東京農業大学

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ニュースリリース

生物資源ゲノム解析センター 「和牛とイネの設計図を解読」

2010年7月15日

教育・学術



設立一年、農業貢献に期待
生物の設計図といわれるゲノムは、A, C, G, Tというたった4文字でつくられた暗号文である。人を含む動物などの設計図は約30億文字からなり、4文字の並び順を調べて設計図を解読することで、形の成り立ち、病気の原因といった生物の仕組みを解明する研究が盛んに行われている。数年前までは30億文字の解読には何年もの月日と膨大な経費を必要としたが、技術革新により同じ内容を数ヶ月でかつ非常に安価で行えるようになった。
そこで東京農大では文科省の支援のもと、いち早くその技術を取り込み、家畜、作物といった農業資源生物への応用を目指している。その中心となっているのが生物資源ゲノム解析センターである。今回最初の成果として、平安絵巻にも残る日本在来牛の口之島牛、また多くのイネ品種母本にもなってきた酒米「雄町」のゲノム解読に成功した。この結果から、ウシでは現在の西洋種との違いが明らかになりつつある。またイネでは、コシヒカリをはじめとする日本の主要栽培種との比較が可能になった。
このような情報をもとにすることで、よりおいしい、栄養価が高い、疾病・病害に強いなどといった有用な形質を持った品種の改良を、以前よりも短期間で行うことが可能になると期待され、国内の試験場からの期待も高まっている。このほか、環境やエネルギー分野での貢献が期待される各種微生物のゲノム解読も行っている。
今後は、別品種のウシやイネに加え、微生物から家畜・作物までさらにより多くの農業資源を調べることにより、東京農大が行う農業への貢献の一端を先端技術を利用して担っていく予定である。
(生物資源ゲノム解析センター長 矢嶋俊介)


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