東京農業大学

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自己点検・評価

序章

自己点検・評価に当たって

第01章 理念・目的・目標
第02章 教育研究組織
第03章 教育内容方法等
第04章 学生の受け入れ
第05章 教員組織
第06章 研究活動環境
第07章 施設・設備等
第08章 図書館
第09章 社会貢献
第10章 学生生活
第11章 管理運営
第12章 財務
第13章 事務組織
第14章 自己点検・評価
第15章 公開・説明責任

終章

  あとがき

第三者評価結果

・奨学金その他学生への経済的支援を図るための措置の有効性、適切性

【現状】
(1)奨学金制度
・学内奨学金制度
 高い就学意欲を持ちながらも、引き続き就学するには経済的に困難な学生を援助するために本学独自の奨学金制度がある。貸与と支給、免除及び補助等がある。


@)東京農業大学奨学生(貸与)
 「東京農業大学・東京農業大学短期大学部奨学生規程」に基づき、入学後、家計の急変や災害等の理由により経済的に就学が困難になった者で、援助の必要性が高い日本人の学費延納者に対して援助することを目的とする。


A)東京農業大学特待生(免除)
 「学校法人東京農業大学授業料減免規程」に基づき、東京農業大学・同短期大学部共通規定である「特待生細則」および「運用内規」により授業料の減免を行っている。特待生制度は、優秀な新入生の入学を促進するとともに、学生の勉学意欲の向上を目的として 昭和53年に設けられた制度である。成績評価が優秀な者を特待生委員会(1年次生は入試選考委員会)において選考し、特待生として、授業料を1年次生は全学免除、2年次以降は半額免除している。

[東京農業大学特待生数]

年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
東京農業大学
238名
227名
220名

 

B)スポーツ特待生(免除)
 東京農業大学・同短期大学部共通規定である「特待生細則」および「運用内規」により授業料の減免を行っている。運動選手として特に優れた実績と、将来における特段の活躍が期待される優秀な人材に対して経済的援助を行う。第一種は入学金・授業料・整備拡充費を免除し、第二種は授業料の免除である。

 

C)佐竹利彦記念外国人留学生奨学生(支給)
 「東京農業大学・東京農業大学短期大学部佐竹利彦記念外国人留学生奨学生規程」に基づき、本学に籍を有する私費外国人留学生で、特に有意な人材で、かつ学費の負担が困難と認められる者に対して経済的援助を行う。経済的援助を行うことで、母国の発展に寄与する人材の育成を目的としている。

 

D)外国人留学生奨学金(支給)
 「東京農業大学・東京農業大学短期大学部外国人留学生奨学生規程」に基づき、経済的理由により修学困難な私費外国人留学生に対し、経済的援助を行うことにより、学術研究の奨励と母国の発展に寄与する人材の育成に資することを目的に、月額45,000円の奨学金を与えるものである。生物企業情報学科の私費外国人留学生は全員奨学金対象とし、この学科以外は10名を限度に選考している。


[外国人留学生奨学生数]

年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
東京農業大学
163名
158名
153名

 

E)外国人留学生授業料減免(減免)
 「学校法人東京農業大学授業料減免規程」に基づき、経済的に困難な私費外国人留学生に対し、授業料の30%を減免する。本年度から文部科学省補助人数の範囲のみ減免対象となった。


[外国人留学生授業料減免者数]

年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
東京農業大学
179名
173名
審議中

 

F)生物企業情報学科特別留学生(減免)
 海外の産業界の指導者の育成を目的に、姉妹校の学長・海外校友会支部長の推薦を受けた、成績及び人物優秀で経済的に修学困難な者を国際食料情報学部生物企業情報学科に特別留学生として毎年20名を限度として、受け入れるものである。特別留学生は4年間に渡り、授業料等納付金一切の免除、寮費の免除、月額45,000円の奨学金が支給される。

 

G)学費の分納・延納制度
 学費を一括納入できない者や期限までに納入できない者に対し、分納および延納の制度を設けている。特に、外国人留学生は授業料を4分割して支払えるようにしている。奨学金制度を利用して学費を納入するよう手助けしているが、学費未納の場合は、除籍となる。

 

H)外国人留学生指定宿舎(補助)
 外国人留学生は経済的に困窮する者が多く、特に生活費の上で宿舎費のウエイトが大きい。そこで外国人留学生の住居に係わる経費軽減のために、学生寮への優先入居及び外国人留学生指定宿舎補助実施要領を設けて住居費の一部を助成する施策を導入することにより留学生を支援している。

 

・学外奨学金
 学外の奨学金は日本政府、学生支援機構、地方自治体、民間の奨学会のものがある。日本政府の奨学金は外国人留学生が修学する上で大きな支えとなっている。

 

@)日本学生支援機構奨学金(貸与)
 就学に意欲がありながら、経済的に就学が困難な学生が国の奨学金の恩恵を受けている。奨学金の申請者及び採用者数は下記の表のとおりである。

 

[日本学生支援機構奨学生申込者及び採用者数](4月在学採用時)

平成14年度
平成15年度
平成16年度
申込者数
451名
630名
632名
奨学生数
374名
463名
475名

 

A)国費外国人留学生(支給)
 国費外国人留学生は文部科学省が授業料等大学納付金(整備拡充費・学生厚生費は本学負担)と月額135,000円の奨学金を支給するもので、日本国内で採用された者である。日本国内で私費外国人留学生から採用される者は毎年採用人数が2名程度であるが、外国人留学生にとっては大変重要な奨学金である。

 

[国費外国人留学生数]

年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
東京農業大学
1名
2名
2名

 

B)私費外国人留学生学習奨励費(支給)
 文部科学省が私費外国人留学生を対象に奨学金として月額52,000円を支給している。受給者は下記の表の通りである。

 

[私費外国人留学生学習奨励費受給者数]

年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
東京農業大学
36名
27名
19名

 

C)外国人留学生民間奨学金(支給)
 民間の奨学財団で(財)ロータリー米山記念奨学会(月額15万円・研究旅費及び医療費補助)、平和中島財団(月額12万円)、タカセ(月額10万円)、佐川留学生(月額10万円)、朝鮮奨学会(月額M40千円・D50千円)が奨学生を募集し、本学の推薦者を選考の上奨学金を支給している。受給者は下記の表の通りである。

 

[外国人留学生民間奨学金受給者]

年度
平成14年度
平成15年度
平成16年度
東京農業大学
2名
3名
1名

 

D)地方公共団体・民間奨学金(給付・貸与)
 現在恩恵を受けている学生は約30名である。給付奨学金も若干ではあるが、採用されるチャンスはほとんどない。

 

(2)アルバイト・学生寮・下宿アパート紹介・学生食堂・購買
・アルバイト
 世田谷キャンパスでは、日本学生支援機構や民間企業・地方公共団体の求人依頼を受けて学生生活支援課窓口や学生会館の掲示板でアルバイト情報を公開している。近隣住民からのアルバイト募集も多く受けているが、アルバイトを申し込む側は、学生に対して安上がりな便利屋のような感覚をもっている場合が見受けられる。
 実際には、学内掲示板でアルバイトを見つける場合よりも、学生達はいろいろな方法でアルバイト情報を入手しているのが現状である。


 厚木キャンパスでは、アルバイトの求人に対して職種・就業内容・雇用条件等検討の上、適切なものについてのみ受付し、学生サービス課の掲示板で紹介をしている(年間40件程度)。


 オホーツクキャンパスでは、アルバイトの求人に対しては、職種や業務内容、雇用条件等を勘案し、学生に相応しい物について受付し学生ポータル上で紹介している。

 

・下宿・アパート紹介
 世田谷キャンパスでは生活協同組合で紹介斡旋しており、学生生活支援課は関与していない。現状は近隣住 民(いわゆる大家さん)の所有するアパートの紹介が主になっている。また、不動産情報誌に掲載されている物件をコピーし、情報を提供している。
 外国人留学生で国内に保証人がいない場合は日本学生支援機構の留学生住宅総合補償の制度を使い、国際教育支援課長が保証人になることで、スムーズにアパートを借りることができるようになっている。


 厚木キャンパスでは、アパートの紹介を厚農商事梶iJA厚木の不動産部門)に委託している。新入生に対しては入学手続書類、在学生に対しては学生生活ハンドブックに委託業者を掲載、及び学内に物件パンフレットを置くなどして案内をしている。周辺には大学が多いため物件も豊富にあり、地方から上京した学生のほとんどが大学周辺にアパートを借りて住んでいる。


 オホーツクキャンパスでは、アパートの紹介は不動産業者二社に委託している他に、独立オーナー100件の物件を直接大学で紹介している。新入生に対しては入学手続き書類の中に紹介物件個々の間取り図入りのパンフレットを送付している。

 

・学生寮
 本学には、世田谷キャンパスにのみ、キャンパスに隣接した学生寮(桜丘寮、若草寮、青雲寮、育英寮)とキャンパス内に農友会運動部の合宿所(野球部、相撲部、ボクシング部、レスリング部、剣道部)があり、これらの施設で約650名の学生が生活している。
 桜丘寮(男子)・若草寮(女子)は一般学生と外国人留学生が在寮している。

・学生食堂・購買
 世田谷キャンパスでは、学生食堂として、生協が運営する「カフェテリア・グリーン(座席数318)」と鰹シ木家が運営する「レストランすずしろ(座席数252)」が営業している。利用時間が集中するため、テイクアウト用の軽食やパン、弁当の販売もされている。また、生協購買店内にテイクアウト専用店を昼食時間前後のみ営業している。購買は大学生協単独の出店である。

 

 厚木キャンパスでは、学生食堂「けやき」(座席数428)を泣fリカ・コスモに委託し、営業している。世田谷キャンパスから農場実習生が来る日は非常に混み合い、座席数の不足を補うためテイクアウト用の弁当販売を始めたところ、多くの学生が利用しているが、屋外の芝生や教室で飲食する学生が多く、ゴミの問題が起きている。
  挙燗c屋書房が厚木キャンパスの購買を委託されているが、小スペースの中で教科書・書籍・文具・弁当・飲料等の販売をしている。


 オホーツクキャンパスでは、学生食堂が2箇所あり、それぞれ別々の業者に委託している。2社でメニューの競合を避ける為、第一食堂では洋風軽食を中心とし、第二食堂は定食・麺類中心となっている。

 

【点検・評価 長所と問題点】
(1)奨学金制度
 本学の日本人学生にとっては日本学生支援機構奨学金が重要な位置をしめている。希望者に対して採用者数の比率が多くなり、現段階では奨学生の採用も安定している。しかし、日本学生支援機構の運営方針に左右され、事務を行う側としてはかなり負担を伴う。また、基金が国庫予算であるため、今後この採用数を維持できる確約はない。地方公共団体奨学金についても同様である。
 外国人留学生対象の奨学金は文部科学省の奨学金が留学生数の増大に追いつけず、相対的に年々減少の傾向にあり、本学独自の奨学金のウエイトが相対的に増大している。わが国の留学生増大計画が当初の目的を達成し、質的転換を迫られていることにより、選考・支給を単なる経済的困窮度だけで計らずに、勉学の成果も選考時に求められる。本学の外国人留学生の奨学制度も負担増に伴い限界である。本年度の入学生から授業料減免は減少することになった。また、民間の奨学金も増加せず、留学生数の増大に追いついていない。日本政府は外国人留学生の増加を推進しているので、外国人留学生のための予算増加をする必要がある。

 

(2)アルバイト・学生寮・下宿アパート紹介・学生食堂・購買
・アルバイト
 世田谷キャンパスでは、アルバイト募集を受け付ける際に給与面での「週給か日当」という条件がネックとなって、一般企業からのアルバイトが少ないのが特徴である。従って、長期で行うアルバイトはほとんどなく、学生は独自に情報誌や口コミ等で探しているのが現状である。今後、検討を要することである。


 厚木キャンパスでは、大学周辺の飲食店やコンビニエンスストアーをはじめとしてアルバイトが豊富にあり、大学の紹介はあまり利用されていない。学生は世田谷キャンパスと同様、情報誌や口コミ等で探している。


 オホーツクキャンパスでは、コンビニエンスストアーや飲食店、家庭教師等のアルバイトもあるが、地域柄、特に植え付け期や収穫期の農家アルバイトやホタテ貝養殖等のアルバイトに人気があり、収入を得るということの他に、農業実習といった面を持ち合わせている。また地域の産業の労働力として不可欠の存在として位置づけられている。

 

・下宿・アパート斡旋
 世田谷キャンパスでは、近隣のアパートではトラブルも少ないようである。アパートの長所として、借りる側(学生)とオーナー(大家)の顔が互いに見えるということ。学生にとっても親にとっても、初めての一人暮らしに対して安心感を与えている。ただ、留学生の物件は少ないようである。昨今の社会情勢からみて、留学生に対する物件が増加するとは思えないという問題がある。


 厚木キャンパスでは、アパート紹介については今まで大きなトラブルもない。大学で取次業務を行うよりも専門の業者に委託したほうが業務軽減にもつながるため、今後も引き続き業者委託でいく予定である。


 オホーツクキャンパスでは、学部開設当初は物件も潤沢ではなかったが、現在は不動産業者も網走市内に16社ほどあり、業務の軽減といった点から大学で斡旋を行うことの使命はすでに終了したと思われる。

 

・学生寮
 桜丘・若草寮は一般学生(留学生も在寮)の寮であり、完成から約10年目である。今後も寮生がより安全に学生生活を送れるよう管理のために、建物だけでなく寮システムの改善を要する。現状の寮内は従来の鍵で出入りするため、合鍵があれば誰でも出入りできる。
 また、使用しない電気をつけたまま外出する寮生が多く、電気の使用が異常に多い。費用の面だけでなく環境の面からも電気の使用量を削減する必要がある。同時に、セキュリティの面からも改善を要する。また、日本人と外国人留学生がルームメイトとなり、異国間交流が広がり、より実りある学生生活を送る学生もいるが、反面、部屋が二人部屋なので、寮生同士のトラブルで退寮する者もいる。


・学生食堂・購買
 世田谷キャンパスでは、学生達の希望するメニューを取り入れながら、安くて、美味しくより豊富なメニューの充実を図っている。多くの学生が集中して利用するため混雑することは避けられない。中には食堂が混雑していても、まったく無関心で(少人数)談笑、試験勉強に夢中な学生がいる。マナーの面からも改善を要する。購買では、教科書を含む書籍・食品・生活用品を販売している。他に、チケットセンターを設置している。


 厚木キャンパスでは、大学近辺には飲食店が少ないため、ほとんどの学生が大学内で食事をとることとなるが、学生食堂は値段のわりに美味しくない、などあまり評判がよくない。


 オホーツクキャンパスでは、大学の周辺には食事ができる店等はないので大半の学生が学生食堂を利用している。2社の努力により、それぞれメニューに特徴があるので学生の評判はまずまずである。 
 購買では、教科書をはじめ、専門書や雑誌のほか、文具、弁当、菓子、飲料、実験・実習用の衣料等多岐にわ たり販売している。その他購買のサービスとしては、クリーニング、DPE、自動車教習所の受付や旅行代理店の サテライト等がある。

 

【将来の改善・改革に向けた方策】
(1)奨学金制度
 日本人については経済的に困難な学生の大学生活を支援できるよう、奨学金についての相談コーナーの充実と日本学生支援機構奨学金の安定した採用者数を確保できるよう要請したい。また、貸与奨学金制度には様々な問題がある。
 外国人留学生については日本政府が予算を獲得し、留学生数の増大に対応すべきである。

 

(2)アルバイト・学生寮・下宿アパート紹介・学生食堂・購買
・アルバイト
 3キャンパスともに、現在の求人状況は大学が特別な斡旋をしなくても問題がないと思える。しかし、アルバイト先とのトラブル、就学状況への影響など常に学生が相談できる体制をとるよう努力している。

 

・下宿・アパート斡旋
 学生は下宿・アパートを借りる際、プライバシーの確保(個室化)が第一である。このため、アパートの割合が多くなり、専門業者による斡旋を検討している。それぞれのキャンパスではアパートは業者による斡旋を現在行っており特に問題はない。

 

・学生寮
 桜丘・若草寮では今後も寮生がより安全に学生生活を送れるよう、建物のメンテナンスだけでなく電子錠や防犯カメラなどのセキュリティシステムを検討している。これにより、寮生以外の出入りのチェック、防犯、電気量の減少に対応できる。
 学生寮は一般学生が入れるキャパシティが減少している。特に外国人留学生の入寮希望者の増大に伴い、日本人学生の入寮希望者に充分答えられない状況である。学生寮の増大を検討している。

・学生食堂・購買
 学生が快適な食生活を送れるよう、安くて、美味しくより豊富なメニューの充実を図るよう継続して指導していきたい。ただ、大学食堂は採算の面からみると非常に厳しく、いずれの業者も経営面で圧迫されているようであり、根本的な改善が望まれる。大学からの補助の有無も含めて大学と業者の間で真摯に検討するべきであろう。
 また、食堂内が混雑している状況のなかでも、まったく無関心で談笑、試験勉強に夢中な学生に対するマナーの指導を引き続き行っていく。

 

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