ラオス 再訪 その2
~南下しながらゾウムシを捜す~
2月11日
午前3時に目が覚める。持ってきた電波時計が狂っていないことを確認してウトウトする(バンコクでは、
日本時間に戻っていた)。
朝食後にヴィエンチャンを出発。本日より本格的な採集を開始するので、少しテンションが上げる。
今回は研究対象のチビゾウムシ科でも、特に木本を利用するグループを採集したかったので寄主の一つ
であるフタバガキ類が多い低地はやりがいのある調査地だ。
さっそくヴィエンチャン郊外の畑脇にあるフタバガキ疎林で採集する。
いきなり、フタバガキからDamnux属のチビゾウムシ採れたので集中して攻めると複数個体得ることが
できた・・・・・・・・・・・結局、この種は全日程を通じてこの1本の樹からしか採れなかった。チビ
ゾウムシの採集量はホストの状態に非常に左右される。採集できたフタバガキは、周囲のフタバガキと
樹種が異なり、よく見ると花がついていた。
パクサンの街へ寄り昼食を摂る。ラープというラオス料理を賞味。美味しいけれど、苦い。なぜなら、
腸から搾り出した胆汁を使って肉を煮込んだ料理だからです。
そのあと、何度か停車して採集しながら本日の宿が在るタケークへ到着する。ヴィエンチャンから
ここまで、400数十キロ移動してきたことになる。
露店で焼き魚や焼き鳥を購入。メコン川の対岸にあるタイの夜景を見ながらBeerLaoを飲んでます
2月12日
やはり、午前3時に目が覚める。習慣になりそうで怖い。
朝食後、南に向けて出発。本日も良い天気。
途中、採集しつつ市場があったので立ち寄って休憩を取る。ミツバチを巣ごと売っていたのでお店の人に
断って親蜂だけを採集させてもらう。
一気にパクソンまで移動する。ヴィエンチャンから800キロ強。
本日のチビゾウムシは、各採集地でフタバガキの種子を一所懸命掬うが初日のような成果はなく、湿地性
草本をホストにしているNanophyes属ばかりであった。やはり、乾季の採集は難しい。明日以降の採集地
に期待するかな。しかし、毎回たてている「一日、一チビゾウ」の誓いは、今日も守られたのである。
夜は、シンラ(焼肉としゃぶしゃぶの複合型)。野菜には、小ネギがたくさん入っていたのだが伴先生
(ネギ嫌い)がニラだと言ってもりもり食べていた。みんなで、「それはネギだ!!」と指摘すると急に
渋い表情になる。どうやら、ニラだと思って毎回食べていたらしい。食わず嫌いではなく本当にキライらしい。
寝る前にBan大先生のベットに水溜りができていることが発覚する。数十分前までみんなでソーティングを
していてまったく気づかなかった・・・・・・・・・ラオスの怪!?
2月13日
6時にセットしていたアラームが鳴ったので起きてみると外が暗い・・・・・・朝4時だった。どうやら
時計は日本時間に戻ったようだ。南部では受信してしまうらしい。
その後、ドアノブが壊れているトイレに閉じ込められてBan先生に2回ほど救出してもらう。ごめんなさい。
朝食後、郊外のアベマキ林で採集を開始。スウィーピングをしているとオオカメムシの幼虫が一頭入る。
触角の動きが面白いので眺めていると突然身体を傾け、臭腺から液体を噴射してきた。顔にかかったがメ
ガネをかけているので目は保護でき、即座に拭き取ったためヒリヒリするだけで大事に至らなかった。
(本来は火傷のようになるので、かなり危険です。)
ここでは、チビゾウムシ科の不明種が一頭だけ採れる。
2地点目は、火口のある山へ登るが特にめぼしいものは発見できず。青い毛のクマバチがいたり、山頂の
樹には後翅の一部が青いアブラゼミの仲間が集まっていた。
Mikaさまがお疲れ気味に見えたので、マメ科の苦い実を「美味しいよ」と騙して齧らせる。一緒に水分を
摂ると甘くなるので美味しいのに変わりはない。嘘は言っていないので無問題はず・・・・・・。
アベマキからは、クチブトゾウムシの仲間が採れます。
3番目に訪れたアベマキ林は少し切られてしまったようだ。台場クヌギのようになっている樹もあるので、
薪にでもなったのかな。
奥には池がありゲンゴロウが採れそうである。伴先生が水網でがんばっていた。
※注 この文章は筆者(関東)の視点で書かれています。文章で補えない部分は、写真で補完しております。ただし、昆虫の写真は
少しだけ。なぜなら、撮る前に採るからです。940×1200で作成しています。