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造園科学科

岸 孝 さん(ランドスケープデザイン研究室卒業)

 ランドスケープデザイン(造園計画設計)を専門とする設計事務所のパートナーを務めています。

 ランドスケープデザインは、風景(ランドスケープ)を設計(デザイン)する仕事です。庭園や公園、都心の広場から農山村地域まで、家から一歩外に出たときに広がる風景のすべてが設計の対象となります。大きな意味では風景を創る仕事ですが、風景はその土地の自然環境を基盤に、先人たちにより育まれた文化と歴史の上に成り立つため、実際は、「つなぐ」、「整える」または「加える」ようにして空間(風景)の設計を手掛けているように思います。

 これらの写真は、私が設計に携わった作品です。銀座の屋上庭園から企業の研究施設、公共の庭園改修まで、所在地や用途は多岐にわたりますが、どれもその場所固有の風景を後世に「つなぐ」ような仕事になっています。さらに、設計思想を語るとすれば、人を含む生物生態系への配慮や、持続可能な社会基盤の創出を常に考えながら仕事と向き合っています。また、2020年COVID-19の影響により、屋外空間の重要性が再認識され、今後ますます注目される職能だと感じています。

 東京農業大学 造園科学科は、総合的にランドスケープデザインの基礎を学ぶことができる大学です。造園やデザインの歴史に始まり、植物生態学や造園工学、実践的なデザイン演習、マネジメント論など、網羅的にカリュキュラムが組まれており、社会に出て実務に携わると、その充実度がより実感できます。そして、熱心に指導してくれる先生たちと、親身になってサポートしてくれるOB・OGがいます。私もこの秋より非常勤講師として総合演習に参加させてもらうのがとても楽しみです。

 ランドスケープデザインや造園に関わる仕事は、人生を豊かにしてくれる贅沢な仕事だと常に感じています。街中を歩くこと、お洒落な場所に身を置くこと、旅することなど、日常生活で見るモノ、経験するコトの全てが、ランドスケープの仕事に繋がり、仕事も日常生活もますます充実していくはずです。

 このページをきっかけに、ランドスケープや造園の世界に魅力を感じていただき、この世界へ飛び込んでくれる方がいれば、大変うれしく思います。

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