【点検・評価 長所と問題点】
食料は、人間の生命の維持に欠くことができないばかりでなく、健康で充実した生活の基礎としても重要である。しかしながら、我が国の食料自給率、平成15年度食料自給率レポート(平成16年9月、農林水産省)によれば、その値は40%(カロリーベース)と報告され、我が国における食料自給問題は国民的重要課題となっている。したがって、この問題に真正面から取組もうとしている本学部の理念・目的・教育目標とそれに伴う人材養成等の目的の適切性に何ら問題はない。事実、毎年農業関連へ多くの人材を輩出しており、社会からも高い評価を得ているとともに、農業後継者の育成にも大きな役割を果たしている。
一方、農学部の守備範囲は動植物の生産科学にとどまらず、それ以外の分野にも急速に拡大しつつある。すなわち、直接的農業生産とはやや趣を異にする環境問題への対応、動植物による心身の健康維持や生活の質の向上、生物資源の保全といった分野がそれである。無論、農学部はこのような学生の教育研究を実施しているが、このような分野を志向する学生が近年特に増加している現状を考慮した場合、教育組織や内容を検討する必要があると考えられる。
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