洞爺湖万世閣に泊まる。ここの玄関にも大きな歓迎あきだる全国大会様の看板があった。どちらの宿もわれわれの会の看板のみで目立つこと。目立つこと。どちらの旅館も満室だがまるで、あきだる会全国大会の貸切のような錯覚を受けた。
 夕食の席につく。ここでも着席するや歓声が上がった。テーブルには山形県高木会員の作品「十四代」」が並んでいるではないか。先年、洞爺湖の高台にある「ザ・ウインザーホテル洞爺」で開催されたG8世界サミット(主要国首脳会議)に日本酒を代表してこの「十四代」が乾杯に使われたとのことである。下戸の小生もグラスに注がれた酒が、酒と思えない、こんな酒がこの世にあるのかと十分堪能しながらいただいた。高木さんはこのところたびたび月刊誌のグラビアを賑わせている。そこで、北海道で有名な「北の誉」との飲み比べをした。われわれが普段飲む酒はこの「北の誉」に似ている。これが酒であり、「十四代」は別物で酒と言う言葉では表現できないようなフルーティーで味わい深い、愛情をこめて作った芸術品と言った感がした。宴席の料理よりも「十四代」で話が弾み、しゃぶしゃぶが煮詰まっていたものもあった。
 食事の途中で、三橋会員から昨日配布した欠席会員の近況の補足が報告された。この中で、あきだる会の将来についても若干触れた。今回までのような形での大会にはそろそろ限界があるのではないか。将来的には、奥方の常連の方々を中心にご子息の中に醸造(学)科卒業生が10名以上いるので、永遠の会にできないものかとの話である。あきだる会員も総勢74名中、判っているだけで23名が亡くなっている。大会の出席者の中には2年1度の参加を強く希望する方もいた。中には亭主を出し抜いても参加を表明した奥方も何人かいた。まだまだ決して見捨てたものではない。

 3日目。ホテルを出て白老ポロトコタン(アイヌ民族村)へと進んだ。名のとおり、大きな村を頭に描いていた。そこは観光地化された町の一角にあるこじんまりとした静かなところであった。入口に案内所と博物館、大きな村の元老の立像があり、その奥にカヤ葺き屋根の同じような建物が6~7棟建っていた。1番手前の建物に案内され、市の職員と名乗るアイヌの男性から1通りの民族の説明があり、続いて民族衣装をまとった若い女性が独特の歌や踊りを披露してくれた。ここには東南アジア系の外国人も見学に来ていた。このあと、千歳、札幌近くの高速道を小樽に向かった。小樽では、まず腹ごしらえ。海の幸が山盛りの海鮮丼が旨かった。昼食後三々五々市内観光に散った。市内中心街のガラス工芸品店やチョコレートやクッキーなど土産品を売る店では多くの会員が大分買い込んでいた。最後に小樽では有名な観光地の「小樽運河」まで行った。ここでも外国人が集団で記念写真を撮っていた。小樽では駐車場集合の5分前に西夫妻を除いてほぼ集まった。1分前になっても現れない。どうも時間一杯小樽の街を楽しんだようで、時間どおりに戻って迷子でなくてほっとし1件落着。帰途は同じ道を新千歳空港まで戻り散会した。九州勢5名の皆さんはるばるご苦労さんでした。特に藤会員には3日間300枚余のスナップ写真と記念の集合写真を撮っていただきました。楽しみに出来上がりを待ちましょう。

 相変わらずの大会経過報告で申し訳ない。同窓の皆様からも、「もっとましな報告書を書け」と言われているようです。当方は醸友会ホームページの埋め草のつもりで書きなれない文章を当日の進行にしたがって書いてきました。また、2年後、どんな会になるかは分かりません。例年ですと、会の進行中に次回の場所と担当を決めてしまうのですが、今回に限り、会員も70代後半になってきましたので、ただ、健康に過ごし元気でお会いしましょうとだけ、確認して散会しました。今回は馬塲さんはじめ幹事の皆さんには本当にお世話になりました。楽しいクラス会でした。ありがとうございました。


第19回あきだる全国大会報告の写真.jpg

あきだる会記念写真エトキ (参加者全員24名)
後列左から 三橋、吉田、中嶋、森田、白木、中村、黒田夫人、森田夫人、高木、黒田
中列左から 西夫人、嶋崎夫人、小泉夫人、小泉、工藤夫人、高木夫人、石橋夫人
前列左から 西、馬塲、嶋崎、工藤、石橋、馬塲夫人、藤

関連ページ
あきだる会とは
第18回(平成23年箱根)
第17回(平成21年岐阜)
第16回(平成19年沖縄)
第15回(平成17年南淡路)

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