東京農業大学大学院 Graduate School of Tokyo Univ of Agriculture

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「農」の進化に、挑み続ける

"生きる"を支える

『人物を畑に還す』から
『人物を世界へ還す』へ

学長からのメッセージ

東京農業大学長
農学博士 高野 克己
TAKANO Katsumi,Dr.
President of Tokyo University of Agriculture

東京農業大学は、明治期に逓信、文部、外務、農商務大臣を歴任した子爵榎本武揚公により、明治24(1891)年に徳川育英会を母体とした私立育英黌農業科として創設されました。榎本公は、徳川幕府から留学生としてオランダへ派遣され、蒸気機関学、船舶運用術などの専門を学び、さらには科学全般や国際法などの分野も貪欲に勉強し見識を広げられました。帰国後は、経験により得た知識や見識により、当時我が国では誰も試みることがなかった石鹸やチョーク、焼酎の製法などを研究し、製造するなどしました。また北海道開拓にも携わり、その地に農業を主とした産業を興し、独立国「蝦夷共和国」の樹立を夢見ました。その夢はかないませんでしたが、榎本公はこれまでの実学的経験から、これからの産業発展に先進的科学技術、特に「農業」の発展が近代国家の建設に極めて重要であると考え、本学を創設しました。

榎本公は、農場実習や農家支援などの「実学教育」を重要視しました。この本学の実学教育を継承し発展させるのが、籾の塩水選法を考案した我が国農学の先駆者、初代学長の横井時敬先生です。本学の教育研究の理念「実学主義」は、横井先生の言葉「稲のことは、稲にきけ。農業のことは農民にきけ」に込められています。机上の理論ではなく、その物、現場で自らの五感を駆使して、課題を発見し、その課題がなぜ起きているのかを自ら考え、科学的に実証するということです。

本大学院は、東京農業大学の生みの親、榎本武揚公と育ての親、横井時敬先生の想いを実現するため、さらなる農学の高度化と教育研究分野の拡大に対応すべく、1953年に開設しました。以来、この複雑化した現代社会をリードする高度な専門的能力と学識を備えた研究者及び高度な専門知識を有する技術者を養成し、建学の精神「人物を畑に還す」のもと、多くの修了生を国内だけでなく、世界各国、地域で活躍する優れた人材を社会に輩出しています。

また、本大学院は単なる専門家を育てるのではなく、「農の心」を育み、エシカル「倫理的=環境保全や社会貢献」な、つまり人類の幸せのため地球環境保全に配慮できる、倫理感を持ち社会に貢献できる人を育てます。

私たちの住む地球には、「生命」「食料」「環境」「健康」「エネルギー」「地域創成」など本学の学問領域に関する“生きる”をキーワードとした課題が埋まっています。皆さんは、それら課題を掘り起し、自らの研究により課題を解決し、本学大学院教育のもとで個々の夢を実現することを願っています。

人類の幸せのため地球に貢献することが本学の使命です。この使命を任せられる皆さんの入学を心から歓迎します。

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