【点検・評価 長所と問題点】
(1)世田谷キャンパス
今年度所蔵調査を行った結果、世学情センターと各専攻・研究室との間及び各専攻・研究室間においては、洋雑誌の重複はほとんどないが、和雑誌及び学会誌ではかなり重複して所蔵している状況があり、限られた予算を少しでも有効活用する上で、重複購入の見直しを行う余地がある。
受入システムの稼動により、最新号の雑誌の配架状況まで各研究室の端末から確認できるようになったことは、利用者サービス上大きな進歩である。
世学情センター図書館の厳しい予算状況と洋雑誌の価格高騰により、新しい学問分野に対応した新しい学術雑誌の導入が不可能となっていることは、特にバイオサイエンス専攻、国際バイオビジネス専攻など新設の専攻にとっては、深刻な問題であり、大学院の学生教育にとって大きな障害となっている。
研究の過程で得られたデータや微生物株等の学術サンプルの保管・管理は各専攻やキャンパス全体で、統一されて管理されているとは言い難く、各研究室で独自に行われている。
修士論文、博士論文については、OPAC上で検索できる環境を整える方向で検討しており、実現すれば非常に便利になる。
(2)オホーツクキャンパス
オ学情センターでは、従来型の図書館サービスと合わせ、インターネットや各種電子情報等を縦横に駆使し得るような学習・教育環境を実現させるとともに、研究面での適切な情報支援サービスの実現を目指している。
平成15年度に実施された全学的な情報関連設備整備事業では、学内LANやインターネット接続環境が大幅に強化されたほか、持込PCが利用可能な無線LANエリアや常設PCを自由に使えるインターネットラウンジが新設されている。現在、オ学情センター所管のエンドユーザー向け常設PCは約270台となり、学内の情報インフラ環境はかなり整備されている。
こうした情報インフラを活かすべくソフト面の充実にも注力しており、前述のWeb版OPACのほか次項のようなWebサービスも展開されている。
・貸出ベストランキング〜資料種別月単位で館外貸出回数のランキングを参照
・新着資料情報案内 〜資料種別月単位で新たに受入れた資料を参照
・利用登録情報照会 〜各個人の利用者登録情報・自身の利用状況を参照
・学外文献借用申込 〜学外文献の借用申込みを画面上から申込み
・学外文献複写申込 〜学外文献の複写申込みを画面上から申込み
また、全学的なE-Mailアドレス配布を背景に、資料予約や文献依頼等に関する連絡にはE-Mail自動配信システムが導入され、場所や時間に拘束されない迅速かつ適確な通知サービスが提供されている。
学内LANから利用可能な電子化資料の導入も図られており、種々の電子ジャーナルや雑誌記事文献データベース、新聞記事情報データベース等の利用が可能とされている。このほか、ネットワークとコンピュータを利用して利用者が、いつでもどこでも、必要なことを学べる「オンデマンド型学習システム」としてeラーニングサービスが導入されており、学内LANに接続しWebブラウザが動作する環境があれば、時間と場所に拘束されず、自分のペースで利用できる環境が整えられている。
情報インフラ面の整備は概ね需要を満足するものとなっているが、無線LANについては一部未整備の棟エリアが残され、全域でのサービスは実現されていない。
また、効果的な蔵書の構築と運用を図るために不可欠な除籍・移管制度の整備や保管スペースの確保が大きな課題である。
(3)厚木キャンパス
大学全体としては充分多くの雑誌資料を購読し、充分な蔵書をもち、それらの利用のための記録、保管は世学情センターで適切に行われている。その結果、オンライン上での検索が容易に実施可能なシステムが構築され、情報検索はキャンパス間の距離感を感じることなく利用出来ている点は評価される。しかし、センター機能のある世田谷に比べると、実際の情報利用に関しては厚木のもつ学術資料は脆弱なことは否めない。
なお本学は、学科に配置された各研究室に大学院の各専修が併設されているため、学術資料の記録・保管の大半は従来より研究室単位で行われている。したがって専攻として各専修が持つ学術資料を明確には把握していない面がある。
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