東京農業大学

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自己点検・評価

序章

本章

第01章 理念・目的
第02章 教育研究組織
第03章 教員・教員組織
第04章 教育内容・方法・成果
第05章 学生の受け入れ
第06章 学生支援
第07章 教育研究等環境
第08章 社会連携・社会貢献
第09章 管理運営・財務
第10章 内部質保証

終章

第三者評価結果

第4章

<3>教育方法
1.現状の説明
(1)教育方法および学習指導は適切か

〈大学全体〉
 学部・学科、研究科・専攻がそれぞれの目的を達成するために、必要な講義、実験、実習、演習科目を配置している。学部においては、1年間に履修できる単位数を2010年入学者から50単位(半期26単位まで)までと定めている(2009年入学者までは46単位まで)。入学時には、基礎学力不足の学生への対応を実施するとともに、全学共通必修科目であるフレッシュマンセミナーにおいて、教員と学生のコミュニケーションを図るとともに、各学部および各学科の教育理念・教育目的の理解や、学生生活や履修等について、新入生が早く学生生活に慣れることを指導している。大学院生については、指導教員が大学院生個々に研究指導・論文作成指導を行っている。

〈農学部〉
 本学部の教育目標を達成するため、基礎から応用に至る実験・実習・演習科目を必修科目として各学年に配している。すなわち、農学科では合計32単位、畜産学科では合計12単位、バイオセラピー学科では合計20単位を課している。専門科目の履修について、農学科では2年次から園芸生産科学または農業生産科学のいずれかのコースを選択する。各学科とも3年次から研究室に所属し各専攻の実験・実習・演習、卒業論文を履修する。通常の履修科目以外に、バイオセラピー学科に開講されている植物介在療法特別カリキュラムの修得単位は、全学的に定められている年間50単位の履修制限単位数には含まれず、他学部聴講・他学科聴講・大学間履修、英語による専門教育プログラム、特別活動プログラムにより修得した単位との合計修得単位のうち30単位までを選択科目として卒業要件単位に加えることができる。履修指導のため、各学科に関連する将来の進路を見据えた履修モデルを提示している。

〈応用生物科学部〉
 本学部として、食料・健康・環境にかかわる諸問題を科学的に理解・判断・解決できる人材を養成することを目的に、専門教育科目を設けている。また、豊かな教養と人間性を涵養することも重視し、社会科学、人文科学、自然科学、外国語、スポーツ分野等の総合教育科目も開講している。さらに、語学強化のために2年次の終了時にTOEIC試験を奨励している。
 バイオサイエンス学科は、微生物・植物・動物など幅広い生物を対象に、これらの構造や高次生体機能を分子レベルで理解するためのカリキュラムを編成している。また、グループディスカッションやプレゼンテーション形式の授業をおりまぜ、学生が能動的に学習し、学生の理解度を教員が適宜把握できるよう工夫している。さらに、英語強化のために基礎教育科目および専門領域科目を通じて英語教育を行っている。
 生物応用化学科は、無機化学、有機化学、生物化学など基礎科目、分子生物学、植物生理学など専門科目、これに実験科目を加えた中で動植物微生物等が営む生命現象を理解させる。1年次では、「フレッシュマンセミナー」の内容多様化と化学の基礎知識の充実化、2年次では、農業の概論理解とともに、実験レポートを通して実学に相当する実験科目の理解、実行、洞察力を養っている。3年次では、専門科目の講義と実験の連携の必然性を理解し、実践体験させ、4年次では研究室で社会人としてのモラル醸成を指導するとともに実践的な実験手技、手法教育を徹底している。
 醸造科学科では、必修科目が4年間で合計83単位(内実験18単位、4年研究室配属次卒業研究8単位)が課せられている。選択必修科目として8単位以上、選択科目は33単位以上の修得が必要であり、高年次の学生は低年次の科目の履修登録が可能とされている。また、教育効果を測定するための方法として、基礎的科目については一部の授業で毎時間復習の問題を実施している。
 栄養科学科では、主たる開講形式は集団教育方法であり、講義形式が多い。また、学科専門科目および学部専門科目の中の専門コア科目に食品栄養学専攻で7つの実験、7つの実習科目、管理栄養士専攻では6つの実験、8つの実習科目を配置している。いずれの科目も基礎から専門にわたる実験実習科目であり、講義科目で履修した内容を実験実習で確かめ、体験を通して真実を学ぶ姿勢を育成している。実験実習科目でテーマごとにレポートを作成させて、報告書の書き方の指導を行っている。そして、管理栄養士のスキル育成教育科目として、献立作成演習を配置している。

〈地域環境科学部〉
 本学部は、学部共通科目による基礎教養教育に始まり、森林、農村、都市を科学する動機付け教育、さらに各専門を深める応用へ段階的に進行するカリキュラムに特徴がある。特に、生産環境工学科と造園科学科においては、専門の技術教育としてJABEE(日本技術者教育認定機構)の基準にあったシステムを導入している。自然生態系を実体験できる演習林や、エコ・テクノロジー設備、スタジオ型演習室、個別専門の設備を持つ実験室などにおいて、実学教育を展開している。
 授業形態は講義科目、演習科目、実験科目、実習科目に区分している。講義科目と演習科目は原則として1科目(2単位)で構成し、実験科目と実習科目は必要とする学習時間に基づき2ないし3単位をもって1科目を構成している。このように構成される科目を一週間に1回開講し、それを15週にわたって実施するように学期を定めている。
 学部に教育点検委員会を設け、教育方法および学習指導についての問題を学科から集約し、検討している。
 森林総合科学科では、1〜2年次に森林を科学するための基礎を森林総合科学概論などの講義と森林学実験実習で「森林土壌実験」「気象情報の測定と解析」「森林地形解析」ほかの各授業を実施。その後は森林の生態、木材の利用、山地の土砂移動などの専門的な事例にふれ、森林を科学する実践的知識・技術を身につけ、3年次まで履修する夏季集中実習では、総合的な実習を奥多摩演習林を活用して実施している。
 生産環境工学では、1・2年次は、生物生産にアプローチする「生産環境工学概論」などの基礎科目を修得。3年次からは2コースに分かれる。「生産環境コース」では、省資源、省エネルギー、リサイクルなどを導入した工学的・環境工学的な科目を、「生産基盤コース」は、農業土木の専門技術者育成のためのカリキュラムを開設している。
 造園科学科は、専門分野を次の三つに分けている。一つは、植物、植生そして自然を科学し、樹木や草花の植栽に関する技術の理論と実際を扱う「ランドスケ−プ資源・植物分野」。二つ目は、各種空間の創生・保全・利用に向けて計画科学とデザイン面からアプロ−チし、その理論と実際を扱う「環境計画・設計分野」、三つ目は、造園空間を実現するエンジニアリングの理論と材料・施工の実際を扱う「景観建設・技術分野」である。最終学年の専門特化演習は各分野に対応して開講されており、選択必修となっている。

〈国際食料情報学部〉
 本学部では、学科ごとの教育目標を達成するために必要な講義、演習、実験、実習を効果的に配置している。他学部に比較すると、学外(国外含む)での実習・研修等を多く配置しており、学生の主体的参加を促している。
 国際農業開発学科では「専門的な知識や技術を身につけながら、農業・農村開発の現場で求められる総合的・学際的な能力も有する人材の育成」のため、自然科学と社会科学の両領域にまたがるカリキュラムを編成しており、その中で幅広い諸能力の涵養と実践力を高めるための科目や実習を配当している。教員が専門分野において深めた研究成果は、余すことなく授業や実習、実験、演習に反映させ、学生が総合的・学際的な能力を身につけられるように体系的な教育課程が編成されている。
 食料環境経済学科では、通常の講義科目のみならず、演習形式、実習形式、視察形式の科目を開設している。これらの科目が有機的に関連することにより、相乗的に教育効果が発揮されるよう工夫されている。演習形式の科目は、1年生から4年生まで少人数による演習(上限おおよそ20人)が必修科目として開設されている。実習形式の科目としては、2年生の必修科目として「フィールド研修(一)」が開設されており、1週間の農家へのファーム・ステイと農作業体験によって実地に即した教育が行われる。視察形式の科目としては、3年生の「フィールド研修(二)」で、アメリカ・中国・韓国・台湾・北海道・沖縄などで現場の見学を行っている。また、「山村再生プロジェクト」として、学生の自主参加による長野県長和町をフィールドとした地域活性化プランづくりの体験学習を月1回の頻度で行っている。
 国際バイオビジネス学科では、教育目標に従い、専門性の高い知識・技術の習得を目指し、講義科目、演習科目、実習科目を効果的に配置している。講義形式科目が約7割を占めるが、演習形式の科目の配置も可能な限り行っている。演習科目は、全学共通必修科目である「共通演習」(必修・1年次後学期配当)に加え、学科専門科目における演習科目として「国際バイオビジネス基礎演習(一)」(必修・1年次前学期配当)や「国際バイオビジネス基礎演習(二)」(必修・1年次後学期配当)等を設置し、基礎知識および技術の習得から卒業論文の作成まで途切れることなく、演習に取り組めるようにしている。また、バイオビジネスを対象としたケース演習やゲーム演習を通じた実践力の養成、現場の観察や実験など自然科学的な要素も取り入れた総合的な経営センスの習得、資格取得を視野に入れた情報技術、会計処理技術の習得など、より専門性の高い技術の習得を目的とした演習科目と位置付けている。さらに、「バイオビジネス経営実践論」(必修・学科専門科目・2年次後学期配当)を配置し、毎回外部講師(企業経営者)による講演を行うのみならず、講師と学生との質疑応答の場を設けることによって学生参加型の科目となるよう配慮している。

〈生物産業学部〉
 本学部では、基本的に実験・実習や演習授業を多く取り入れ学生の主体性を促している。学部共通科目も配置し、学習成果は出席状況と定期試験等で測定するが、科目によって、レポート提出、授業中の演習や小テストでも測定している。ボランテイアやインターンシップの科目を配置し、学生達の自主性を促している。さらに、適宜外部講師を招聘し、公開型の講演を実施し多くの学生の主体的参加を促している。
 履修科目登録の上限は、1年間50単位に設定している。本学部の立地条件から、就職活動のための時間を確保する必要があり、3年次までに履修できるように配慮している。他学科聴講や他大学との単位互換は、4年間で30単位までが認められている。
 各セメスターの終了時に、担任や研究室の教員による面談で履修指導を行い、学習意欲を刺激している。GPAは学生自身による成績管理を徹底させる効果がある。

〈教職・学術情報課程〉
 教職課程、学術情報課程のどちらも、多くの授業で学生同士のディスカッションやロールプレイ、模擬講義などを積極的に取り入れており、学生の学習意欲を高める効果をもたらしている。また、教員免許および学芸員の資格取得には学外実習が課せられているが、学外実習では実際の資格業務を経験することになり、学生にとっては多くのことを知り、さまざまなことを考えさせられる貴重な経験になっている。それと同時に、資格の取得・活用に対するモチベーションを高めるよい機会になっている。

〈農学研究科〉
 農学研究科における研究指導・学位論文作成に関わる教育研究指導は、博士前期課程・修士課程及び博士後期課程のいずれについても、次のような指導プロセスに基づいて研究指導計画が大学院生個々に作成されている。

<博士前期課程・修士課程>
1年次
 <1>指導教授の決定、 <2>論文テーマ決定・研究計画の作成、 <3>実験・調査等開始、
 <4>専修分野科目を中心に授業・演習科目を受講、 <5>学会口頭発表準備
2年次 
 <1>実験・調査まとめ、 <2>学会口頭発表等、 <3>論文題目提出、 <4>仮綴論文作成、
 <5>主査・副査決定、 <6>修士論文中間発表、 <7>専攻内で最終論文発表、 <8>専攻内最終試験
<博士後期課程>
1年次
 <1>指導教授の決定、 <2>論文テーマ決定・研究計画の作成、 <3>実験・調査等開始、
 <4>学会口頭発表準備
2年次 
 <1>実験・調査等継続、 <2>著書・学術論文・研究論文作成、 <3>学会口頭発表準備、
 <4>研究計画の進捗状況の確認、 <5>論文投稿、 <6>博士論文中間発表
3年次
 <1>実験・調査まとめ、 <2>学会口頭発表等、 <3>論文題目提出、 <4>仮綴論文作成、
 <5>主査・副査決定、 <6>博士論文中間発表、 <7>専攻内で論文発表、 <8>専攻内最終試験

〈生物産業学研究科〉
 生物産業学専攻博士後期課程は、前期課程4専攻の上に位置する専攻体制であり、その教育目標は研究者として自立して研究活動を行い、高度に専門的な業務に従事するのに必要な高度なの研究能力及びびその基礎となる豊かな学識を養うことである。そのため前期課程の各専攻は各々2専修分野を配し、大学院生は担当の指導教員から、科目履修、修士論文作成、その他の研究上の指導を受け、研究計画書の提出、進捗状況報告を適時行う。また、複数指導体制により、研究に対するコメント、助言、相談など、最終的な修士論文の完成を目標に充実した指導体制がとられている。

 

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