・国内外の他の大学院・大学との図書館等の学術情報・資料の相互利用のための条件整備とその利用関係の適切性
【現状】
(1)世田谷キャンパス
世学情センター図書館では、平成11年度より順次二次資料データベースの充実を図って来た。この背景としては世学情センターの厳しい予算状況と毎年10%にも及ぶ誌代の高騰により、一次資料である学術雑誌の継続が困難になりつつある状況が現実問題となって来たからである。すなわち、一次資料である学術雑誌自体を削減せざるを得ない方向であるとするならば、一次資料の所在情報である二次資料を充実させ、既存の学外文献複写相互協力システムにより、所蔵大学・機関から資料を速やかに取り寄せることで、利用者サービスの低下を少しでも解消しようという苦肉の策であった。その結果、現在世学情センター図書館では、国立情報学研究所のNACSIS-ILLをベースに国内外の大学図書館等との間で相互協力を実施し、年間約2,200件の依頼と約4,400件の受付を処理し、利用者サービスに供している。しかしながら、学外文献複写の申し込みにあたっては、依然として利用者が直接世学情センター図書館窓口に来て手続きをしなければならない形となっている。
また、平成15年9月の図書館システムリプレイスにより、Z39.50クライアント機能が導入され、平成16年11月より、大英図書館、アメリカ議会図書館、UBC図書館の蔵書検索が3キャンパス共通で可能となり、横断検索サービスを実現している。
一方、平成15年4月より、世田谷6大学コンソーシアムの図書館相互利用が開始され、これまでに専任教員及び大学院生の相互閲覧利用を実現しており、現在サービス拡大について検討中である。参加大学は本学、国士舘大学、駒沢大学、昭和女子大学、成城大学、武蔵工業大学となっている。
また、大学紀要である『東京農業大学農学集報』は国内外の大学・研究機関に配布され、一部学術資料の交換にも寄与している。
(2)オホーツクキャンパス
本研究科が必要とする広範な学際分野に関わる図書・資料や学術雑誌等の一次資料全てをオ学情センター単独で満足することは不可能である。このためいわゆる二次資料情報の充実と、世田谷、厚木の各学情センターや他大学図書館をはじめとする関連機関との相互協力の環境を整備し需要に応えている。
二次資料情報としては、冊子体のみならず、次項のようなネットワーク版リソースの利用が可能であり、国内外の広範な文献資料情報について迅速かつ効果的な検索を実現している。
・JDream(JST Document REtrieval system for Academic
and Medical fields)
・ERL(Electronic Reference Library)インターネットサービス
・CAB Abstracts
・Current Contents Connect
・SciFinder
・NACSIS-IR(機関別定額制)
これら二次資料により得られた結果による、オ学情センターへの学外文献依頼についてもネットワーク上での利用申込みが実現されており、利用者は時間や場所を気にせずに文献検索から申し込みまでの一連の操作をPC上で完結できる。
オ学情センターではNACSIS-ILLをベースに国内外の大学図書館等との間で相互協力を実践しており、年間約2,500件の依頼と約300件の受付を処理している。
オ学情センターのほぼ全ての所蔵情報はNACSIS-CATに登録・公開されており、複写物の協力のほか、現物貸借にも対応し、図書館間相互協力ネットワークの一翼を担っている。
世田谷、厚木の各学情センターの一括横断検索やZ39.50ゲートウェイによる海外図書館(LC、BL、UBC)の横断検索サービスも提供中である。
このほか、本学が立地する北海道内の大学図書館間の相互協力を更に推進すべく、平成15年10月から「大学図書館相互利用サービス」に加盟している。
これはそれぞれの参加館ごとに学外者の利用登録を行なうことにより、図書館間の相互貸借によらず、学生証・身分証明書等の提示だけで他大学学生・院生・教職員に直接閲覧、複写、貸出のサービスを実施するものである。現在の加盟館は、本学オ学情センター、旭川大学図書館、札幌大学図書館、札幌医科大学附属図書館、札幌学院大学図書館、天使大学、藤女子大学図書館、北星学園大学図書館、北海学園大学附属図書館、北海道浅井学園大学図書館、北海道医療大学総合図書館、北海道教育大学付属図書館、北海道工業大学図書館、北海道情報大学、北海道文教大学、酪農学園大学附属図書館となっている。
(3)厚木キャンパス
本学では、学術情報センターが学術情報・資料の相互利用の業務を行っている。農学及び畜産学専攻の学生が利用する場合には、厚学情センターにある申込書により依頼する。厚学情センターでは平成13年度より文部省学術情報センター(現、国立情報学研究所)のILLシステムに参加し、情報検索の便宜を図っている。厚木での学術文献請求(学内・学外の総数)が平成11年度は僅か3件であったが、平成13年度には2,502件、平成14年度は3,522件、平成15年度は4,082件と着実に利用が高まっている。目的の文献が明確な場合は、上記のサービスで文献を依頼すれば数日内に、海外などの取り寄せの場合でも数週間内に入手することができる。しかし、学術雑誌のほとんどは世学情センターに開架されており、また蔵書数も圧倒的に多いので、過去や最新の情報を網羅的に調べたいときなどは大学院学生が世田谷に出向く必要がある。
また、二次資料データベース、電子ジャーナル等Web版の資料については、インターネット上で3キャンパス共通の利用環境が提供されている。
なお、厚木キャンパスにおいては、厚木市内の大学と厚木市立図書館との協定により、相互に蔵書の取り寄せを行う協力システムを実現している。参加大学は、本学、神奈川工科大学、松蔭女子大学、湘北短期大学、昭和音楽大学、東京工芸大学、東京工芸大学女子短期大学部となっている。
|