【短期大学に対する指摘事項および勧告等への対応】
2005年度の(財)短期大学基準協会による第三者評価の結果、「早急に改善を要すると判断される事項」の指摘はなかったが、「向上・充実のための課題」では次の3点が挙げられた。
- 学生による授業評価の活用について組織的な対応が求められる。
- 成績結果のバラツキが目立つ学科は、その対策の検討が望まれる。
- 学科によっては退学者が多い傾向が見られる。学科への不適応かあるいは学力不足等の理由によるものか、追跡調査が望まれる。
○「向上・充実のための課題」への対応状況
1.について
全授業科目で学生による授業評価を実施した。集計結果を各教員に通知するとともに、実施状況を組織的に把握し学部長会で検証を行った。
2.について
成績評価の指針を明確に定めて周知した。実験・実習・演習など、科目によっては評価基準をそのまま適応できないものもあるが、概ね適切に実施されている。具体的な内容は以下の表のとおりである。
判定 |
成績 |
表示 |
成績評価基準 |
GP |
成績評価内容 |
合格 |
秀 |
S |
100〜90点 |
4.0 |
特に優れた成績(履修者の5%以内) |
優 |
A |
89〜80点 |
3.0 |
優れた成績 |
良 |
B |
79〜70点 |
2.0 |
妥当と認められる成績 |
可 |
C |
69〜60点 |
1.0 |
合格と認められる成績 |
不合格 |
不可 |
D |
59点以下 |
0 |
合格と認められる成績に達していない |
未評価 |
F |
− |
0 |
評価に値しない |
なお、2006年度からGPAを導入し、学生に開示するとともに、学科ごとにGPAの分布や平均値を算出して提示し、学生指導、FD活動に役立てている。GPAの算出方法は次のとおりである。
(履修登録したGPA対象科目のGP×その科目の単位数)の合計
履修登録したGPA対象科目の単位数の合計
3.について
2005年5月1日現在の退学(除籍含む)数は次のとおりであった。
学科名 |
2004年度入学者
うち退学者数 |
2003年度入学者
うち退学者数 |
2002年度入学者
うち退学者数 |
生物生産技術学科 |
156
4 |
165
8 |
159
9 |
環境緑地学科 |
85
5 |
86
1 |
90
5 |
醸造学科 |
97
1 |
101
1 |
105
0 |
栄養学科 |
169
6 |
169
10 |
168
10 |
2011年5月1日現在の退学(除籍含む)数は次のとおりである。
学科名 |
2010年度入学者
うち退学者数 |
2009年度入学者
うち退学者数 |
2008年度入学者
うち退学者数 |
生物生産技術学科 |
160
4 |
155
10 |
150
11 |
環境緑地学科 |
86
3 |
79
4 |
93
2 |
醸造学科 |
88
3 |
96
2 |
109
2 |
栄養学科 |
150
1 |
171
6 |
163
9 |
2つの表を比較すると、学科によりバラツキはあるが、全体として退学者は減少傾向にある。2008年度から2010年度の入学者のうち、退学(除籍)した者は57名いる。その理由としては、修学の意思なしもしくは成績不良に当たる者が20名、進路変更が19名、家庭の事情6名、健康上の理由4名、経済的理由4名、その他となっている。入学時に学力不足でも、努力によって卒業している者も少なくないことから、退学者の多くは、学科の教育内容や実験実習重視の指導方針を十分に理解せずに入学した結果、退学に至る場合が多いと判断される。今後は各入試制度においてアドミッションポリシーの周知徹底を図り、入学時におけるミスマッチの防止に努める。また成績不良への対応として、入学後の学力不足に対応するためにリメディアル科目を導入するとともに、教養分野の科目を増やし、教養と専門のバランスに配慮したカリキュラム編成を行った。

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