東京農業大学

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自己点検・評価

序章

自己点検・評価に当たって

第01章 理念・目的・目標
第02章 教育研究組織
第03章 教育内容方法等
第04章 学生の受け入れ
第05章 教員組織
第06章 研究活動環境
第07章 施設・設備等
第08章 図書館
第09章 社会貢献
第10章 学生生活
第11章 管理運営
第12章 財務
第13章 事務組織
第14章 自己点検・評価
第15章 公開・説明責任

終章

  あとがき

第三者評価結果

・学生閲覧室の座席数、開館時間、図書館ネットワークの整備等、図書館利用者に対する利用上の配慮の状況とその有効性、適切性

【現状】
(1)学生閲覧室の座席数等
 学生閲覧室の座席数については、別表43に示したとおり、世田谷学術情報センター図書館で949席(収容定員に対する割合11.4%)、オホーツク学術情報センターで140席(同10.3%)、厚木学術情報センターで193席(同10.2%)となっている。
 世田谷学術情報センター図書館においては、メインの閲覧室である第1閲覧室、第2閲覧室に通常の閲覧テーブルを配置すると共に、参考図書室には狭い空間を少しでも有効活用するために、壁面にカウンターテーブルを設置するなど工夫を施している。また、2〜4名の少人数グループ用の小閲覧室が3部屋ある。さらに学生の試験期(7月・1月)で、利用が大幅に増える時期には、通常選書会場や会議室として使用している特別閲覧室や撮影スタジオを閲覧室として開放し対応している。なお、通常の閲覧席としては使用していないが、卒業論文や研究発表の会場として、視聴覚ホールが頻繁に利用されている。
 オホーツク学術情報センターにおいては、4号館(図書館棟)の1階と2階に閲覧席があり、通常の閲覧テーブルと共に、個人用の閲覧キャレルを多数設置している。また2階閲覧室、2階書庫、教員閲覧室にはインターネット接続されたパソコンと閲覧キャレルを組み合わせた情報化対応キャレルを設置している。
 厚木学術情報センターにおいては、ワンフロアの中に通常の閲覧テーブルを配すると共に、書架の間に個人用の閲覧キャレルを数台設置している。

 

(2)開館時間及び開館日数並びに図書館ネットワークの整備

下記に各学術情報センターにおける平成15年度の開館時間を一覧表に示した。

<世田谷学術情報センター図書館>

区分1 区分2 開館時間
平 日 授業・試験期間中 9:00〜22:00
上記以外 春季休業期間中 9:00〜16:30
夏季休業期間中 9:00〜16:00
土曜日 授業・試験期間中 9:00〜17:00
上記以外 閉館

<オホーツク学術情報センター>

区分1 区分2 開館時間
平 日 通年 8:30〜18:00
3月の卒業式以降のみ 8:30〜17:00
土曜日 通年 閉館
前・後学期試験期間中のみ 9:00〜17:00

<厚木学術情報センター>

区分1 区分2 開館時間
平 日 授業・試験期間中 9:00〜18:00
上記以外 春季休業期間中 9:00〜16:30
夏季休業期間中 9:00〜16:00
土曜日 通年 閉館

 世田谷学術情報センター図書館では、平成10年度より夜間主コースの授業が開始されたことにより、図書館の開館時間を通常平日は22:00まで延長し(それ以前は20:00間で)、土曜日は17:00まで開館する(それ以前は閉館)こととした。初年度は、職員が平日20:00まで交代で勤務し、それ以降22:00までの間はアルバイトのみによる開館体制をとり、土曜日も職員が交代で勤務する体制をとったが、特に夜間の安全性の問題等責任体制の確立が困難であった。
そこで平成11年度より、派遣職員1名を夜間と土曜日に配置して責任体制を明確化すると共に、夜間に大学院生を配置することによって、継続可能な夜間及び土曜開館体制を構築することが可能となった。また当初は平日20:00以降と土曜日については1階のみを開館とし、図書の貸出サービスは行わない形でのスタートであったが、徐々にサービスを拡大し、現在ではほぼフルサービスを行っている。


 オホーツク学術情報センターでは、規程上17:00までの開館時間のところ、恒常的に18:00までの開館延長を行っており、職員の時間外勤務で対応している。また、世田谷及び厚木学術情報センターにおいては、授業・試験期以外の開館日については16:30(夏季は16:00)で閉館としているが、オホーツク学術情報センターにおいては、授業・試験期以外も原則として18:00まで開館している。
 厚木学術情報センターでは、通常18:00まで開館し、17:00以降は学生アルバイトを配置しているが、現実問題としては各自の業務を抱えて時間外勤務で残った職員がアルバイト学生と一緒に閉館作業を行うケースが多いのが実情である。

次に各学術情報センターの平成15年度年間開館日数を一覧表に示した。

学術情報センター名 年間開館総日数 土曜開館日数 休日開館日数
世田谷学術情報センター図書館 260 29 2
オホーツク学術情報センター 235 5 1
厚木学術情報センター 231 2 3

 

 年間総開館日数は世田谷学術情報センター図書館が突出しているが、これは授業・試験期間中の土曜開館を恒常的に行っているためであり、平日の開館日数は各学術情報センター共230日前後でほぼ同様である。また、開館日数は年度によっても若干変動がある。なお、世田谷学術情報センターで平日夜間22:00までと土曜日の開館が恒常的に可能となったのは派遣職員の確保に伴って、職員が「平日の昼間」と「平日の夜間及び土曜日」の両方に力を分散させる必要がなくなったこと及び職員が不在の場合の責任体制が整ったことに起因している。また、世田谷学術情報センター図書館では、平成16年度より前・後学期試験期間中の日曜日各2日間並びに冬季休業中の2日間を開館して、利用者の便を図る予定である。
 次に図書館ネットワークの整備について、ここでは3キャンパス学術情報センター間の業務上での協力体制を主体にして述べることとし、3キャンパス間のコンピュータネットワーク上の連携や他大学等との連携については「(学術情報へのアクセス)」の項で詳しく触れることとする。


 各学術情報センターは前述したとおり、東京農業大学図書館として歴史を刻んできた世田谷の本館を母体として、オホーツクを分館、厚木を分室とする体制で再出発した。オホーツクキャンパス分館の立ち上げ時には、世田谷から未整理の資料を多数移送し、設立時の基本図書の一部とすると共に、世田谷キャンパス本館の図書館員が短期・長期で出張し、業務のサポートを行うなど、密接な連携を図った。一方、厚木キャンパス分室の立ち上げ時には、世田谷キャンパス本館の職員2名が職場移動で赴任したこともあり、直接現地に赴いての支援は行わなかったものの、受入図書のデータ入力を本館の担当部署が一括して行い、装備した図書を厚木へ移送すると共に、学外文献複写依頼業務についても本館で代行し、また支払請求伝票の起票業務も本館で行うなど、本館のカウンターの一部が厚木へ移動したようなイメージでスタートした。その後分館・分室共、それぞれの業務が軌道に乗るに従い、3キャンパスの連携を保ちつつ、徐々に地域性も踏まえた独自の運営を取り入れることとなり、平成16年4月に各キャンパスの学術情報センターとして組織上独立することとなった。
 独立後の具体的な3キャンパスの連携としては次のような事が挙げられる。


・マルチメディア遠隔会議システムを使った3キャンパス学術情報センター会議の定期的実施
・世田谷キャンパス図書館運営委員会へのオホーツク・厚木各学術情報センター長の参加
・3キャンパスシステム担当者委員会の定期的開催
・教職員ポータルを使った3キャンパス館員同士の情報共有
・学術雑誌・データベース等の3キャンパス一括契約によるスケールメリットを活かした経費節減努力の推進
・電子ジャーナル、データベース等のインターネットによる3キャンパス共通利用の推進
・3キャンパス蔵書の一括同時検索の実現
・3キャンパスの図書の共通利用(貸借可能)の実施
・学内専用定期便(世田谷―オホーツク便、世田谷―厚木便、オホーツク―厚木便)を用いた、図書及び文献複写物の早期移送
・世田谷キャンパス見計らい選書会への厚木キャンパス教員・図書館員の参加
・厚木キャンパス学生の世田谷学術情報センター図書館の直接利用

次に3キャンパス学術情報センターの相互協力の一端を示す表を下記に挙げる。

<オホーツク・厚木から世田谷への文献複写依頼受付状況>

年度 オホーツクからの文献複写依頼受付件数 厚木からの文献複写依頼受付件数
平成13 710 1,049
平成14 859 1,403
平成15 948 1,541

 

 平成15年度のオホーツク・厚木から世田谷への文献複写依頼の合計数2,489件は、世田谷学術情報センター図書館で他大学図書館等から受ける分も含めた総受付数の約57%にあたる数であると同時に、逆にオホーツク学術情報センターとしては他大学等への依頼も含めた総依頼件数の約38%を占め、同じく厚木学術情報センターも約38%を占める数字となっている。このことは世田谷学術情報センター図書館の資料、特に学術雑誌のバックナンバーへの依存度の高さを示す事実である。

<世田谷―厚木間の資料相互貸借(学内便)状況>

年度 世田谷から厚木への移送冊数 厚木から世田谷への移送冊数
平成13 562 77
平成14 399 113
平成15 345 146

 

(3)その他図書館利用者に対する利用上の配慮
 各学術情報センターにおける入館者数と図書及び雑誌の貸出冊数の過去5年間の推移を以下に示した。

<世田谷学術情報センター図書館>

年 度 入館者数 開館日数

1日平均入館者数

図書及び雑誌(年間)
貸出者数 貸出冊数 1人当たり貸出冊数
平成11年度 未集計 256 集計不能 39,922 未集計 集計不能
平成12年度 349,511 256 1,365 40,189 63,751 1.59
平成13年度 352,989 253 1,395 42,713 65,282 1.53
平成14年度 342,987 251 1,366 40,541 62,108 1.53
平成15年度 349,541 260 1,344 39,081 60,959 1.56

<オホーツク学術情報センター>

年 度 入館者数 開館日数

1日平均入館者数

図書及び雑誌(年間)
貸出者数 貸出冊数 1人当たり貸出冊数
平成11年度 未集計 未カウント 集計不能 5,293 10,926 2.06
平成12年度 未集計 未カウント 集計不能 5,437 11,088 2.04
平成13年度 未集計 未カウント 集計不能 5,133 10,547 2.05
平成14年度 未集計 未カウント 集計不能 6,400 11,778 1.84
平成15年度 175,871 235 748 6,203 11,379 1.83

<厚木学術情報センター>

年 度 入館者数 開館日数

1日平均入館者数

図書及び雑誌(年間)
貸出者数 貸出冊数 1人当たり貸出冊数
平成11年度 86,836 226 384 1,596 2,089 1.31
平成12年度 73,211 230 318 4,548 6,590 1.45
平成13年度 73,211 232 315 5,368 7,635 1.42
平成14年度 75,783 233 325 6,646 9,424 1.42
平成15年度 72,532 231 314 7,434 10,582 1.42

 年度によって若干の変動はあるが1日平均の入館者数は世田谷学術情報センターで1,300人台、オホーツク学術情報センターで700人台、厚木学術情報センター図書館で300人台となっており、学生数の比率から見るとオホーツク学術情報センターでの施設利用率が高いことがわかる。また一人当たりの図書貸出冊数は、世田谷学術情報センター図書館で約1.5冊、オホーツク学術情報センターで約1.9冊、厚木学術情報センターで約1.4冊と、図書の利用率もオホーツク学術情報センターが一番高い結果となっている。なお、厚木学術情報センターにおいて平成11年度の貸出者数と貸出冊数が極端に少ないのは、開学2年目で1、2年次の学生のみが対象であったことによる。
 次に図書館利用者に対する利用上の配慮について、いくつかの点で各学術情報センターの比較を以下の一覧表に示した。

図書館利用者に対する利用上の配慮word42KB)

 

 図書の貸出については、定期試験前から期間中にかけての試験期については、貸出冊数・期間が変更となる。
 世田谷学術情報センター図書館においては、全ての図書について貸出期間が3日間に変更となる。また、オホーツク学術情報センターにおいては、貸出冊数が4冊以内、貸出期間が2日以内に変更となる。一方、厚木学術情報センターにおいては、授業での利用に直結した「指定図書」に限って貸出期間が3日間に変更となる。また、長期休暇期間中には「長期貸出」として、貸出冊数・期間が変更になる。
 コンピュータ検索結果の出力用紙の利用者への提供に関連して、オホーツク及び厚木学術情報センターで所掌するコンピュータ演習室等での対応はキャンパスごとに異なっている。オホーツク学術情報センターにおいては、用紙の提供も含めて利用者サービスの一環という考え方から、コンピュータ演習室等にあるプリンターに事前に用紙をセットして提供しているが、厚木学術情報センターにおいては、用紙は利用者が自分で用意し持ち込む形をとっている。

【点検・評価 長所と問題点】
(1)学生閲覧室の座席数等
 閲覧座席数については、各学術情報センター共、収容定員の1割を超える数を確保しており、おおむね適切な規模で整備されている。特にオホーツク学術情報センターにおいては、多様な閲覧スペースの確保に工夫が凝らされている。
 しかしながら、世田谷学術情報センター図書館においては、本来は1テーブル4席が理想のところ、1テーブルに6席を設置しており、学習環境上の改善が必要である。

 

(2)開館時間及び開館日数並びに図書館ネットワークの整備
 開館時間については、世田谷学術情報センター図書館では夜間主コースの設置という周辺事情もあり、派遣職員の導入を前提とした平日22時までと土曜日17時までの開館を実現している。また、オホーツク・厚木両学術情報センターにおいても職員の対応可能な範囲での夜間開館を実施しており、利用者からのニーズの対応を実現している。また、試験期の夜間延長開館や土曜・日曜開館についても可能な限り対応しているが、職員だけの対応では、通常勤務とのマンパワーの分散が困難であるという問題があり、不十分な面があることも事実である。
 3キャンパス学術情報センター間の打合せの中で、従来各学術情報センターそれぞれで購入契約していた洋雑誌について、平成17年度の前払い契約より、一番購入タイトル数の多い世田谷学術情報センター図書館で一括して契約することを決定し、そのことによりスケールメリットが出て、結果的には各キャンパスの洋雑誌購入費用を削減することができ、3キャンパス連携の実効を挙げることができた。また同様の協議を経て、データベースをインターネット版に移行したことにより、3キャンパス共通で同じデータベースを利用できるようになり、ソフト面での情報基盤整備を一部実現することができた。

 

(3)その他図書館利用者に対する利用上の配慮
 オホーツク学術情報センターでは、学外文献複写サービスのインターネット上での申し込みと到着通知の送信を実現したが、世田谷・厚木両学術情報センターでは、まだ図書館カウンターでの紙ベースでの申し込みで対応している。
 世田谷学術情報センター図書館では、質問・相談カウンターを設け、レファレンスに専念できる体制の構築を目指しており、その他にも館員一人一人に担当学科を割り当て、各学科の教育・研究に密着したサービスを展開するための方策としての学科担 当制を試行するなど、様々な取り組みを行っている。
 利用者用プリンターにおける用紙提供の方法について、直接授業等に関わる以外のサービス部門での対応に関しては、大学全体の流れとして、環境問題としての紙資源の節約(ISOへの取り組み)の方向性もあり、利用者自身が紙を持ち込む形の考え方が主流となりつつあるが、現在の図書館での対応は必ずしもその方向になっていない。

 

【将来の改善・改革に向けた方策】
(1)学生閲覧室の座席数等
 世田谷学術情報センター図書館では、数年前に閲覧スペースの施設改修を行っているので、現状での環境改善はあまり望めないが、可能な限り閲覧スペースを確保すべく検討している。

 

(2)開館時間及び開館日数並びに図書館ネットワークの整備
 今後の試験期の夜間延長開館や土曜・日曜開館の更なる充実については、特に人員の少ないオホーツク・厚木両学術情報センターにおいては、職員だけによる対応では継続的な実現が不可能であり、何らかの人的補充を併せて検討する必要がある。なお、世田谷学術情報センター図書館においては、平成17年度より夜間主コースの募集が行われなくなることに伴い、夜間主 学生がほぼいなくなる平成20年度以降の夜間開館体制について検討していく。
 今後も3キャンパス学術情報センター間の連携を強化し、3キャンパス共通で歩調を合わせる部分と各キャンパスの学術情報センター独自で進める部分の区分けを明確にして、利用者からのニーズに柔軟に対応できる体制を構築していく。

 

(3)その他図書館利用者に対する利用上の配慮
 世田谷・厚木両学術情報センターはインターネット上での学外文献複写の申し込みが可能な状況になっているので、それに伴う業務の流れの変更等を十分確認し、コンセンサスを得た上で、利用者サービスの向上を目的とした新規サービスの導入を検討している。
 図書館の第一義的な目的は、教育・研究のサポートであり、そのためには各学科の教育・研究に密着した図書館サービスの実現及びその実効が上がるようなシステム作りを進めている。
 利用者用プリンターにおける用紙提供の問題については、大学全体としての方針を確認し、学術情報センターとしても、その方針の趣旨に沿った対応実現に向け努力している。

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