東京農業大学

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自己点検・評価

序章

自己点検・評価に当たって

第01章 理念・目的・目標
第02章 教育研究組織
第03章 教育内容方法等
第04章 学生の受け入れ
第05章 教員組織
第06章 研究活動環境
第07章 施設・設備等
第08章 図書館
第09章 社会貢献
第10章 学生生活
第11章 管理運営
第12章 財務
第13章 事務組織
第14章 自己点検・評価
第15章 公開・説明責任

終章

  あとがき

第三者評価結果

・学術情報の処理・提供システムの整備状況、国内外の他大学との協力の状況

【現状】
(1)図書館システム及び文献検索システムの整備
 以下に各学術情報センターにおける図書館システム及び各種情報関連システム、機器・備品等の整備状況並びにそれに伴うソフト面の整備について述べる。

(世田谷学術情報センター図書館)
 世田谷キャンパス学内LANの整備と時期を同じくして、平成11年4月より、生物企業情報学科の設置経費の一部を使ってネットワーク対応のCD―ROMサーバを導入し、図書館に来ずとも各研究室の端末から二次資料データベースの検索が可能となった。
 平成12年10月の学内コンピュータの大規模リプレイスに歩調を合わせ、図書館業務システムを更新し、バージョンアップを行った。これにより、国立情報学研究所の新CAT、新ILLシステムへの対応が可能になることとなった。なお、この図書館業務システムのリプレイスは厚木も同時に行われ、共通のサーバは世田谷キャンパス図書館内に設置された。
 平成12年11月より、図書館内で初めてインターネット端末2台を利用者に解放した(その後急速にインターネット環境の整備が進んで行くことになる)。
 平成13年4月より、二次資料データベースをCD−ROM版からインターネット版に切り替え、3キャンパスでの共通利用が可能となった。同時に平成11年9月に先行してリプレイスされたオホーツク学術情報センター(当時は分館)の図書館業務システムと平成12年10月に更新導入された世田谷・厚木の図書館業務システムは、同系列の機種であるため、懸案であった3キャンパス図書館間における蔵書検索機能の統合が、平成13年10月より実現した。これにより、各キャンパスにおいて、同時に他の2キャンパスの蔵書を横断的に検索することが可能となった。


 平成13年10月より農大OPAC(図書館所蔵資料データベース)の学外公開を開始した。
 平成14年4月より、図書館業務システムの中の雑誌システムを全面稼動させ、自動チェックインシステムを導入した。
 平成14年10月に、図書館内2箇所に学生が各自のパソコンを持ち込んでネットワーク利用できるITスタンドを設置した。
 大学全体としての全学ネットワークシステム更新プロジェクトに伴って、図書館においても平成15年9月に図書館業務用クライアント端末の更新、図書館利用者用クライアント端末の更新と台数の増加を実施すると共に、電子図書館サーバの導入を実現した。なお、利用者用のクライアント端末には、ワード、エクセル、アクセス、パワーポイントのソフトがインストールされた。従来は図書館の端末は蔵書検索のためというイメージが強く、図書館員側も蔵書検索最優先という意識が強かったが、これにより、大学が学生のために用意する様々な情報へのアクセスポイントとしての端末が図書館にもあり、その機能の中のひとつに蔵書検索機能もあるという考え方に意識転換するきっかけとなった。


 平成15年10月より、電子図書館サーバを使用し、これまでに電子化してきた貴重資料、オリジナル資料の電子公開を、図書館ホームページを介して開始した(一部については既にCD−ROMサーバを使って開始していた)。また、学内外の農学関連情報を定期的に自動収集し提供する検索システムを稼動させた。
 図書館4階に新たにパソコンルームを開設し、インターネット接続端末16台を設置した。
 平成16年8月より、図書館業務システムの機能を使って、利用者が自分の借りている資料の状況をパソコンから確認できる「利用照会サービス」を開始すると共に、携帯電話から蔵書検索ができる「モバイルOPACサービス」を3キャンパス共通で開始した。
 平成16年11月より、Z39.50クライアント機能を使って、大英図書館、アメリカ議会図書館、UBC図書館の蔵書検索が3キャンパス共通で可能となった。

 なお、現在の世田谷学術情報センター図書館のシステム機器構成は下表のとおりである。

用途区分 機器種別 台数
利用者用 学生サービス用クライアント 44
学生サービス用プリンタ 6
図書館業務用 業務サーバ 4
業務用クライアント 21
業務用プリンタ 8
事務用 事務管理用クライアント 14
事務管理用プリンタ 8

(オホーツク学術情報センター)
 平成11年9月に、図書館業務システムのリプレイスを行い、インターネット上へのOPAC公開を3キャンパスで初めて実現した。
 情報化委員会での検討の結果、平成12年2月よりコンピュータ実習室の管理・運用所管が暫定的に分館に決定され、4月からは実習室カウンター要員の指導や労務管理、学生用メールシステムの管理・運用、学部ホームページの立ち上げ等の業務が加わることとなった。
 平成12年4月より、図書館業務システムの機能を用いて、オンラインでの学外文献複写依頼・現物貸借依頼の申し込み及び到着確認ができるシステム(ドキュメントオーダーシステム)が稼動し、閉館時でもインターネット経由でどこからでも申し込みが可能となった。


 独自の利用者認証システムを構築した。
 2階閲覧室に情報化キャレルコーナー(10席)を整備した。
 マルチメディア情報コーナーを整備し、インターネット接続端末を拡充。
 平成13年10月1日より、図書館分館は教育研究情報センターに改組し、名実共に図書館業務と学部ネットワーク管理業務を担うこととなった。これにより図書館業務に加え@学内LAN関連業務A学部ホームページ関連業務  コンピュータ教室関連業務が本来業務となった。
 閲覧室内のインターネット利用環境を整えると共に、その一部にDVDの視聴環境を整え、ソフトの充実も図った。

 全学ネットワーク更新プロジェクトについて以下のように関わり平成15年9月に稼動。


「全学ネットワークシステム更新プロジェクト」の趣旨
 「本学のコンピュータネットワークシステムは、国の補助金を活用し3年ごとに継続的な整備を行っている。平成14年度より検討を始めた枠組みにより、大学全体において今後3年間を見据えた情報基盤整備の仕様を取りまとめ予算申請を行った。これにより、これまで不ぞろいであった各キャンパスの情報基盤整備のタイミングを合わせることで、調達先企業に対する費用対効果を最大限引き出すことが可能となっている。また、3キャンパスの一定の基盤要件をそろえることにより、全学的な情報サービスを低コストで導入可能なように整備する。その上で、各キャンパスの実情に合わせたシステム導入が行われている。」


「全学ネットワークシステム更新プロジェクト」の範囲について
 ・東京農業大学の各キャンパス
 ・教育研究用システムのパソコン、サーバ(コンピュータ演習室・自習室)
 ・学生サービスおよび業務用のパソコン、サーバ
 ・各システムを支えるネットワーク基盤システム

生物産業学部における更新の概況について
 a)教育研究系
 ・PC73台のCP演習室の更新
 ・PC109台のCP実習室の更新 49台から60台増設
 b)学生サービス系
 ・学生サービス端末(4号館1階、2階、学生課) 57台から13台増設
 ・インターネットラウンジ(7号館2階)(新サービス) 
 ・学生が自由にパソコンを利用できる様、18台のパソコンを設置,
 ・8:30〜21:30での通年運用
 ・無線アクセスポイント(Hotspot)の設置(新サービス)
 ・学生がパソコンを持ち込んで学内の設備を利用できる環境の構築、フルタイムでの通年運用、貸出用無線
   LANカード50枚準備
 c)ネットワーク基盤関連
 ・新サーバ設置
 ・教育研究、インターネット関係サーバの構築
 ・新アカウント(統合認証)対応
 ・オール農大共通となる新システム対応アカウントでの運用開始
 ・ネットワーク機器更新
 ・ネットワーク機器の入替 基幹100Mbpsから1Gbps,支線10Mbpsから100Mbps
 d)図書館情報システム
 ・図書館情報システムの入替 LINUX上でのサーバ(4台)構築・業務端末(10台)の構築

 なお、現在のオホーツク学術情報センター管理下のシステム機器構成は下表のとおりである。

建物名称 場所 機器種別 台数
本部棟 2階 サーバ 7
4号館(学術情報センター棟) 1階事務室 サーバ 6
1階閲覧室 パソコン 36
2階閲覧室・教員閲覧室・書庫 パソコン 30
7号館 2階ラウンジ パソコン 18
8号館 3階サーバ室 サーバ 13
3階CP実習室 パソコン 109
3階CP演習室 パソコン 73
3階実習室・演習室カウンター パソコン 2
2階キャリア・エクステンション課 パソコン 4
4号館(学術情報センター棟) 1・2階

無線LAN(HOT SPOT)を24時間提供

 

第二食堂 全域
学生会館 1階

※各パソコンはオフィスソフトをはじめ、多種類のソフトウェアを搭載
    
 (厚木学術情報センター)
 厚木学術情報センターの図書館業務システムは世田谷学術情報センター図書館業務システムの一部を成すシステムで、世田谷にあるサーバとLANでつながっている。したがってこれまでのところ、システムリプレイス等については全て世田谷学術情報センター図書館と同期をとっており、世田谷で定期的に行われるシステム会議には厚木の図書館システム担当者も参加して、新規サービスの立ち上げ等連携を保ちながら進めている。
 なお、現在の厚木学術情報センター図書館のシステムの機器構成及び管理下にあるコンピュータ実習室等の機器構成は下表のとおりである。

場所 用途区分 機器種別 台数
事務室 業務・事務兼用 パソコン 3
事務用 パソコン 1
業務・事務兼用 ネットワークプリンタ 1
カウンター 業務・事務兼用 パソコン 2
業務・事務兼用 ネットワークプリンタ 2
閲覧室 学生用 パソコン 15
学生用 ネットワークプリンタ 4
コンピュータ演習室 学生用 パソコン 134
学生用 ネットワークプリンタ  
コンピュータ自習室 学生用 パソコン 40
学生用 ネットワークプリンタ  

(2)電子図書館サービスへの取り組み
 平成15年9月、世田谷学術情報センター図書館に電子図書館サーバが導入されたことにより、電子図書館サービスの展開が可能となったが、世田谷学術情報センター図書館では、将来の環境整備を見越して、平成13年度から年次計画を立て、図書館の所蔵する貴重資料、オリジナル資料の電子化を業者委託する形で進めてきた。なお、この資料電子化には毎年500万円(短期大学部との合算額)の運営費を委託管理費として計上しているが、日本私立学校振興・共済事業団の助成金「教育学術情報データベース等の開発」を申請し、半額助成を得て実施している。
 これまでに電子化を行い既にホームページを通じて公開している資料を下記の表に示した。  

年度 コンテンツ名 電子化 公開
平成13 農大新聞(全部) 終了 学内公開済
江戸期・明治期の農書コレクション(一部) 終了 学内公開済
平成14 明治期の本学卒業論文(3年計画1年目) 終了 学内公開済
平成15 明治期の本学卒業論文(3年計画2年目) 終了 学内公開済
平成16 明治期の本学卒業論文(3年計画3年目)    

 資料電子化の目的は貴重な資料の劣化防止と共に貴重な学術資料の公開による学問の発展への寄与にあると言えよう。世田谷学術情報センター図書館では、幸いにも先人が情熱をもって様々なコレクションの構築を行い、上記の他にもいくつかのコレクションが現在に受け継がれており、その保存と公開を行っている。

(3)国内外の他大学、他機関との協力
 他大学、他機関との協力として、まず初めに挙げられるのは、国立情報学研究所が提供するNACSIS−ILLシステムを利用した図書館間の相互協力による文献複写の依頼・受付及び図書の現物貸借である。
 以下に各学術情報センターの過去3年間のILL依頼・受付状況を一覧表に示した。
<世田谷学術情報センター図書館>(3キャンパス間のILLも含む)

年度 学外文献複写依頼 学外文献複写受付 図書現物借受 図書現物貸出
平成13 2,136 4,053
平成14 2,338 4,452
平成15 2,172 4,384 21 31

<オホーツク学術情報センター>(3キャンパス間のILLも含む)

年度 学外文献複写依頼 学外文献複写受付 図書現物借受 図書現物貸出
平成13 2,013 320 23 96
平成14 2,369 282 63 73
平成15 2,472 217 60 64

<厚木学術情報センター>(3キャンパス間のILLも含む)

年度 学外文献複写依頼 学外文献複写受付 図書現物借受 図書現物貸出
平成13 2,502 3
平成14 3,621 10
平成15 4,082 27 7 9

 自館にない資料の複写物を他館から取り寄せる「学外文献複写依頼」は、世田谷学術情報センター図書館では平衡状態を保って推移しているものの、オホーツク及び厚木学術情報センターでは年々確実に数が増えている。自館の資料の複写物を他館に提供する「学外文献複写受付」はオホーツク及び厚木学術情報センターでは数も少なく横ばい状態であるが、世田谷学術情報センター図書館では数も多く、増加傾向にある。学外文献複写業務は、依頼にしても受付にしても利用者が早く文献を手に入れたいと待っており、日々の着実な処理が要求されるため、件数の増加は直接図書館業務の負担増につながってくる。なお、このような「世田谷」と「オホーツク・厚木」での傾向の違いは、世田谷学術情報センター図書館が多数所蔵している学術雑誌のバックナンバーによるものであることは明白である。世田谷の学外文献複写の他大学への依頼がそれ程増えていないのは、自館にある学術雑誌およびそのバックナンバーで利用者のニーズがある程度まかなえているからであろう。今後の学術雑誌の所蔵のあり方(電子ジャーナルへの移行、製本の見直し等)は、このように学外文献複写業務にも大きな影響を与えて行くことになる。


 なお、平成16年4月より、従来国立大学間のみで実施されていたILLに関わる料金相殺制度が私立大学にも拡大して適用されることになったため、3キャンパスの学術情報センター共、今年度よりこの制度に参加することとなった。
 これにより、従来は1件ごとに相手の図書館との間で料金のやりとりを行うため、図書館で現金を扱わなければならず、非常に煩雑な処理を伴っていたが、この制度に参加したことで国立情報学研究所が四半期ごとに各大学の依頼・受付の状況を集計し、依頼の方が多い債務超過の大学には請求書を送り、受付の方が多い債権超過の大学には超過分を振り込むという流れができ、1件ごとに料金を授受する必要がなくなった。またこの機会に本学では、ILLに関わる料金処理を経理課に移管することとなり、図書館で現金を扱う必要がなくなった(オホーツク学術情報センターでは移行期のため、まだ現金を扱う必要が残っている)。
 次に、他大学・他機関への紹介状の発行数について各学術情報センターの状況を一覧表に示した。

年度 世田谷 オホーツク 厚木
平成13 34 17 7
平成14 50 8 5
平成15 56 35 7

 他大学、他機関との協力で次に挙げられるのは、地域的なつながりによるコンソーシアム等への参加である。世田谷学術情報センター図書館においては、平成13年12月に世田谷キャンパスが、国士舘大学、駒沢大学、昭和女子大学、成城大学、武蔵工業大学との間で、「世田谷6大学コンソーシアム」の基本協定を結んだことを受け、その中に図書館相互利用専門委員会が設置され、相互協力のあり方について検討して行くこととなった。これまでに専任教員と大学院生の館内閲覧利用を実現している。また、平成16年4月より東京都私立短期大学協会加盟短期大学の学生並びに教職員の相互利用を行う「東京都私立短期大学協会コンソーシアム」にも参加している。次にオホーツク学術情報センターにおいては、平成15年10月より、北海道地区の大学で組織する「大学図書館相互利用サービス」に加盟している。このシステムでは加盟館のカウンターで学生証を提示すれば、貸出・閲覧・複写のサービスを受けることができる。加盟している大学図書館は、札幌大学図書館、札幌医科大学付属図書館、札幌学院大学図書館、天使大学、藤女子大学図書館、北星学園大学図書館、北海道浅井学園大学図書館、北海道医療大学総合図書館、北海道教育大学附属図書館、北海道工業大学図書館、北海道情報大学、北海道文教大学、酪農学園大学附属図書館である。次に厚木学術情報センターにおいては、厚木市内の大学と厚木市立中央図書館を介して図書館相互協力に関する協定を結んでおり、参加大学の図書を厚木市立中央図書館を介して取り寄せることができる。参加大学は、神奈川工科大学附属図書館、松蔭女子大学附属図書館、湘北短期大学図書館、昭和音楽大学附属図書館、東京工芸大学中央図書館、東京工芸大学女子短期大学部図書館である。


 一方国外の大学との相互協力関係は今のところ構築されていないが、今後海外の姉妹校図書館との連携を構築する必要がある。なお、世田谷学術情報センター図書館で編集・発行業務を行っている本学の紀要「東京農業大学農学集報」は国内440機関、国外169機関に配布され、海外の貴重な資料との交換対象になっている。
 なお、上記以外に世田谷学術情報センター図書館では、農学系の情報を扱う専門団体として日本を代表する「日本農学図書館協議会」(以下農図協)の会員となっており、今後連携を深めて行く方針に基づいて、現在農図協の事務局を本学図書館内に設置している。

【点検・評価 長所と問題点】
(1)図書館システム及び文献検索システムの整備
 平成11年度に実施されたオホーツク学術情報センターにおける図書館システムのリプレイス及び、次いで平成12年度に実施された世田谷・厚木両学術情報センターにおける図書館システムリプレイスにより、3キャンパス図書館システムの機種統一が図られ、3キャンパス共通のサービス実現に向けたハード面での基盤整備が行われた。その後ソフト面では3キャンパスの蔵書検索機能の統合が図られ、3キャンパスの蔵書を同時に検索することが可能となった。これを皮切りに、新図書館システムの機能を使って、各種利用者サービスの拡大を図っており、ネットワーク機能を駆使して、図書館の開館・閉館に関わらず、どこからでも電子的な利用サービスを提供することが可能になった。しかしながら実際のところキャンパスによってその進度に若干違いが現れていることも事実である。
 平成13年4月より、二次資料データベースをCD−ROM版からインターネット版に切り替えることにより、3キャンパス共通の情報検索基盤が整備されることとなった。

(2)電子図書館サービスへの取り組み
 資料の電子化については、厳しい予算状況の中でも必要経費として捉え、毎年継続して行っている。しかしながら、このままの予算状況が続くと、どうしても現在の教育・研究に直結した資料の購入を優先せざるを得ないため、電子化事業の中断もあり得る状況である。

(3)国内外の他大学、他機関との協力
 学外文献複写業務は図書館間の相互協力の一環として、図書館の持つ社会的な側面を象徴する業務である。本学では3キャンパスの学術情報センター共、今年度から国立情報学研究所の料金相殺制度に参加した結果、多少とも業務の簡素化に繋がったことと思われる。
 現在地域的なつながりによるコンソーシアムには3キャンパスの学術情報センター共積極的に参加しており、今後利用者サービスの拡大につながる検討がなされることが期待される。
 農学集報については、本来資料の交換を目的として国内外の大学・研究機関に送付しているが、実際に交換が行われている資料は数少ないのが現状である。

【将来の改善・改革に向けた方策】
(1)図書館システム及び文献検索システムの整備
 新図書館システムの導入により、確実に利用者サービスが拡大しており、そのリプレイスの時期及び機種の選択は効果的であったと言える。今後は各学術情報センターにおいてもスキルアップに努めると共に、図書館システムSEとの連携を強化して3キャンパスで歩調を合わせたネットワーク環境の整備が必要となる。また、今後も何年かおきに実施されるであろう図書館システムのリプレイスに際して、機種が大幅に変更となる可能性もあり、データ移行等にあたっても常に3キャンパスの緊密な連携が必要となり、大学全体の基幹システムとの整合性も、現状を維持する。
 二次資料データベースは洋雑誌同様、価格の高騰が激しいので、3キャンパスでの共通検索基盤を維持して行くため、利用状況を勘案した契約タイトルの見直し、各学術情報センター間での按分比率を決めた公平な費用負担の必要性等について検討している。

(2)電子図書館サービスへの取り組み
 貴重な資料の保存と公開の重要性を強くアピールし、資料電子化予算の確保を実現する必要があり、この電子化事業で獲得している助成金(半額助成)が予算に反映されるよう現状を維持する。

(3)国内外の他大学、他機関との協力
 学外文献複写業務については、アウトソーシングを実現したり、検討している図書館もあるが、この業務を円滑に行うために学外文献複写業務の位置づけをどのように置くか、十分議論・検討している。なお、学外文献複写依頼タイトルの統計を取って、自館にない資料で学外文献複写の依頼が多い資料については、自館での収集などを検討している。
 今後は地域的なコンソーシアムだけではなく、例えば電子ジャーナルの共同契約のためのコンソーシアムなど、目的に合わせたコンソーシアムへの参加が増えてくることが予想される。単独契約とコンソーシアム契約のメリット・デメリットを十分検討する計画を進めている。
 農学集報については、印刷費が世田谷学術情報センター図書館の予算から支弁されている状況があり、厳しい予算状況の中で見直しを行っている。一つは冊子体での出版をやめ、電子媒体での出版公開に切り替えてゆく方向の検討が必要であり、論文の著作権が本学の学術雑誌編集委員会に帰属することとなった平成12年度以降については、電子化の条件が既に揃っている。もう一つは今後大学の紀要としての位置づけを維持して行くか否か、また維持して行くとなれば、どのような編集方針とするか、実践総合農学会誌との関係をどのように考えるか、編集委員会の事務は世田谷学術情報センター図書館に置くことが適切か等、根本的な議論を進めている。

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