東京農業大学
バイオサイエンス学科
植物遺伝子工学研究室
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植物の未知なる能力を遺伝子レベルで科学

植物は、四季の移ろいや日々刻々と変化する環境に適応するため、さまざまな環境情報を多様なセンサーで認識し、得られた情報を統合的に処理、応答しながらしたたかに生きている。また分化全能性などの優れた設計思想を生かして、発芽、成長し、美しい花を咲かせながら生きている。このような植物独自の環境適応能力や、成長・分化過程を制御する高次機能を遺伝子レベルで明らかにし、塩害・乾燥といった環境ストレスや病虫害に強く、高品質で付加価値の高い作物の創出を図る。即ち、最小限の人の世話で最大限の能力を発揮する「農業をする作物」の分子育種をめざす。


学生インタビュー

植物の生体メカニズムを進化的な側面から研究中

大学院農学研究科バイオサイエンス専攻 博士前期課程2年
中村 いずみ

植物の研究を志したのは、植物の生体内の不思議なメカニズムに惹かれたからです。たとえば「分化全能性」もその一つ。植物の切片に薬剤を塗っておくとそこから再び根、茎、葉が出てくるのですが、これは切り取った腕から新たにもう一人の自分が生えてくるようなもの。人間だったらまずありえません。そこに植物のユニークな可能性を感じます。

私は、植物が進化の過程の中で、タネを作る能力をどのように獲得してきたのかを研究しています。タネは寒さや乾燥に強く、その状態のまま10年でも生きられます。それは、タネを作らないコケ植物がもつ高い乾燥耐性が出発点にあるからだと仮説を立てました。それを証明するのは簡単ではありませんが、難しいほど燃える性格なので、楽しみながら試行錯誤しています。

研究室の中はいつも明るくにぎやか。今年の研究室旅行では、千葉の海で台風にもめげず地引き網漁を体験してきました。先生方がとにかくアツいので、学生もどんどん引き込まれていく感じです。植物の進化に興味のある人、夢のような植物を作ってみたいと思っている人は、ぜひこの研究室に来て下さい。

 

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