Introduction of 水利施設工学研究室

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ようこそ、水利施設工学研究室へ

この研究室は、1998年に設立された研究室です。
水利施設と言えば、ダム・水路をイメージする人が多いと思います。これらは農業用水、生活用水、工業用水を確保するためだけでなく、農業の多面的機能を発揮するために重要な施設です。そしてこれらは、地域を循環する水と、水を運ぶ基盤である土により、役割を発揮します。
私たちは、水・土に代表される流体を対象に、フィールド調査や室内実験により、積雪寒冷地における温泉の廃熱を利用したハイブリット型ロードヒーティングシステムの開発、老朽化した水利施設の環境配慮型補修工法、植生や廃棄物を利用した水質浄化システムの構築等を工学的な視点から研究しています。
また、水資源の有効利用、水環境の保全技術に関する研究活動を通じて、地域の水環境に配慮した水利施設の計画・設計・維持管理に携わる技術者の育成を目指しています。

主なテーマは以下のものになります。また、この他にも色々と研究をしておりますので、詳しく知りたい方は研究室までお越し下さい。

音環境

宅地化が進行した農業地域における騒音の発生メカニズムの解明と消音効果を兼ねた水利構造物の開発〜長野県長野市〜

P1000796.jpg近年、農業地域の宅地化が進行しており、農業用水路の周辺まで住宅地として利用されています。従来、水路には水門や落差工といった水利構造物が設置されていますが、宅地化に伴ってこれらの施設周辺では流水による騒音問題が指摘されています。本研究では、水利構造物による騒音の発生メカニズムを水理学的に解明するとともに、消音効果を発揮する構造物の開発を行っています。


水質保全

農業地帯における河川水質汚濁の原因解明と水質改善方法〜北海道網走地域・帯広地帯、福島県相馬市〜

DSC_0339.jpg1980年代から日本においても農業地帯における河川・湖沼の水質悪化が問題になっています。その原因の一つとして、農地への過剰な肥料の投入は必要不可欠ですが、作物生産の過程で完全に消費できません。本研究では、生産性を維持・向上させるとともに、水環境と調和した作物生産を実現させるための水質保全技術に関する研究を行っています。具体的には、北海道において河川周辺の植生(河畔林など)を活用した水質浄化の評価や、福島県では火力発電所から排出されるクリンカアッシュを活用した水質浄化技術の確立に関する研究を行っています。


熱利用

ハイブリット型ロードヒーティングシステムの開発〜新潟県妙高市〜

pic2.png新潟県妙高市は、国内でも有数な豪雪地帯です。この地域は降雪時に道路に埋め込まれた消雪パイプから地下水を流出させることで、道路への積雪を防いでいます。一方、地下水のくみ上げによる地盤沈下が問題となっています。そこで、本研究では地下水に依存しない温泉廃熱を利用したハイブリット型ロードヒーティング技術の開発に取り組んでいます。


舗装

歩行者系舗装の弾力性評価方法に関する研究〜茨城県戸頭市、福岡県福岡市〜

卒論関係の写真 129.JPG高齢化社会の進行や、健康志向の高まりから散歩やランニングをする人が増加しており、歩行空間の整備が重要となっています。なかでも歩行者系舗装は町の雰囲気を醸し出し、魅力に影響を及ぼすとともに、物・人を心地よくスムーズに移動させるのにも一役買います。歩行者系舗装について関心が高まり、新しい材料による舗装の開発がなされていますが、設計法・安全性など明確な基準のないものが多々あるのが現状です。本研究では、歩行者系舗装作りに必要な評価方法の開発をするため、舗装の弾力性、衝撃吸収性、弾性反発性に着目し、高齢者を対象にした安全な舗装づくりに関する研究を行っています。