東京農業大学

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自己点検・評価

序章

本章

第01章 理念・目的
第02章 教育研究組織
第03章 教員・教員組織
第04章 教育内容・方法・成果
第05章 学生の受け入れ
第06章 学生支援
第07章 教育研究等環境
第08章 社会連携・社会貢献
第09章 管理運営・財務
第10章 内部質保証

終章

第三者評価結果

第7章

1.現状の説明
(3)図書館、学術情報サービスは十分機能しているか

[1]図書、学術雑誌、電子情報等の整備状況とその適切性
〈1〉資料の収集方針及び収集・受入れの方法
1)図書資料
 図書資料は、基本的に本学が教授する学問分野である広義の農学関連諸分野の専門図書を中心に収集する一方、入門書的な図書や一般教養的な図書についても受け入れを行っている。学術情報センター予算で購入する図書及び各部局の実験実習費で購入する図書については、原則として学生(大学院生を含む)の利用に供する資料を主体に選定し、教員の研究用図書については、個人研究費で購入することとしている。
 学術情報センターで受け入れる図書の選択方法は、複数ある。各キャンパスの学術情報センターにおいて特色ある選書方法を取り入れている。世田谷学術情報センター図書館では、各学科・課程から選出された委員が書店の持ち込んだ図書の現物に付箋を入れて購入図書を決める「見計らい選書」を中心に選択を行っている。厚木学術情報センターでは世田谷の「見計らい選書」に参加すると共に、特定分野の出版リストの中から学生が本を選ぶ「学生選書」を取り入れている。オホーツク学術情報センターではBookweb新刊情報等をもとに、図書情報部会委員の協力のもと選書を行っている。この他各センター共、学生・教職員からの「希望図書」を随時受け付け、必要性を判断し余程高額な図書でない限りは購入し、学生・教職員の要望に対応している。なお、世田谷学術情報センター図書館では都道府県史や大学史関係の資料の収集、江戸期・明治期の農書の収集、などが特徴として挙げられる。厚木学術情報センターでは農場を有するキャンパスの特徴を活かして、農学関係の基礎資料を収集すると共に野外実習・観察等で使う携帯用の動植物図鑑などの充実も特徴として挙げられる。オホーツク学術情報センターでは北海道関係の基本資料の充実などが特徴として挙げられる。
 図書のデータ入力・管理は、国立情報学研究所の目録所在サービスである「NACSIS-CAT」に参加し、国立情報学研究所の目録に準じて本学の所蔵目録(OPAC)を作成している。
 一方、図書は利用者の利用に供するために収集されるものであり、形あるものである以上、利用の過程で紛失や破損などが生じ、利用に供せない状況となり得ることは当然のことである。よって、図書の除籍は急務である。 2004年度より3キャンパス学術情報センターで協議して図書除籍取扱要領を策定し、除籍処理を順次行っている。
2)学術雑誌資料、電子資料
 学術雑誌は、広義の農学関連諸分野の資料を中心に和雑誌・洋雑誌を継続的に収集している。学術領域の拡大と多様化によって、購読が必要な雑誌や閲覧状況が変化している。このため各学科・課程にアンケートを行い、各雑誌(タイトル)の必要度の調査を行うと共に、雑誌(タイトル)ごとの利用状況も勘案した上で、継続取り消し対象雑誌(タイトル)をリストアップし、最終的に運営委員会の承認を得て実施している。契約については、価格交渉のためのコンソーシアムであるJUSTICEへ参加すると共に、3キャンパス一括の契約によって金額を抑制している。
 電子ジャーナルは、現在購入契約しているタイトル数は約5,400タイトルである。冊子体購入の副産物として無料でアクセスできる電子ジャーナルは、極力閲覧できるようにホームページ上にリンクを作成している。これらの電子ジャーナルは、OPACへ書誌情報を提供するとともに、専用の検索ツールを用意することで利便性を高めている。
 学術雑誌の範疇に入る資料として、二次資料がある。二次資料は、書誌や索引誌などの総称で、一次資料である図書や学術雑誌そのものを探すための資料である。学習研究への用途に加え、教員の業績評価に欠かせない資料である。本学の専門分野に必要な二次資料データベースを導入し、利用促進に向けて講習会を実施している。
〈2〉機関リポジトリ
 本学での機関リポジトリへの取り組みは実現しておらず、学内外の動向を探りながら情報収集に努めている。

 

[2]図書館の規模、司書資格等の専門能力を有する職員の配置、開館時間・閲覧室・情報検索設備などの利用環境
〈1〉図書館の司書資格等の専門能力を有する職員の配置
 世田谷学術情報センター図書館は、専従職員10人、派遣職員1人、業務委託19人、合計30人(うち司書26人)である。厚木学術情報センターは、専従職員3人(うち司書2人)である。オホーツク学術情報センターは、専従職員2人、嘱託職員1人(うち司書2人)である。職員の総合計は36人である。
〈2〉開館時間(日数)
 以下に各学術情報センターにおける2011年度の開館時間を表に示した。

<世田谷学術情報センター図書館>

曜日 行事等 開館時間
平 日 授業・試験期間中 9:00〜21:00
春・夏季休業期間中 9:00〜20:00
土曜日 授業・試験期間中 9:00〜17:00

<厚木学術情報センター>

曜日 行事等 開館時間
平 日 授業期間中 9:00〜18:00
試験期間中 8:45〜19:00
上記以外 春季休業期間中 9:00〜16:30
夏季休業期間中 9:00〜16:00
土曜日 通年 閉館

<オホーツク学術情報センター>

曜日 行事等 開館時間
平 日 授業期間中 8:30〜18:00
試験期間中 8:30〜20:00
春・夏季休業期間中 8:30〜17:00
土曜日 授業・試験期間中 9:00〜17:00

次に各学術情報センターの2010年度年間開館日数を一覧表に示した。

学術情報センター名 年間開館総日数 土曜開館日数 休日開館日数
世田谷学術情報センター図書館 281 13 5
厚木学術情報センター 221 3 2
オホーツク学術情報センター 269 38 2

〈3〉閲覧室(図書館の規模・面積及び資料収蔵能力)
 世田谷学術情報センター図書館棟は、2013年度開館予定の新図書館棟(仮称)への移転準備として、2011年10月から既存の講義棟を改修した仮図書館での運用となる。
以下に仮図書館棟の面積と資料収蔵能力を一覧表に示した。

建物名称 種別 用途区分 面積(u) 資料収蔵能力(冊)
仮図書館 サービススペース 閲覧スペース
情報端末スペース
その他(会議室等)

1,140
130
40
 
管理スペース 開架書架
*閲覧スペースと共有
事務スペース
1,140
120
140,000
合計

 

 

1,430 140,000

注)面積及び資料収蔵能力は、仮設につき概算

 世田谷学術情報センター図書館の仮図書館における資料収蔵能力は、約14万冊である。現在57万冊の所蔵のうち仮図書館に収蔵できない図書資料約43万冊は、外部の倉庫に預け利用者の請求に応じて取り寄せて閲覧サービスを行う。
 新図書館棟(仮称)は、計画では図書資料の収蔵能力が開架22万冊、自動化書庫40万冊の計62万冊である。サービススペースとして個別学習席は通常エリアと静寂エリアを用意し、グループ学習室を現状より増設し、大学史料室(大学史、本学卒業生論文収蔵、貴重書収蔵)を個別に設ける計画である。
 厚木学術情報センターの図書館は、本部棟の中に設置し、東京農業大学図書館分室として厚木キャンパスの開学(1998年4月)と同時にスタートした。鉄筋3階建の3階に位置し、延べ床面積886u、全面開架式である。
以下に厚木学術情報センター図書館フロアの面積と資料収蔵能力を一覧表に示した。    

建物名称 種別 用途区分 面積(u) 資料収蔵能力(冊)
本部棟3階 サービススペース 閲覧スペース
情報端末スペース
その他
429
29
30

 
管理スペース 書庫・開架書架
事務スペース
その他
230
44
124

36,440

合計     886 36,440

 注)面積及び収蔵能力冊数は2011年度実施図書館実態調査の数字を用いた。

 オホーツク学術情報センターの図書館棟(4号館)は、オホーツクキャンパスの開学(1989年4月)と同時に東京農業大学図書館分館としてスタートした。建物は鉄筋2階建、延べ床面積970u、基本コンセプトは全面開架式である。その後、収蔵スペースを確保するため、1994年3月に図書館棟に隣接して建設された講義・実験棟(8号館)の3階に書庫を設け、電動式集密書架を設置した。2006年12月の第二書庫増設により現在の延べ床面積は1,350uとなっている。
 以下にオホーツク学術情報センター図書館棟の面積と資料収蔵能力を一覧表に示した。

建物名称 種別 用途区分 面積(u) 資料収蔵能力(冊)
4号館
(一部8号館を含む)
サービススペース 閲覧スペース
情報端末スペース
277
127
 
管理スペース 書庫・開架書架
事務スペース
その他
566
106
274

118,556
合計     1,350 118,556

注)面積及び収蔵能力冊数は2011年度実施図書館実態調査の数字を用いた。
主な施設は、1階閲覧室、2階閲覧室、教員閲覧室、情報学習室、開架書庫、集密書庫等がある。

〈4〉情報検索設備などの利用環境
 情報基盤については、3-4年を周期とする更新を、3キャンパス合同の委員会のもと行っている。
 世田谷学術情報センター図書館のネットワークシステムの管理・運営業務は、コンピュータセンターが行っており、提供ツールやコンテンツの管理・運営は、同学術情報センターが行っている。厚木学術情報センター及びオホーツク学術情報センターは、各キャンパス全体のネットワークシステム管理・運営業務を所掌しており、教育系の施設であるコンピュータ演習室等の管理も行っている。管理内容は、学生開放時の待機アルバイトの配置、ネットワーク・パソコントラブル発生時の対応、メンテナンス、更新時の計画策定等がある。
 各学術情報センターにおける利用環境は、以下のとおりである。
《世田谷学術情報センター図書館》
 利用者サービスに提供しているパソコンは、デスクトップ55台、ノート型20台である。図書館の提供するコンテンツ以外にも、学内ネットワークで提供される各種サービスを利用することが可能である。デスクトップのうち5台はOPAC専用端末として、各キャンパス蔵書の横断検索システムを提供している。また、『農業センサス』電子媒体を利用するための専用端末を用意している。
 図書館内の閲覧室には無線LANが配備され、貸出用ノートパソコンや利用者持込パソコンの利用に対応している。
 また、平成22年度の更新においてSSL-VPNサービスが開始され、IP認証で契約したコンテンツを利用者の自宅や外出先からの利用が可能となった。
 視聴覚機材の貸出は、デジタルカメラ・ビデオカメラ・プロジェクタ・スクリーンなどであり、視聴覚資料を閲覧するDVDプレーヤー2台を設置している。
《厚木学術情報センター》
 厚木学術情報センターの図書館業務システムは、世田谷学術情報センター図書館業務システムの一部を成すシステムで、世田谷にあるサーバとLANでつながっている。したがってこれまでのところ、システムリプレイス等については全て世田谷学術情報センター図書館と同期をとっており、世田谷で定期的に行われるシステム会議には厚木の図書館システム担当者も参加して、新規サービスの立ち上げ等連携を保ちながら進めている。したがって、世田谷同様なサービス提供が可能である。

《オホーツク学術情報センター》
 2003年度、2006年度、2010年度と三度の全学ネットワーク更新プロジェクトを経て、2010年10月より現行システムが稼働している。以下は更新の概況である。
−教育研究−
 PC73台のCP演習室の更新、PC109台のCP実習室の更新 ☆WindowsXP+Office2003→Windows7+Office2010、webメール,ネットワークストレージ,eラーニングシステムの構築・運用、講義等の動画配信(ストリーミング)システムの構築・運用、一般教室教卓PCの更新と一元管理システムの構築・運用
−学生サービス系−
 学生サービス端末70台→82台に増設、インターネットラウンジを設置し新サービス開始、学生が自由に利用可能なパソコンを25台設置、無線アクセスポイント(Hotspot)設置、学生がパソコンを持ち込んで学内の設備を利用できる環境構築、貸出用無線LAN子機約80台準備

[3]国内外の教育研究機関との学術情報相互協力システムの整備
 他大学、他機関との協力は、国立情報学研究所が提供するNACSIS-ILLシステムを利用した図書館間の相互協力による文献複写の依頼・受付及び図書の現物貸借である。
 以下は、各学術情報センターの過去3年間のILL依頼・受付状況である。
<世田谷学術情報センター図書館>(3キャンパス間のILLも含む)

年度 学外文献複写依頼 学外文献複写受付 図書現物借受 図書現物貸出
2008 861 1,959 30 60
2009 885 1,760 52 79
2010 745 1,417 65 67

<厚木学術情報センター>(3キャンパス間のILLも含む) 

年度 学外文献複写依頼 学外文献複写受付 図書現物借受 図書現物貸出
2008 2,005 10 9 24
2009 1,566 13 15 19
2010 1,148 14 15 23

<オホーツク学術情報センター>(3キャンパス間のILLも含む)

年度 学外文献複写依頼 学外文献複写受付 図書現物借受 図書現物貸出
2008 863 989 65 55
2009 1,102 818 153 56
2010 1,335 704 90 45

 自館にない資料の複写物を他館から取り寄せる「学外文献複写依頼」は、世田谷・厚木学術情報センターでは減少傾向となっている。これは、電子ジャーナルの契約拡充によって利用要求が充足されているためである。オホーツクでの増加傾向は、学科改組などで新規研究分野に対する学術情報の利用要求が生じているためである。文献複写の利用状況を精査することで、自館の蔵書構築を見直す判断材料となる。自館の資料の複写物を他館に提供する「学外文献複写受付」は、厚木学術情報センターでは数も少なく横ばい状態であるが、世田谷・オホーツク学術情報センターでは相当数を受け付けており、OPACで公開している所蔵資料の多様性に加え、迅速かつ丁寧な処理が評価されている。
 また、国立大学間から私立大学間にも範囲が拡大された「料金相殺制度」に参加しており、業務負担の軽減を図っている。
 次は、他大学・他機関への紹介状の発行数について各学術情報センターの状況である。

年度 世田谷 厚木 オホーツク
2008 34 2 0
2009 25 3 0
2010 56 3 0

 世田谷学術情報センター図書館は、2001年12月に世田谷キャンパスが国士舘大学、駒沢大学、昭和女子大学、成城大学、東京都市大学との間で「世田谷6大学コンソーシアム」の基本協定を結んだことを受け、図書館相互利用専門委員会が設置され、相互協力のあり方について検討して行くこととなった。これまでに専任教職員と大学院生・学部生への館外貸出を実現している。
 厚木学術情報センターは、厚木市内の5大学と厚木市立中央図書館を介して図書館相互協力に関する協定を結んでおり、参加大学の図書を、厚木市立中央図書館を介して取り寄せることができる。参加大学は、神奈川工科大学附属図書館、松陰大学附属図書館、湘北短期大学図書館、東京工芸大学中央図書館である。
 オホーツク学術情報センターは、2003年10月より北海道地区の27大学で組織する「大学図書館相互利用サービス」に加盟している。このシステムでは加盟館のカウンターで学生証を提示すれば、貸出・閲覧・複写のサービスを受けることができる。
 国外の大学との相互協力関係は、今のところ構築されていないが、今後海外の姉妹校図書館との連携を構築する必要がある。なお、世田谷学術情報センター図書館で編集・発行業務を行っている本学の紀要「東京農業大学農学集報」は国内440機関、国外169機関に配布し、海外の貴重な資料との交換対象になっている。なお、上記以外に3キャンパス学術情報センター図書館とも、農学系の情報を扱う専門団体として日本を代表する「日本農学図書館協議会」(以下農図協)の会員となっている。

 

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