東京農業大学

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自己点検・評価

序章

本章

第01章 理念・目的・教育目標
第02章 教育研究組織
第03章
  学科・専攻科の教育内容・方法
第04章 学生の受入れ
第05章 学生生活
第06章 研究活動と研究環境
第07章 社会貢献
第08章 教員組織
第09章 事務組織
第10章 施設・設備等
第11章
  図書館および図書・電子媒体等
第12章 管理運用
第13章 財務
第14章 自己点検・評価
第15章 情報公開・説明責任
第16章 特色ある取り組み

終章

第三者評価結果

第1章

【理念・目的・教育目標】

〔全体〕
【現状の説明】
 東京農業大学短期大学部は、教育理念として東京農業大学の建学の精神である、自然および社会の諸現象や変化を直視した実証研究を基盤にもち、事実や現実に対応できる実用的で実際的な学問のあり方を意味する「実学主義」を掲げている。真の「学び」、真の「生き方」を探しだそうとしている学生に、真実の学問とは何か、さらに一生をかけて取り組みたい何かを探求するとともに、生きていることを実感し、自らの感性と体験を通じて「生きる力」を育むことを短期大学部は目的として掲げている。
 学則では、「高等学校の教育の基礎の上に生物生産技術学、環境緑地学、醸造学および栄養学に関する実際的専門職業に重きを置く大学教育を施し、良き社会人を育成する」ことを目的として定めている。
 研究分野ではこれまで、分野(モノ)の拡大で農学の多面性を提示し幅の広がりを達成してきたが、学問分野の深化に必要な手法(コト)の拡大がこれからの課題である。先端技術の研究が進み、応用につながる実学研究が産業界の前線技術として定着する道筋を教育することがこれからの実学教育と考え、基礎となる教育的研究に加え、先端研究と前線的産業研究との3つのカテゴリーで研究体制を整備している。
 本学は、生物生産技術学科、環境緑地学科、醸造学科および栄養学科の4学科からなり、それぞれの学科は学科名変更や分離独立を経て、最も長いもので50余年の歴史がある。
 生物生産技術学科では地球環境保全のための持続型農業、環境緑地学科では人と生物とが共存できる緑豊かな生活環境の創造、醸造学科では伝統的醸造物の製造とそれらに対するバイオテクノロジーの応用、栄養学科では食生活を通した健康への貢献が謳われている。
 本学の教育システムは、世田谷キャンパスにおいて教育理念を共有する東京農業大学との施設・設備の共用、履修システムの乗り入れ、キャンパスライフの融合、研究室間の交流を実現することで、他の短期大学と比較して格段に研究色が強く、充実しているのが特徴である。短期大学部教員が大学院および学部の講義を担当したり、大学院生および学部学生の論文指導を行なったり、逆に学部教員が短期大学部の講義や卒論指導を担当したりして、学部および大学院と教育、研究を連携して行っている。
 学生の多くは農大ホームページ、キャンパス見学会、収穫祭、大学案内等で入学以前に各学科の理念・目的を認識している。入学後、学内外オリエンテーション、フレッシュマンセミナー、個人担任制での教員学生との懇談、日常の授業で繰り返し教育される。また、スポーツ大会、収穫祭、部・サークル活動を通して先輩から吸収し、卒業時には本学の学風を身に付けた学生に育っている。
【点検・評価】
 入学時において編入希望者が80%を超える高学歴社会のニーズと、従来の短期大学の教育ならびに人材育成の理念・目的との乖離が懸念されている。教員は、入学者の学力が低下する中、理念・教育目標の実現、さらには多様化・高度化した社会ニーズへの対応に努力しているが、その両方を2年間で修得させることには限界もある。短期大学は転換期を迎えていると考えねばならない。
 4大志向と学生の目的意識の多様性から、本学学生としての帰属性が希薄になっているとの懸念を指摘するむきもあるが、本学の密度の濃い教育によって帰属意識は比較的残されている。
【将来の改善策】
 新しい本短期大学像を検討し、リメディアル科目等の導入科目から専門技術教育機関として相応しい科目までのカリキュラムの検討と教員の意識の統一を図る。学長の指示により、短期大学部部長を中心とした全学改革改善委員会が設置され、社会ニーズの変化に対応した本学の理念、目的および教育目標について検討を行っていく。

〔生物生産技術学科〕
【現状の説明】
 学則では、本学科の目的を次のように定めている。
 生物生産技術学科は、動物と植物の生産を有機的に結合し、地球環境の保全にも配慮した生物生産体系の確立を目指して、講義と実験・実習・演習を連動させた特色あるプログラムによる実学教育を行うことにより、実践的な専門知識と教養を兼ね備えた専門職社会人として社会に貢献できる人材を養成する。
 実験・実習、新たに卒業論文(必修)にも重きを置き、生物生産に直接関わる科目、バイオテクノロジー関連科目、短大部共通科目など、学生の将来設計に役立つ科目を配当し、社会に応える人材を養成している。
【点検・評価】
 生物生産技術者を志す学生にとって実用的な授業を行うことによって進路をより一層明確にすることが可能となっている。新カリキュラムは、目的意識が明確な学生にとっては、履修科目の選択の幅が広がり効率良く勉強できるようになった。進路の多様化のため、講義内容についてやや理解度が低下してきている。
【将来の改善策】
 リメディアル科目等の導入科目の充実により、基礎学力の向上を図る。さらに初年次教育の充実をによって学科の目的を理解させる。

〔環境緑地学科〕
【現状の説明】
 学則では、本学科の目的を次のように定めている。
 環境緑地学科は、人と生物が共存できる緑豊かな生活環境の創造をめざして、人格の陶冶、基礎理論に裏打ちされた思考から現場での問題を解決できる応用能力を身に付け、環境緑化および造園業の自営者や後継者、緑化・花卉関連産業の第一線で活躍し、その発展に寄与しうる行動力のある人材を養成する。
 緑地のもつ多面的な機能との調和を図るための知識・技能の探求・活用を通した教育を行うことを目的とし、緑地に関する基礎的理解を基に、それらに裏打ちされた思考から、現場での問題を解決できる応用能力と人格を持った人材の育成を目指している。
【点検・評価】
 環境緑地学科では、以前から本学科教員による高等学校訪問、出張講義等を行い、本学科の理念・目的・教育目標に則した学生確保の取り組みを行っている。
【将来の改善策】
 実習・演習を通じて社会における責任や役割意識を醸成し、授業における課題発見・問題解決学習を通じた知識の活用、さらに長期的な緑化企業研修、研究室での共同研究、卒業研究などを推進し、学科の教育理念・目的への理解を向上させる。

〔醸造学科〕
【現状の説明】
 学則では、本学科の目的を次のように定めている。
 醸造学科は、実学主義に基づいた実験・実習・演習科目を重視したカリキュラム構成であり、基礎学力の向上とともに最新科学技術と我が国伝統の醸造技術とを総合的に学ぶ点を特徴としている。これらを基に、醸造食品業界をはじめとする社会の様々なニーズに即応可能な実践力を有する人材を養成する。
 すなわち、伝統的醸造製品の製造および発酵、食品加工、環境保全へのバイオテクノロジーの応用などに関する専門的知識や技術を学び、幅広い視野を持って活躍できる技術者を養成することを目的としている。
【点検・評価】
 特色ある教育理念・目的を理解している学生が入学しているが、入学者の学力は年々低下傾向にある。特に語学力(英語、文章表現力)、基礎的学力(生物学、化学)および主体的な行動力の低下があげられる。学科の教育理念・目的・目標を達成するために、学力の向上が急務となってきている。リメディアル教育の効果は上がってきている。毎年首都圏を中心に30校ほど高等学校への進路指導(進路説明会)に教員が出向いて、学科の特徴、教育理念・目的・目標を理解する志願者の確保を行っているが、十分とは言えない。
【将来の改善策】
 入学前教育の充実をはかる。2010年6月に東京農業大学の総合研究所が組織する総研研究会に醸造食品部会を立ち上げ、本学科の設立目的と社会貢献について、市民ならびに業界に向けてのPRを行い始めた。今後も高校側、企業側に対してのPR強化を進めていく。

〔栄養学科〕
【現状の説明】
 学則では、本学科の目的を次のように定めている。
 栄養学科は、建学の精神である実学と自治を根幹とし、国民一人ひとりが心身ともに健康で豊かな生涯を送れるように、食生活の改善や運動を通して、心と体の健康づくりに貢献する栄養士を養成する。また、食料の生産から加工・流通・消費および栄養までの幅広い知識を習得させることにより、食の専門家を育成する。
 新入生については、初年次教育において栄養学科の教育目的、教育目標が理解できるよう配慮している。2年生については、「学外実習」前の説明会などの機会に“栄養士の役割”、“心構え”などについて説明している。
【点検・評価】
 栄養士免許取得を目的として入学してくるので、学科の目的への理解度は高い。2年間で栄養士の養成をするため、密度の濃いカリキュラムになっている。数少ない農学系の栄養士養成施設であること、男女共学等の特徴がある。毎年、社会人の入学者が1割程度いる。また、栄養士養成施設の指針に基づいて少人数クラス授業により学生の集中力を高め、教育効果が上がっている。
【将来の改善策】
 現状で特に問題はないが、今後の発展のために2年間で栄養士資格が取得できる利点と農学を基盤とする本学科の特徴を積極的にPRしていく。

 

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