・授業形態と授業方法の適切性、妥当性とその教育指導上の有効性
〔国際食料情報学部〕
【現状】
本学部の教育・研究の目標は、既に述べたが、この目標のためには (1)直ちに従事できる、(2)高い教養的・専門的能力を備えた人材を育成することである。したがって、本学部はカリキュラム等教育体系において「実学主義」と人格教育を重視している。要約すると、次の6点である。
(1)講義のほかに実験、実習、演習を重視する。
(2)講義による授業は、教養的科目と専門的科目の両方においてテキストや配付資料に工夫を凝らし、OHPやパソコン・プロジェクターを使って、学生にとって理解しやすい方法の採用に努めている。
(3)農場・農家・海外での実習を強化し、講義による授業を補完すると同時に、実学と人格形成に役立てている。
(4)入学1年次からいずれかの教員のゼミに所属して演習を実施し、講義による授業を補完すると同時に、実学と人格形成、生活管理に役立てている。
(5)外国語の授業を重視し、英語のほか多くの外国語を対象として、能力別授業を実施している。
(6)卒業論文を重視し、問題発見能力と問題解決能力、文章表現能力の向上に努めている。
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【点検・評価 長所と問題点】
大人数の講義による授業は、教員はテキストや配付資料に相当の工夫を凝らしているものの、受講学生の受講動機が必ずしも適正でないことと全部の学生に教員の目がゆきわたらないため、授業にしばしば種々の、重大な支障を来している。
また、少人数規模の実験、実習、演習による授業は、教員が学生に直接に語りかけることからその授業効果は大きく、学生の満足度も高い。ただし、国際農業開発学科等は実験室の面積が小さく、農場への移動が難しいことが問題である。
食料環境経済学科と生物企業情報学科では、昼間主コースと夜間主コースがあるため、教員の授業負担が相当に大きいことが問題である。
さらに、外国語授業は、能力別授業を実施しているものの、高校時における基礎学力が低いため、本学部2年間の進度はどうしても遅くなる。
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【将来の改善・改革に向けた方策】
本学部は平成16年1月に、国際食料情報学部改革戦略策定委員会から2年間にわたる綿密な議論の結果を答申『国際食料情報学部における教育と研究の持続的発展に向けた改革の具体的方向』として受け、これにもとづいて種々の改革を教授会・理事会で決定し、文部科学省への手続きもすでに終えて、平成17年度から新たな方向で出発することになっている。このための作業もすでに着実に進めている。このなかで、授業の形態と方法については、(1)学科における「コース制」の採用、(2)「少人数規模教育」の実現、(3)カリキュラムの再編、(4)夜間主の廃止と「フレックス型」授業の導入などを柱に、今後の方向を明確に示している。従来に比べて、大幅な改革・改善が見込まれる。
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