東京農業大学

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自己点検・評価

序章

自己点検・評価に当たって

第01章 理念・目的・目標
第02章 教育研究組織
第03章 教育内容方法等
第04章 学生の受け入れ
第05章 教員組織
第06章 研究活動環境
第07章 施設・設備等
第08章 図書館
第09章 社会貢献
第10章 学生生活
第11章 管理運営
第12章 財務
第13章 事務組織
第14章 自己点検・評価
第15章 公開・説明責任

終章

  あとがき

第三者評価結果

・入学者受け入れ方針と大学・学部等の理念・目的・教育目標との関係

〔国際食料情報学部〕
【現状】
 本学部は、昭和57年以降における経済社会のグローバリゼーションと規制緩和の進展、成熟社会の到来と食生活の多様化・高度化、地域・地球規模での環境指向の進展、一方で、依然として解消できないままの厳しい南北間格差の存在などを重要な背景として、次の3つを教育・研究の目標においている。
(1)生産(農業)から加工、流通、消費、廃棄物資源化までの全過程を包含する「新たなフードシステム」の解明と構築
(2)農業・消費・資源・環境の総合地域である「新たな農村地域」の解明と構築
(3)これら新たなフードシステム及び農村を支える「望ましい環境」の解明と構築
 そしてこれら3つの目標へのアプローチに関する次のような分担関係から3学科をおいている。

 

 国際農業開発学科は、厳しい南北間格差の存在を重視し、特にアジア・アフリカ等の熱帯地域と南米地域の途 上国を対象にして、「農業と農村の開発」の観点から、社会科学・農学・環境科学の文理融合的方法によって接近する。
 食料環境経済学科は、わが国、欧米先進国、アジア地域の途上国を対象にして、「セミ・マクロ」「マクロ」の観点から、社会科学の方法によって接近する。
 生物企業情報学科は、わが国、欧米先進国、熱帯地域・アジア地域・南米地域の途上国を対象にして、「ミクロ」の観点から、社会科学・環境科学・情報科学の文理融合的方法によって接近する。

 

 これら3学科の中心的・直接的教育目標は、上述した3つの目標のそれぞれに関する「構築」部分に向けて、これに直ちに従事できる、高い能力を備えた人材を、それぞれの分担範囲において育成することである。したがって、本学部はカリキュラム等教育体系において「実学主義」を重視している。

 

 以上の目標のもと、本学部は入学者の受け入れにあたって、以下の方針を設けている。
(1)上述の本学部の教育・研究の目標をよく理解している入学者であること。
(2)卒業後直ちに第一線で活躍できる学生となるために、在学中に教養的・専門的両能力をよく伸ばし得る可能性が大きい入学者であること。
(3)卒業後直ちに第一線で活躍できる学生となるために、在学中に人格的成長を大いに期待できる入学者であること。
(4)「実学主義」教育をよく理解し、これによって本人の能力をよく伸ばし得る可能性が大きい入学者であること。
(5)卒業後直ちに第一線で活躍できる学生であるために、在学中の「やる気」意識が旺盛な入学者であること。
(6)こうして卒業後、「農大生」としての「誇り」を抱き続け得る入学者であること。
 このような入学者を確保するために、本学部は通常の入試のほか推薦入試を実施し、推薦入試では所定の書類審査のほかに、面接審査を重視している。

 

【点検・評価 長所と問題点】
 本学部は過去3年間、毎年2,900名〜3,000名の志願者を確保している。現在までのところ、入学者の半数は上述の方針を満たしていると思われる。特に、国際農業開発学科ではこの割合が比較的高いように思われる。しかし、食料環境経済学科と生物企業情報学科ではそうでない。そして、両学科ではこのような入学者が多いために、日常の授業(教育)の実施にいろんな支障を来し、結果として、両学科における教育水準を落とすことになってしまっている。
 平成10年に農業経済学科から改組・発足した食料環境経済学科と新しく設置した生物企業情報学科の入学者のなかには、その学科の教育理念をよく理解できている者が少なく、「この学科なら受かるだろう」ということだけで、「何となく」受験し、合格した入学者が多い。一方で、両学科には、所定の入学者数を確保しなければならないため、上述の方針を緩めて適用せざるを得ないという問題がある。


 また、食料環境経済学科と生物企業情報学科は夜間主コースを併置しているが、ここでの入学者の学習能力と学習意欲の水準は相当に低い。そして、これら夜間主コースの学生が昼間主コースの授業を受けるために、昼間主コースの授業の実施にいろいろな支障を来しているという問題がある。この夜間主コースを「本学における最後の受験機会」ととらえて受験し、低い水準で合格した入学者がほとんどであるからである。一方、この夜間主コースは働きながら勉学するという社会人にその機会を与えようとしたものである。このような社会人入学者は少ないが、勉学意欲と問題意識をしっかりもっている。

【将来の改善・改革に向けた方策】
 第1番目は、本学部(3学科)の教育・研究の理念、めざす人材像、教育の体系と方法などについて真剣に再検討して新たな方向を打ち出し、これを明瞭・簡潔に、高校関係者や受験志望者にとって理解しやすく表現して発信することである。本学部(3学科)はこのための一連の作業を平成16年3月にすでに完了している。国際食料情報学部改革戦略策定委員会から2年間にわたる綿密な議論の結果を答申『国際食料情報学部における教育と研究の持続的発展に向けた改革の具体的方向』として受け、これにもとづいて種々の改革を教授会・理事会で決定し、文部科学省への手続きもすでに終えて、平成17年度から新たな方向で出発することになっている。このための作業もすでに着実に進めている。
 改革の方向の柱は既に「学部等の理念・目的・教育目標」で述べた通りである。

 

 第2番目は、以上の新たな方向を明瞭・簡潔な方法で高校関係者や受験志望者に発信することである。本学部(3学科)はこのための種々の魅力的な「案内」資料(学部パンフレット)を作成して高校に配布すると同時に、出張講義、オープンキャンパス、収穫祭などの際に広く配布している。関係者からは高い評価を得ている。

 

 第3番目は、推薦入試にあたっての面接の方法を全面的に再検討することである。3学科ともこのことを重視してすでに取り組んでいる。

 第4番目は、本学部(3学科)にとって「足もと」にある併設高校(3校)に対して、本学部に対する間違いのない理解を促進することである。このために、既に学部長会で進路指導教員(高校)と会議を持ってきたが、さらに本学部関係者が校長会や進路担当者会などに出向き直接に説明し、理解と協力を求めることとする。

 

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