東京農業大学

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自己点検・評価

序章

本章

第01章 理念・目的
第02章 教育研究組織
第03章 教員・教員組織
第04章 教育内容・方法・成果
第05章 学生の受け入れ
第06章 学生支援
第07章 教育研究等環境
第08章 社会連携・社会貢献
第09章 管理運営・財務
第10章 内部質保証

終章

第三者評価結果

第4章

<4>成果
1.現状の説明
(1)教育目的に沿った成果が上がっているか

〈大学全体〉
 教育目的に沿った成果が上がっているか否かは、学生の理解度を客観的に示す適切な成績評価の実施、人材の輩出状況を示す卒業後の進路、さらに教育成果の社会的評価を反映する受験者数などによって測定することができる。本学ではシラバスに評価基準を示すとともに、GPAの導入を行って、学生の理解度を学生と教員の両者が把握し、適切な指導が行われるようになっている。とくに研究室ごとの密接な指導により、理解度の低い学生や問題を抱える学生を漏らさず一定水準にまで高める努力が行われていることは特筆できる。また、卒業後の進路を見ると、各学部の理念に基づき想定される企業や団体あるいは職種が主要な進路となっているほか、大学院への進学によりさらに学ぼうとする学生が多く、高い専門性や学ぶ意欲を十分に引き出す点において教育の成果が上がっていることを示している。また、受験者数も高い水準で維持されており、社会における本学卒業生の活躍、公表された各種の研究成果、あるいは教育の実際を体感できる様々なイベントなどを通して、本学の教育目的やその成果への評価が高いことを示している。

〈農学部〉
 本学部は「農」を学ぶことによって、拡大する農業および生物産業とその関連分野、さらに生物との共存共栄による人々の生活の質の向上や生物を介在させた療法に貢献できる人間の育成をめざしている。現在、学習成果を測定するための評価指標は導入されていないが、卒業後の進路を見ると、2010年度の就職者438人の業種別割合は、農業17.1%、小売業16.0%、食品製造業13.2%が上位3業種であり、教員(中・高校)7.3%、農業団体4.6%、医療保健業3.9%であった。また自営者41人のうち、農業、畜産業が92.7%を占めるなど、農業および生物産業とその関連分野で多く活躍している点に教育の成果が認められる。

〈応用生物科学部〉
 本学部は、動植物、微生物等が営む生命現象についてマクロからミクロまで一貫した理解力と解析能力を深め、人と環境の共生の上に成り立つ生活を真に考究、実践出来る人材育成教育を理念としている。在学中の学習成果はGPAで測定し指導に役立てている。さらに卒業後の進路で見ると、バイオサイエンス学科は、就職先として製薬、化学、食品関係が多く、生物応用化学科は、製造業(食料品)および製造業(化学工業)などへの就職に特色が見られ、醸造科学科では醸造・食品産業や微生物利用産業に就職している点に、栄養科学科は2011年3月卒業者の管理栄養士国家試験合格率が92.6%に達している点に,教育の成果が認められる。

〈地域環境科学部〉
 本学部は、林学、農業工学、造園学分野における様々な専門技術と社会学的要素を基に、山村地域、農村地域、都市地域といったフィールドにおいて、自然と人間がよりよく共生できる社会の実現を目指している。その成果を卒業者の就職率で見ると、2008年度78.6%、2009年度75.2%、2010年度71.9%(進学はそれぞれ8.7%、10.0%、7.1%)であり、そのうち、森林・林業や農業あるいは造園業、あるいは関連する公務員・団体職員として採用されているものが比較的多く存在することから教育目標に添った成果が得られていると評価できる。

〈国際食料情報学部〉
 教育効果の測定は成績評価によって行い、GPAスコアによって各学生の到達度を客観的に把握している。また教職員は労力や時間を惜しまず全人的な学生指導に当たり、数値化できない「人のあり方」を重んじた教育を行って、卒業生が社会で評価されるよう努めている。特に、研究室や少人数制によるゼミナールに学生を所属させ、教員が各学生の学習の状況・成果をきめ細かく把握することにより、教育の成果をあげている。
 将来の希望進路を視野に入れた履修モデルの作成、卒業生による講演会など、学習意欲を高め、教育の成果を上げるための具体的な方策を実施し、就職率の上昇や大学院進学者の増大に反映させている。平成22年度の卒業者の就職者は447人で、卸売51.2%、製造業21.9%、教員9.1%、公務員4.9%となっている。本学部の卒業生の中には青年海外協力隊として開発途上国で国際協力に従事する者もいる。

〈生物産業学部〉
 学生の理解度を把握するための成績評価とそれにより算出されるGPAのスコアによって総合評価ができるようになっている。また、GPAスコアは学生自身の自己評価にも繋がり、意欲の維持のためにも役立っている。
 学生による授業評価(実施率58.9%)を期末に1回Web上で行い、結果を集計して授業の改善に役立てている点も、教育の成果を高めるために重要であると認識している。学生の自己評価は実施されていないが、卒業生からの学部評価は満足度が84.7%で高い。
 2010年度の就職率は91.2%であった。業種は広域に選択されており、企業からの評価も高い。職業種別の就職状況の特徴は本学部各学科の教育目標を反映した結果になっている。

〈教職・学術情報課程〉
 近年、教員、学芸員、司書として、本課程で取得した資格を生かして就職する学生が増加しており、本課程の目的である教員・学芸員・司書養成は着実に成果を出している。また、卒業前の学生に教職・学術情報課程での学習について感想を書かせているが、教職・学術情報課程での学習を通して、自分の適性や能力について考えるとともに、自分の進路を考えるよい機会になったという学生が多い。本課程は資格教育を目的としているが、それと同時に学生の人格形成に寄与していることは大きく評価されるべきものと考える。

〈農学研究科〉
 教育成果の評価は,伝統的に修士論文あるいは博士論文の内容や完成度,国内・国際学会での口頭・ポスター発表の実施状況,学術雑誌への論文の掲載状況,さらには就職状況によって総合的な判断を実施している。この評価は,(独)日本学生支援機構から奨学金を貸与された学生の中から返還免除学生を選抜するためにも活用されている。
 また,博士前期課程・修士課程ならびに博士後期課程卒業者の最近5年間の就職状況を見ると,博士前期課程・修士課程ではおおよそ70%前後で安定的に推移しており、専門性を活かして各分野で活躍している。一方,博士後期課程の就職状況を見ると,明らかに就職率が低下しており,博士号を取得した大学院生の就職が社会的に大きな問題となっている状況が、本専攻でもうかがえる(表4)。

〈生物産業学研究科〉
 博士前期課程は新設であり、2012年3月に最初の修了生が出る予定であることから、教育目的に沿った成果、卒業後の評価に関しては、今後検証していく。

【表4】平成18〜22年度 大学院農学研究科修了者就職人数一覧PDF

【表5】平成18〜22年度 大学院農学研究科博士後期課程5月1日在籍修了年次者の学位取得率PDF

 

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