序章
自己点検・評価に当たって
終章
あとがき
第三者評価結果
〔農学研究科〕 【現状】 本研究科における研究領域は、農学・生物学分野全般の根幹に係わる基礎的研究から先端研究にわたるものである。したがって大学院課程における教育研究は急速に発達する科学技術に即応するものでなければならない。各専攻にあっては、その担当する研分野の独自性や特性を反映しつつ幅広い視点に立って教育目標を定め、それらの目標を実現すべくカリキュラムを編成して大学院学生が最新の知識を修得できるようにするとともに、社会の要請に適合する研究課題を選択して具体的な成果があげられるように研究指導を行っている。 博士前期課程においては、幅広い視野の下で最新の専門的知識を身に付け、社会において大きく貢献できる人材の育成を目指しており、そのための教育研究指導がどの程度効果をあげているかは、講義中に行われる学生との会話とともに、実験や各研究室のセミナーにおける教育研究指導を通して評価されている。各専攻では研究状況の中間発表会や修士論文発表会を通してその評価を行っている。 博士後期課程においては、自立して研究し、技術開発を行う能力を修得深化させることを目指しており、研究室や専攻内での研究発表はもちろんのこと、学会や研究集会での発表と論文発表を通じて外部からの評価を受ける。 学会等での発表状況は海外での発表を含め、博士前期課程で平成13年度99件、平成14年度185件、平成15年度198件、博士後期課程で平成13年度71件、平成14年度73件、平成15年度87件である。本研究科全体では3分の1程度の学生が学会等で発表を行っている。
大学院生の国内外学科での活動状況(80KB)
【点検・評価 長所と問題点】 大学院教育は、学部教育と異なり少人数で個々人を相手にした教育方法が採られていることから、成績を評価するというような概念は、かみ合わない。博士前期課程にあっては、専修する特論およびその特論演習、所属する研究室のセミナーなどで1年次に中間発表会を行い、2年次には修士論文発表会を行って研究成果を評価している。学生に対する教育研究指導の効果は、これらの発表の準備や緊密な交流を通じて評価される。各専攻とも学生数は概ね充足しており、指導体制も十分に整備されていることから、学生の意識に応じて教育指導方法を点検し即応することができる。 博士後期課程においては、研究室単位のセミナーに加えて研究集会や学会での発表、確実に博士学位を取得させるべく指導を行っている。また、学生は、独立した研究者としての最初の一歩を踏み出した段階にある存在であり、指導教員は教育や研究指導を通じてこれを積極的に後押しすべき存在である。このため、原則として教員と学生は日常的に密な接触を保って情報交換等を行い、そのような環境の中で教育・研究指導の効果を測定し、当該学生の研究者としての可能性の大きさを育成・評価していくべきである。このことに関しては、単に客観的な試験だけでは判定できない部分も多く、教員側の長年の経験等から判定を下さざるを得ない部分も多い。従って、教員と学生の組み合わせごとに状況は異なり、一概に効果測定手法の適切性を論ずることは困難であり、長年の経験から培われてきた各専攻の方法は、それなりに評価できる。
【将来の改善・改革に向けた方策】 本研究科における大学院教育は、学部教育と異なり少人数で個々人を相手にした教育方法が採られていることから、成績を評価するというような概念は、かみ合わないとしながらも、近年では大学院進学者の質が以前と異なって来つつあり、単に学歴を積み重ねるためだけに在学する者も増加しつつあるように見受けられる。このような学生については、研究指導面では個々のテーマ等によって指導の効果の現れ方が異なるため一律の評価を行うことは困難と考えられるが、講義等での教育効果に関しては、学部学生レベルで行われるような客観的試験によってこれを測定し、学生として必要と考えられる知識レベルの獲得を促す手法を取って行かざるを得ない可能性もある。各専攻の研究室は、独自の教育目標と方針を持っているため、学生の意識や価値観の変化を踏まえた教育研究指導方法に改善することが難しい状況もある。これを回避するために専攻を通じて指導方法改善に向かって協力する体制を構築する。
修士課程・博士課程修了者(修業年限満期退学者を含む)の進路状況(70KB)