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(2)学生収容定員と在籍学生数の適正化
【退学者】
〔全体〕
【現状の説明】
各学科とも退学者については本人および保護者と話し合い退学理由を確認し、今後の進路について助言し、より良い進路を見出す努力をしている。退学理由としては学力不足と学科の内容に対する興味の減少が大半であったが、最近はメンタル面を理由とするものが増えている。2010年度の退学者数(除籍含む)は生物生産技術学科16名、環境緑地学科6名、醸造学科6名、栄養学科5名、計33名であり、ここ数年は概ね30名前後で推移している。
【点検・評価】
退学者の多くはクラスで孤立しており、勉学意欲が衰退し、落ちこぼれていくパターンが多い。メンタル面での問題も友人や教員とのコミュニケーションが取れず、一人で解決できずに重症となり、退学を選ぶ例が多い。入学後に進路と自分の夢が異なることに気がつき、進路変更で退学するのはある程度生じてもやむをえないと考えている。
【将来の改善策】
教員が学生の動向を把握して事前に話しかけ、孤立させない方法を講じる。教員の年齢が高くなるに従い、学生との距離が遠くなり、また、自分らの時代と時代が変化したことを認識して学生と対応する必要がある。各学科の目標を明らかにし、孤立しがちな学生にその意識を植え付ける努力をする。
〔生物生産技術学科〕
【現状の説明】
入学者数に対する退学者は、数年前までは年平均5名程度で、その理由は一身上の都合との記載が多かったが、クラス担任からの聞き取りによると、そのほとんどが講義内容について行けないとのことであった。最近3年間の入学者数に対して、退学者は5〜8名と増加傾向にあり、その理由は進路変更が約30%、成績不良および病気によるものがそれぞれ約15%、その他が一身上の都合となっている。実態は成績不良による理由が多いとみられるが、生物生産に興味を抱き入学したもの、実学に興味が持てず、進路変更する場合も増加している。また、近年の傾向として、メンタル的な弱さが原因と思われる学生も増加傾向にある。
【点検・評価】
2010年度入学生から、6専攻とその関連分野を幅広く網羅した教育を行うための講義・実験・実習のほか新たに卒業論文の配当を行い、多様な学生ニーズに応えるため農業関連の学部共通科目も開講し、広い知識が得られるよう工夫している。リメディアル科目としての基礎生物、基礎化学および文章表現を開講し、基礎学力に応じてこれらの基礎科目を受講させることにより、成績の向上を図るようにしている。また、心身の不調者に対しては、健康増進センターでカウンセリングを受ける指導をしている。
【将来の改善策】
今後とも、フレッシュマンセミナーをはじめとして、あらゆる機会を利用して学習意欲を喚起するとともに、心身の不調者に対してはカウンセリング等により回復できるように進める。
〔環境緑地学科〕
【現状の説明】
退学者については、各クラス担任が本人、保護者とともに理由を確認し今後の進路について助言し、よりよい進路を見出す努力をしている。その状況は学科会議でも報告される。最近の退学者数は、2008年度で1年次5名、2年次4名、2009年度は1年次1名、2年次1名、2010年度は1年次6名、2年次0名であり、理由は進路の変更と家庭の経済事情によるものがほとんどである。
【点検・評価】
退学者に対して、クラス担任が個人面談により指導、助言している。進路の変更、家庭の経済事情、健康上の問題など様々な理由によるものであるが、学科会議において必修科目の授業担当者より学生の出席状況を報告し全教員が定期的に確認しており、クラス担任はもちろん研究室教員からも学習が継続できるよう指導している。またクラス担任だけでなく、主事や学科長も保護者との連絡をとり相談にあたっているが、最近では電話連絡がとりにくい学生が多く、対応に苦慮している。
【将来の改善策】
今後も学科会議において授業の出席状況などの報告を随時行い、出席の芳しくない学生には早めに連絡をとり授業への出席を促していく。また、必要に応じてカウンセリングを進めるなどの対応も行う。
〔醸造学科〕
【現状の説明】
ここ近年の退学者は、2008年度1年生2名、2年生2名、2009年度1年生4名、2年生1名、2010年度1年生4名、2年生0名である。年々1年生の退学者が増加している。その原因としては適応障害、進路のミスマッチ、保護者の経済的理由のほか精神的な問題などが挙げられる。
【点検・評価】
大部分の学生は意欲的に勉学に励み、本人の希望と学科内容が一致している。学科に対する満足度は高いが、授業についていけない学生や対人関係等精神的な問題を抱える学生が目立ってきている。退学者に対して、クラス担任が個人面談あるいは保護者をまじえた面談により指導、助言している。また学科会議において必修科目の授業担当者より学生の出席状況を報告し全教員が定期的に確認しており、クラス担任はもちろん研究室教員からも学習が継続できるよう指導を行い、学生とのコミュニケーションを密接に取る努力をしている。しかし教員の年齢が上がり、学生との距離が開きつつある傾向にあり、さらには学生のケアに時間を取られつつある。
【将来の改善策】
学科会議において授業の出席状況などの報告を随時行い、出席状況が悪い学生には早めに連絡をとり授業への出席を促していく。精神的なケアの必要に応じてカウンセリングを進めるなどの対応も必行う。
さらに若い教員の採用を行い、年齢格差を是正する。短期大学の教員としての自覚と情熱を持った教員の採用に努める。
〔栄養学科〕
【現状の説明】
ここ数年、入学後1年以内で退学する者が数名ずついる。その理由は一般入試入学者の場合、短期大学でなく4年制の他大学の受験、栄養士資格取得について深く考えていなかったための方向転換、推薦入試入学者では、授業についていけないといったものが多い。経済的な理由はほとんどない。
【点検・評価】
退学を申し出た学生については、個人担任と学科長が面接して退学理由を聞き、可能な限り慰留している。退学の場合は保護者の同意があることを確認している。150名の入学者に対して数名の退学者が出るのはやむを得ないと考える。
【将来の改善策】
現在の対応策で問題ないと考える。

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