東京農業大学

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自己点検・評価

序章

本章

第01章 理念・目的
第02章 教育研究組織
第03章 教員・教員組織
第04章 教育内容・方法・成果
第05章 学生の受け入れ
第06章 学生支援
第07章 教育研究等環境
第08章 社会連携・社会貢献
第09章 管理運営・財務
第10章 内部質保証

終章

第三者評価結果

第4章

<1>教育目標、学位授与方針、教育課程の編成・実施方針
1.現状の説明
(2)教育目標に基づき教育課程の編成・実施方針を明示しているか。

〈大学全体〉
 本学のカリキュラムは、共通の総合教育科目と各学科が独自に配置している専門教育科目に大別される。総合教育科目は全学共通科目と学部共通科目に分かれ、全学共通科目は全部で21科目配当され、そのうち必修科目は各学科ともフレッシュマンセミナー、情報基礎(一)(二)、英語(一)(二)(三)(四)および共通演習の8科目である。これらの必修科目はすべて2単位が配当されている。また、学部共通科目には初修外国語科目、リメディアル教育科目のほか、選択必修科目として人間関係科目、社会関係科目、自然関係科目が配当されている。各々の必修選択科目は4科目から構成され、そのうちから2科目、計6科目、12単位を選択することになっている。専門教育科目のカリキュラムは各学科の教育目標に沿った独自のカリキュラムから構成されている。これらについては、全学的に各学部および学科の特徴をふまえて、学生へのガイダンス時に説明されるほか、「学生生活ハンドブック」や「履修の手引き」あるいは「学生ポータル」に履修年次や必修・選択科目の別および単位数など、詳細にわかりやすく記載されている。

〈農学部〉
 本学部では教育目標を達成するために、カリキュラムを構成する専門教育科目・学科専門・専門基礎科目および専門コア科目に、学科の独自性と特色を持たせた科目を配置している。
 専門教育科目のカリキュラムは各学科の教育目標に沿った独自のカリキュラムから構成されており、農学科の卒業要件単位数は必修科目63単位、選択必修科目12単位、選択科目49単位以上、計124単位以上が卒業要件になる。畜産学科は、必修科目73単位、選択必修科目12単位、選択科目39単位以上、計124単位以上が卒業要件であり、バイオセラピー学科は必修科目55単位、選択必修科目12単位、選択科目57単位以上、計124単位以上が卒業要件となっている。

〈応用生物科学部〉
 本学部では教育目標を達成するために、カリキュラムを構成する専門教育科目・学科専門・専門基礎科目および専門コア科目に、学科の独自性と特色を持たせた科目を配置している。
 バイオサイエンス学科では、必修科目が90単位と、卒業単位数中の割合がきわめて高く、1〜2年次には共通基礎領域として化学と生物の関連科目を徹底して学習し、実験科目では、微生物、動物、植物の各領域で培養、機能解析、解剖などの基礎的手法を、また、2年次には、タンパク質の構造・機能、遺伝子の発現・制御、ゲノムサイエンスなどの理論を学び、3年次になると組み換えDNA、動物細胞への遺伝子導入などの専門的な実験科目で確かな技術を学ぶカリキュラムになっている。
 生物応用化学科では、1年次の入学初期には、導入科目「フレッシュマンセミナー」を配置して学科の教育方針や研究内容を解説すると共に、化学、生物関連の有機化学、無機化学など基礎科目と外国語を配置し、2年次から学科の特色を入れた専門基礎科目と実験・実習をとおして実験科目の基礎的技術の習得、実行力や洞察力をレポ−ト作成から学び、3年次には、学科分野の特色を出した専門科目と実験実習を配している。そして4年次には、基礎科目と応用科目の連携の必要性を理解させ「起業論」、「卒業論文」が履修できるよう設定されている。
 醸造科学科では、教育目標を達成することを念頭に教育課程を編成しており、大学のホームページおよび学生生活ハンドブックに授業科目の概要等を記載し教育方針、実施方針等の説明を授業内で詳細に行い、学生に理解させている。
 栄養科学科では、半世紀にわたって“食と健康”のサイエンスに取り組んできた実績をもとに、2つの専攻に分かれた教育をおこなっている。一つは、栄養士の資格を持ち、食に関する高度の知識と技術をもった「食の専門家」を育成するという食品栄養学コースであり、いま一つは、栄養士法による管理栄養士を養成する管理栄養士コースであり、食による健康の保持・増進並びに傷病者の療養のための栄養管理や栄養教育ができる人材育成のためのカリキュラムを設置している。

〈地域環境科学部〉
 本学部では教育目標を達成するために、カリキュラムを構成する専門教育科目・学科専門・専門基礎科目および専門コア科目に、学科の独自性と特色を持たせた科目を配置している。また、これらについては、本学の学科ガイダンスや履修の手引きなどで説明するほか、各学科独自のパンフレットや手引きを作成して適時説明している。
 森林総合科学科では、1〜2年次に森林を科学するための基礎として森林総合科学概論などの科目を設け、森林学実験実習で「森林土壌実験」「気象情報の測定と解析」「森林地形解析」ほかの実践教育を実施する。その後は森林の造成、木材の利用、山地の土砂移動など森林を造成し、林産物を利用するための専門的な科目を配置し、森林・林業・林産業・山村などを科学する実践的知識・技術を養い、4年生の卒業論文でより専門的・技術的に身につくよう段階的なカリキュラムとなっている。特に、3年次まで履修する夏季集中実習では、奥多摩演習林を活用した実践教育となっている。
 生産環境工学科では、1・2年次は、生物生産にアプローチする「生産環境工学概論」などの基礎科目を、3年次からは研究室に所属しながら、生産環境コースと生産基盤コースの2コースに分かれるカリキュラムとなっている。「生産環境コース」では、国内外の農業・農村を取り巻く諸問題に対し、省資源、省エネルギー、リサイクルなどを導入した工学的・環境工学的な解決方策を扱い、「生産基盤コース」は、農業土木の専門技術者育成のためのカリキュラムを特徴としており、JABEE(日本技術者教育認定機構)の認定を受けた教育をおこなっている。また、各分野研究室の成果は、毎年行われる収穫祭において展示されている。
 造園科学科では、自然環境回復、特殊環境地の緑化技術、造園資材・施設の開発・生産など、環境創成に関わる各分野の科学的な教育を実施するとともに、1年次に、造園のための植物系材料の知識を深めるための造園体験演習、花・緑演習、2〜3年次に、造園計画の構想からプレゼンテーションまでを学ぶ造園総合演習、造園植栽演習、4年次は、植物が生育する土壌と環境要因について学ぶ専門特化演習などというように段階的に履修するカリキュラムとなっており、学科のカリキュラムは、JABEE(日本技術者教育認定機構)により認定され、卒業と同時に技術士補の資格登録が可能となる。

〈国際食料情報学部〉
 本学部では教育目標を達成するために、カリキュラムを構成する専門教育科目・学科専門・専門基礎科目および専門コア科目に、学科の独自性と特色を持たせた科目を配置している。また、これらについては、本学の学科ガイダンスや履修の手引きなどで説明するほか、各学科独自のパンフレットや手引きを作成して適時説明している。
 国際農業開発学科の教育課程の編成は、自然科学領域と社会科学領域および両領域の複合的領域に属するが科目群を配置し、1年次には学科共通基礎科目として「国際農業開発学総論」と「熱帯農業総論」を配置、また、農業総合実習・ファームステイや語学など農業・農村開発の場で役立つ実践的科目を体系的に配置しているのが特徴である。自然科学と社会科学の両領域の基礎的あるいは概論的な教科目を低学年(1・2年次)に、専門的、応用的科目を高学年(3・4年次)にそれぞれ配置し、順次性のある授業科目の配置に考慮している。3・4年次にはこれらの科学的知識を実践の場で活用できるように、「農業開発実習」や『卒業論文指導(一)(二)」を配置している。本学科の教育目標との対応関係における学士課程としてのカリキュラム体系は、学年があがるごとに基礎科目から専門科目へと多様化しつつ一貫性も認められる。
 食料環境経済学科では、1年次から4年次に至る体系的かつ幅の広い教育課程を編成している。まず、1年生から必修の少人数ゼミを配置し、学科の教育目標や教育課程の編成について周知をさせている。また、2年次では農家に宿泊して農作業を体験しながら食料生産・経営・マーケティング・地域経済について実践的に学ぶ「フィールド研修(一)」、国内外の食料・農業事情や文化を背景とした特徴ある食品産業の視察を行い、グローバルに視野を広げる「フィールド研修(二)」というように、さまざまな実学的な教育機会を提供している。さらに、4つのコース制や教員一人ひとりに設置されている研究室を中心とした研究室活動など、特色ある教育課程が準備されている。
 こうした学科の教育課程の編成やその実施方針についても、その概要を学科のパンフレットである「学科ガイドブック」で公開するとともに、「学科ガイドブック」に詳細に説明されている。また、大学のホームページにおける食料環境経済学科のコーナーなどでも公表されている。学生による研究室の活動は、本学の学園祭である収穫祭においてその成果が公表される。
 国際バイオビジネス学科では、教育目標並びに学位授与方針に合わせて以下のような教育課程を設けている。
 1)専門基礎科目として、バイオビジネス経営学総論、バイオビジネスマーケティング論、バイオビジネス経済学(一)(二)、農業経営学、国際アグリビジネス論などの経営関連科目、バイオビジネス経営情報論、バイオビジネス統計学(一)(二)、オペレーションズ・リサーチなどの情報関連科目、バイオビジネス環境論、国際有機農業論などの環境関連科目を配置するほか、国際バイオビジネス基礎演習(一)〜(四)、バイオビジネス経営実践論などの演習科目、実習科目であるバイオビジネス実地研修(一)を配し、学際的なバイオビジネス学の基礎理論を網羅的に修得しうる科目構成をとるとともに、実践性が強く求められるバイオビジネス分野における企業の要求に対応すべく演習科目、実習科目を1、2年次より配置し、理論と実践の両面からバイオビジネスに資する教育課程を編成している。
 2)専門コア科目には専門基礎科目を補充すべき科目を重層的に配置し、バイオビジネスに関する専門性を高められるような工夫がなされている。
 3)総合化の科目には、卒業論文演習(一)〜(四)、卒業論文等があり、基礎科目及びコア科目の修得を前提に、さらなる専門性と実践性の涵養を目的とした内容となっている。卒業論文演習では、調査分析能力、資料解析能力、語学力、表現力など総合的な視点から学生教育を行い、卒業論文の作成に結びつけるとともに、バイオビジネスの現場でいち早く戦力となりうる能力を身につけ、本学の教育方法の特色の一つである研究室教育を通して社会人としての教養や品格を高めることを目的としている。

〈生物産業学部〉
 本学部において開講されている総合教育科目(一般教養的科目)は54教科102単位(必修15単位、選択必修28単位、選択59単位である。この内、外国語科目は、「英語」24単位、「中国語」4単位、「ロシア語」4単位となっている。2010年度の新カリキュラムでは、社会のニーズに対応するため英語科目を充実させて、専任教員を1人増やして3人で対応することとなっている。また編成・実施方針は講義要項、学生生活ハンドブック、講義要項及び大学ホームページに掲載されるWebシラバスに明示してある。
 専門教育科目は4学科及び分野によって多少異なっており、生物生産学科では102単位(必修26単位、選択必修12単位、選択64単位)で、1年次では概論や格論の基礎科目を必修科目として配置し、2年次ではこれらの修得科目を基礎として、バイテクや生態等動植物の領域に通じる専門科目を修得させる、3年次からは分野の専門コア科目を中心として科目配置を行っている。アクアバイオ学科の専門教育科目は105単位(必修37単位、選択必修24単位、選択44単位)で、オホーツク海では学べない領域を学科独自の特別講義として配置している。食品香粧学科の専門教育科目は100単位(必修40単位、選択必修、6単位、選択54単位)で、基本的には2コース制を設け、専門科目を配置している。産業経営学科の専門教育科目は125単位(必修41単位、選択必修30単位、選択54単位)となっている。特徴としては、地域企業や小経営のマネジメントや、環境問題や地域福祉・ボランティアに力を発揮する人材養成に係る科目のウエイトを増やした科目配置となっている。卒業必要単位数の124単位は4学科とも同じである。

〈農学研究科〉
 前記した教育目標・学位授与方針を推進するため,農学研究科では次のような方針に基づいて教育課程の編成と実施方針を明示している。
 博士前期課程・修士課程では,全専攻共通に履修できる研究科共通科目(選択科目)として,「知的財産管理法」と「インターンシップ」を配置している。また,博士後期課程においても「インターンシップ」を配置している。博士前期課程・修士課程の編成については,各専攻の教育目標に従って最適な科目が配置されているが,最近の農学研究科における科目の配置に関する論議では,プレゼンテーション,論文(英語論文)作成法の重要性が指摘され,バイオセラピー学,バイオサイエンス,農芸化学,醸造学,食品栄養学,林学,国際農業開発学,国際バイオビジネス学等の専攻で科目が配置されている。また,野外調査に基づく研究を実施している農業工学,国際農業開発学,農業経済学,国際バイオビジネス学専攻では,フィールド調査を科目として配置している。
 なお,研究科全体として博士後期課程にも授業科目を配置すべきか否かの論議を実施したが,全専攻が足並みを揃えて授業科目を配置することはできなかった。しかし,農芸化学専攻では「論文英語U」と「プレゼンテーション法U」を,林学専攻では「上級実験・調査計画法」「特別研究総合演習」を,国際バイオビジネス学専攻では「上級フィールド調査計画・実践論」「プロジェクト調査計画論」「上級論文英語T」「上級論文英語U」「特別研究総合演習」を配置している。
 また,全ての専攻では選択必修科目,選択科目を配置しており,大学院生の多様な教育研究ニーズに対応している。

〈生物産業学研究科〉
 本研究科の各専攻の教育目標は、「学修の手引き」に明示されている。その目標に沿って、博士前期課程の各専攻の「特別総合実験」を必修とし、各専攻の専修分野名を冠した柱科目の「特論」および「特論実験」を選択必修として、その他17〜19科目を選択科目として配置している。博士後期課程も同様に、「特別総合演習」および「特別総合実験」を必修とし、専修分野名を冠した「特論」を選択必修とし、詳細な科目名、必修・選択区分、単位数、担当教員名、シラバスが明示されている。同内容は、大学院ホームページでも閲覧出来、学内外で広く開示されている。

 

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