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造園科学科

日下石英理さん(造園建設・空間情報研究室4年生)

 私は幼少期、祖父母に自然がある場所に多く連れて行ってもらい、様々な植物や動物を見たことがきっかけで自然に親しみを持ちました。そして、様々な自然環境を見ていくなかで、緑があるところには人が集まるということに気づき、緑のもつ力について学びたいと思い、造園科学科への進学を決めました。

 造園科学科に入学し、いざ造園学について学んでみるとその学びの広さに驚きました。入学前の私は、造園学は植物について詳しく学ぶ学問というイメージを抱いていましたが、それは学びのなかのほんの一握りにすぎませんでした。植物に加え、歴史、景観、計画、技術等も造園の学びであり、尚且つ家の庭をはじめとし、公園緑地、観光地、日本庭園、里山といった様々なフィールドが造園学の対象となります。こうした学びの広さを特に実感したのは、3年後期に開講される造園総合演習です。私が所属していた班では、世田谷区における農地の在り方について検討し、水と緑の力を使って地域のコミュニティ形成、防災・減災につながる地域計画を立案しました。この演習を通して、例え1つの造園空間であってもそのデザインや活用方法次第で社会問題の解決に貢献できることを学び、幅広さとともに奥深さも併せ持つ造園学のとりこになりました。

 そして、就職活動をしていくにあたって社会に目を向けたとき、人口減少、仕事効率化の観点からICTの導入等、デジタル化が進んでいることを強く感じ、今後はこの分野に力を入れる企業や自治体が増えるだろうと予測しました。私はもともと、機械系は苦手としていましたが、今後社会で活躍していくためにはこの分野に強くなる必要があると考え、工学系の学びを中心とする造園建設・空間情報研究室に入室しました。現在は、レーザスキャナという物体形状と位置情報を取得できる機材を用いて、街路に生育する樹木情報をシステム化する研究を行っており、定量的な樹木管理の実現に向けて研究に力を注いでいます。

 さらに私は、学科の学び以外にも教職課程を履修していました。教職課程は主に夕方に開講されるため、朝の9時から夜19時半まで授業の日もあり大変でしたが、友人と励まし合いながら乗り越えることができました。そして、教職課程を履修する中で、野外教育に興味を持ち、野外教育研究会に入会して公園で子ども達と遊んだり、キャンプのボランティアに参加したりしました。緑のもつ力を体感することができ、忙しくも充実した4年間を過ごすことができました。

 新型コロナウイルスの影響でリモートワークが導入されたり、今まで人が行っていた業務を機械が行ったり、確実に社会が変わってきているのを実感させられる今日ですが、様々な角度から1つのことを考える造園の学びを活かして、これからも常に自分には何ができるのかを考え続けていきたいです。

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