本センター図書館においては、「指定図書」制度を活用し、授業担当者に毎年度アンケートを実施して講義に直接関連した参考図書の希望をとり、原則として同一タイトルの図書を複数冊(3〜5冊)購入している。この指定図書は学生の利用率が非常に高く、消耗も激しいため、消耗品費で購入している。また、前述した「見計らい選書」は、学生の利用に供するための図書を選ぶという視点で行われるので、学生用の一般教養的、入門書的な図書も多く選定されている。その他、「希望図書」制度により、学生から直接要望のあった図書も購入している。このような選書方法を通じて、基本的には学生用の一般図書等はある程度整備されていると考えるが、原則として広義の農学関連資料を収集するという基本方針があるため、文学作品等についてはどうしても手薄になってしまうことは否めない。なお従来から、文庫版や新書版の図書は比較的安価なことから学生個人で購入できることもあり、原則として図書館予算での購入対象から除外していたが、内容的に必要な場合もあり、また学生からの要望も強かったので、現在は新書版図書については特定の2種類について、出版タイトルの全てを購入し、利用に供している。
次に学生の図書館利用に関しては、数字の上から見ると1日平均の入館者数が約1,300人(大学院・学部・短期大学部を含めた世田谷キャンパスの学生数は約9,600人)、年間一人当たり図書貸出冊数が約1.5冊となっている。最近の図書館の利用は、本を読む場所というよりも、学習場所および情報検索の場所としての利用の方が圧倒的に多く、特に試験期前になると閲覧席は満席状態となり、情報検索のためのコンピュータ端末は日頃からコンスタントに満席状態になっている。このような状況からすると、本センター図書館は、学生の学習場所および各種情報検索のための場所としては、比較的活発に利用されていると思われる。しかしながら、読書という視点に立った場合、一般的動向と同様に本学の学生においても図書離れの対象外ではなく、読書量の減少に応じて貸出冊数も減少しているのが実態と思われる。