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ニュースリリース

富士農場ニュース 肥育牛「農大96085号」が優秀賞4席(A?5ランク)

2007年12月13日

教育・学術

 平成19年12月2日、第81回静岡県畜産共進会において、富士農場から出品した肥育牛「農大96085号」が優秀賞4席(A?5ランク)に輝き、その後のセリ市場において、枝肉重量549.5?、単価@3,301円で落札された。(購買者:米久株式会社)これを1頭当たりに計算をすると1,813,900円になり、消費税込みの価格では1,904,595円になった。通常の肉牛出荷でA?5ランクの価格は、単価2,500円総計800,000?1,000,000円位のものであるから、今回の評価は極めて高いものであった。

 この牛の由来について解説させていただくと、今をさかのぼること19年前の平成元年3月、富士農場の肉牛改良のために基礎牛となる繁殖素牛を秋田県から3頭導入したことから始まる。 これを依頼し選抜したのが畜産学科OBである芹澤章徳氏である。(現:静岡県経済連東部家畜事業所・所長)

 この3頭の中に「いなもん」という優秀な雌牛が居り、生涯産子数11頭は農大の記録である。この11頭のなかに「いなほ:9産」。その娘である「みのり:7産」。その娘である「たかひめ:7産」。その娘である「わかな:現7産」と続き、「わかな」の子供が「農大96085号」である。実に6代目で大輪を咲かせたが、別途の血統図(下記PDFリンク)にあるように「中包」、「谷茂」、「北国7-8」、「平茂勝」、「福栄」といった名だたる種牡牛を用いて改良してきた実績が認められる。

 また、畜産学科では毎年4年次生を対象に人工授精師および受精卵移植師の資格を取得させるべく講習会を行っているが、その一貫として平成16年度の受精卵移植講習会にて「わかな」より受精卵を18個採卵して、その1個をホルスタイン種に移植し、翌年の6月17日に分娩したのが「農大96085号」である。おなじく18個の中の兄弟として生まれてきた「あやひめ:雌」は平成18年度の静岡県東部地域繁殖和牛共例会において最優秀賞を受賞しており、2年続けての開花となった。

 「農大96085号」はホルスタイン種から生まれており、分娩直後からの哺乳も人工哺乳で育ち、学生実習においてブラッシング・去勢・鼻環装着・引き運動など、全てにおいて実習教育の生きた材料となり、非常に人間になついて温和しく、カレッジ講座の子供たちにも自由に触らせることが出来た。今後共にこの様な良い牛作りを心がけ学生教育に生かしたいものである。


「農大96085号」血統図(PDFダウンロード 80.3k)


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