東京農業大学

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自己点検・評価

序章

本章

第01章 理念・目的
第02章 教育研究組織
第03章 教員・教員組織
第04章 教育内容・方法・成果
第05章 学生の受け入れ
第06章 学生支援
第07章 教育研究等環境
第08章 社会連携・社会貢献
第09章 管理運営・財務
第10章 内部質保証

終章

第三者評価結果

第4章

<2>教育課程・教育内容
1.現状の説明
(2)教育課程の編成・実施方針に基づき、各課程に相応しい教育内容を提供しているか。

〈大学全体〉
 学部では、初年次には高校から大学の授業科目へのスムーズな移行を図るために必要な科目を配当している。基礎学力が不足している学生対象にリメディアル科目を配置している。そして、後期年次にむけ、基礎科目から専門科目への教育を行っている。
 全学部の1年次の必修科目として「フレッシュマンセミナー」、「共通演習」を配し、大学生活全般についての指導も行っている。
 初年次教育、高校と大学教育の連携に配慮したカリキュラムとしては、共通科目として外国語、「情報基礎」「科学と哲学」「日本国憲法」「生物学」などを開講し、幅広い教養を修得させるよう配慮している。専門科目については各学部・学科・分野に対応した科目を開講し、「卒業論文」を全学的に4年生の必修科目として学士の力を保証するようにしている。 
 大学院においては、専門分野の高度化に対応した教育内容の提供を行っている。全専攻に共通したものとしては,国際学会などでの研究成果の発表が一般化している現在,英語論文の作成,英語での研究成果のプレゼンテーションに対するニーズが高まり,多くの専攻ではこうした教育ニーズに対応できる科目の配置を行っている。また一部の専攻においては英語での授業を実施している。

〈農学部〉
 新入生対象のプレースメントテストの結果により、英語は能力別クラスに分けて授業を実施するほか、他の教科についても、基礎学力不足者を対象に「基礎生物」「基礎化学」「基礎数学」「文章表現」のリメディアル教育科目を開講し、大学の授業についていくための基礎学力養成に配慮している。
 初年次教育、高校と大学教育の連携に配慮したカリキュラムとしては、農学部共通科目として外国語、「情報基礎」「科学と哲学」「日本国憲法」「生物学」などを開講し、幅広い教養を修得させるよう配慮しているとともに、「生命倫理」を開講し生命科学を学ぶ学生に対する倫理性を培う教育にも配慮している。専門教育への導入科目としては「農学原論」を配置し、より高度な専門科目への導入が円滑に行えるようにしている。

〈応用生物科学部〉
 本学部全体として、初年次には高校から大学へのスムーズな導入と理解を図るための科目を設置している。そして、学年進行に合わせて、基礎科目から専門科目への教育を行っている。
 バイオサイエンス学科と生物応用化学科では、低学年では必修の基礎科目を全て専任教員が担当することにより、各科目の内容が確実にアドミッションポリシーに合致したものになるようにすると同時に、各科目の動機づけを確固たるものにしている。高学年の専門科目では基礎科目で学んだことがいかに有機的に連携して専門の知識体系が構築されているのかを明らかにしつつ、各分野の最新の研究成果を紹介している。実験実習科目では実験操作の基本だけでなくデータの解釈やレポートの作成にも力を入れている。卒業論文では実験設計から考察、発表に至るまで各人が責任を持って遂行するようにしている。
 醸造科学科では、必修科目、選択必修科目および選択科目の量的配分は、総開設科目数(109科目)に対して必修科目35%、選択必修科目10%、選択科目55%である。その内訳は、総合教育科目では開設数47科目に対して必修科目21%、選択必修科目23%、選択科目56%で、専門教育科目では開設数62科目に対して必修科目45%、選択科目55%である。専門教育科目にあたる学部専門では開設数12科目のすべてが選択科目で、学科専門の専門基礎科目では開設数19科目に対して必修科目79%、選択科目21%、専門コア科目では開設数29科目に対して必修科目41%、選択科目59%、総合化科目では開設数2科目に対して必修科目50%、選択科目50%開設数である。このように、総合教育科目と専門教育科目の割合、および必修科目、選択必修科目と選択科目の割合共に偏ることなく、教育課程の編成・実施方針に基づいた適正なものであり、各課程に相応しい教育内容を提供している。
 栄養科学科では、栄養士・管理栄養士の資格を取得できる本学科の学生には高い専門的知識・技術が要求される。これに対し、高校での既履修科目は多様であり、また、大学入試制度も多様化している。そのため、入学生は中学・高校教育における専門的知識や技術の修得過程において大きな開きを生じており、特に語学や理数系の教科においてその差は著しい。このような現状を踏まえ、基礎教育段階ではすべての学生に一定のレベル以上の語学・理数系教科における基礎学力を身につけさせるべく高校の授業内容をリメディアル科目(「基礎化学」や「基礎生物学」)として開講し、これら科目の修得度における学生間格差の解消を図っている。また、分析化学や有機化学など従前より授業時間数の減少した専門基礎教科においては、担当に専任教員を配し、専門領域の内容を十分に加味し、専門にある程度特化した特徴ある基礎教育を実施することで、学生に必要十分な基礎学力を身につけさせることを可能にしている。また、英語教育においても、入学時に試験を実施し、能力別クラス編成教育を実施し、一定レベル以上の英語力を身につけられるカリキュラム編成を提供している。

〈地域環境科学部〉
 本学部においては新入生に対し、全学的導入科目「フレッシュマンセミナー」を開講し、大学における学習生活・高等教育への心構え、大学教育施設の使用方法などのガイダンスを行っている。また、学部共通科目の概論系科目(「地域環境科学概論」・「各学科概論」)では専門教育への動機付けを行っている。さらに、専門科目については各学科・各分野に対応した科目を開講し、「卒業論文」を必修として学士の力を保証するようにしている。 
 一方、高校での科目履修状況や入学試験の違い等に対応し、円滑に高等教育に移行できる授業体制を構築するため、各学科の基礎的科目(「生物」・「数学」・「物理」「化学」)などについてはプレステートメントテストを全学生に対して実施し、必要とするものには「リメディアル科目」の受講を義務付けている。また、「英語」では習熟度別クラス分けや授業内容調整を行っている。情報関連では1年次の必修科目「情報基礎(一)」でE-mailアドレスを割り当て、研究・就職活動のために、全学的施設であるコンピュータセンターの利用が可能な体制をとっている。推薦入学者に対しては入学前準備教育を実施している。
  各学科では,分野の選択,研究室の選択を行い、最終的に卒業論文が作成できるように,体系的な教育体制を構築し,それぞれの段階で教育課程にふさわしい教育内容を学生に提供している。また,各学科の専門基礎教育科目にはティーチング・アシスタント(TA)を採用して,充実した教育を実践している。

〈国際食料情報学部〉
 本学部では、「学部共通科目」と「学科共通基礎科目」の中で総合的な判断力と人間性を涵養するための一般教養的科目を編成している。学部共通科目としては、必修として、「フレッシュマンセミナー」、「基礎英語」、「英会話」を置き、選択科目としては「上級英会話」や、「スペイン語」、「ブラジル語」、「中国語」、「タイ語」、「インドネシア語」等の語学、他方では「日本の歴史」、「文化」、「海外農業事情論」や「文化人類学」等、教養を深める科目編成を行っている。
 国際農業開発学科では、学科共通基礎科目として、1年次生に「国際農業開発学総論」と「熱帯農業総論」等を配置して、幅広い教養及び総合的な判断力を培い、豊かな人間性の涵養に努めている。3年次生必修の「卒業論文指導(一)、(二)」 等の演習科目を配置最終的に卒業論文が作成できるような科目配置を行っている。
 食料環境経済学科では、教育課程の改編に際し、グローバル化する知識基盤社会において、学士教育課程として、<1>知識・理解(文化、社会、自然等)、<2>汎用的技能(コミュニケーションスキル、数量的スキル、問題解決能力等)、<3>態度・志向性(自己管理力、チームワーク、倫理観、社会的責任等)、<4>総合的な学習経験と創造的思考力等の資質能力を備える人材養成の重視等の4点を中心にその改編を行ってきた。
 国際バイオビジネス学科では、「広く国内外でのバイオビジネス活動における情報の活用を重視し、地域環境に配慮したバイオビジネスの育成と健全な発展に資する」を学科設立の理念に、「バイオビジネス経営」「バイオビジネス情報」「バイオビジネス環境」の3分野を構成して専門科目の体系的な教育課程を編成している。

〈生物産業学部〉
 4学科の特長を活かしたカリキュラム編成を行っており、それを担当する教員の専門性をさらに高め、質の向上を図り(自己教育評価、任期制の年次審査、研究費等配分査定)、教育環境を整備している。初年次教育ではリメデイアル教育科目、導入科目、課題別科目等が全学共通科目に配置されている。高大連携は地元の高校を中心に7校と結んでいるが、学部内ではそれを意識した教育は実施していない。しかし、課外活動での交流は実施しており、高校生の取り組みをキャンパス内で展示して交流を持つように試みている。また、教員は連携高校に赴き、出張講義や学部内では体験授業などを高校側の要請に応えている。

〈教職・学術情報課程〉
 教職課程、学術情報課程とも、関係する法令に基づいた教育内容を提供している。非常勤講師が担当する科目については、その科目の教育内容を十分に検討して適切な教員を選考するよう配慮している。

〈農学研究科〉
 専門分野の高度化に対応した教育内容の提供に関しては,全専攻に共通したものとしては,国際学会などでの研究成果の発表が一般化している現在,英語論文の作成,英語での研究成果のプレゼンテーションに対するニーズが高まり,多くの専攻ではこうした教育ニーズに対応できる科目の配置を行っている。特に英語論文作成法を授業科目に導入した専攻は7専攻と過半数を超えている。また,日進月歩で進化している生命科学分野では,最先端の分析技術の修得が不可欠であるが,こうした実験機器は高額であり,大学全体での整備が不可欠である。そのため,バイオサイエンス専攻では,生物資源ゲノム解析センター,高次機能解析センター,ハイテクリサーチセンター等を補助事業で設置して,生命科学に関する最先端の分析機器を導入して,専門分野の研究の高度化に対応している。また,農芸化学専攻でも,遺伝子工学実験設備,生産環境分析装置などの機器を専攻全体で整備して分析方法の進化に対応している。一方,国際農業開発学専攻では,国際的な機関での農業開発業務で活躍できる人材を育成するために,選択科目の充実(論文作成法,英語によるプレゼンテーション法,サイエンスコミュニケーション法,国際協力のための英会話,情報処理・文献検索,フィールド調査,コンピュータ演習,プロジェクトサイクルマネジメント,特別講義)を図っている。また,原則としてすべての授業開講科目を英語で実施し,海外からの留学生,JICAなど国際機関からの人材の指導要請にも対応できる体制をとっている。

〈生物産業学研究科〉
 博士前期課程には、コースワークの中心に各専攻の特論科目を配置し、各専修分野の指導教員全員によるオムニバス形式の授業を実施し、教育課程の要点を集中的に学修する内容となっている。また。選択科目には専門性の高い授業を配置するとともに、競争力を備えた研究者、国際的に活躍するための科目「プレゼンテーション技術演習(一)(二)」、「学術論文作成法(一)(二)」が配置されている。
 博士後期課程においても、2010年度より、新カリキュラムが導入され、専修分野科目4単位、共通科目8単位、合計12単位の習得が必修となり、大学院全体の教育研究の高度化を図っている。

 

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