東京農業大学

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自己点検・評価

序章

自己点検・評価に当たって

第01章 理念・目的・目標
第02章 教育研究組織
第03章 教育内容方法等
第04章 学生の受け入れ
第05章 教員組織
第06章 研究活動環境
第07章 施設・設備等
第08章 図書館
第09章 社会貢献
第10章 学生生活
第11章 管理運営
第12章 財務
第13章 事務組織
第14章 自己点検・評価
第15章 公開・説明責任

終章

  あとがき

第三者評価結果

・国際化への対応と国際交流の推進に関する基本方針の適切性

【現状】
 本項目は、全学部共通項目である。
 本学の国際化への対応は下記の基本理念と学長の命を受けた国際交流センター長が2つの事務セクションと全学審議会国際交流委員会を統括することによって、全学的体制で取組んでいる。


(1)基本理念(2つのキーワード)
「多国間国際化」
 20世紀末までの本学の国際化を便宜的に、姉妹校交流を中心とした「二国間国際化」とすれば、21世紀の本学の国際化は、二国間交流を継続深化させるだけでなく、「多国間国際化」を目標に推進すべきと考える。「多国間国際化」とは、研究交流・高等教育の分野において日本を代表する生物系総合大学として本学は、より積極的な国際活動を展開し、世界のオピニオンリーダーの一角を担うことである。今日まで培ってきた大学間協力の実績を踏まえて、第3者機関(大学・研究所)への拡大を推進したい。たとえば世界農業系大学コンソーシアムへの参加や姉妹校横断型の研究・学生交流にリーダーシップを発揮することが重要と思われる。

「普段着の国際交流」
 「普段着の国際交流」とは、歴史、文化、生活の実情を踏まえた交流で、「多文化交流」とも呼べる内容の付き合いを指している。我が国を訪問する外国人研究者・学生に対し、日本あるいは本学の真の姿を理解してもらうために、形式主義に陥らぬような自然体の交流内容を蓄積していきたい。良し悪し両面を知り合うことが、本当の相互理解になると思われる。時代はボーダレス化が進んでいるが、政治・社会システムに関して、国境は厳然と存在している。互いの文化社会システムを正面から理解し尊重し合うことが、国際協調の第一歩と思われるので、日本は日本文化を基調にした国際交流を展開すべきと考える。この推進のために学外の関連機関(団体)連携を模索する。


(2)国際交流担当組織
 本学の国際交流を担当する部署は平成15年度まで国際交流センターであり、研究交流、学生交流、外国人留学生支援に関する諸事業を行っていた。しかし、平成16年度の事務組織改組に合わせて、全学審議会に国際交流委員会を置き、全学的に国際交流を推進する機関とした上で、研究交流(受入推進)、海外コンサルタント事業(JICA、JBIC、ADBなどの事業参加)、東南アジア諸国連合大学コンソーシアムSEARCA-UCの加盟などを担当する総合研究所国際協力部と、外国人留学生支援、学生交流(派遣・受入推進)、世界学生フォーラム(世界学生サミット)などを担当する学生サービスセンター国際教育支援課を設置した。


 国際交流センター長は、学長又は副学長の命を受け、総合研究所国際協力部及び学生サービスセンター国際教育支援課と連携し、国際交流に関する事項を統括する。
 国際交流委員会は国際交流センター長が委員長となり、国際交流に関する姉妹校協定や研究交流協定など基礎事項を審議し、交流事業運営に必要な事項は国際交流関係部会を設け実施することとした。部会は4つに分かれ、国際交流委員会委員長または副委員長が部会長となり、次のような役割とした。


 姉妹校交流・海外実習部会は、姉妹校との交流事業(長期留学生の派遣・受入、姉妹校短期派遣・受入、世界学生フォーラム及び世界学生サミット、海外農業実習(アメリカ農業実習を含む)を中心に審議する。また、この部会のメンバーを中心に世界学生フォーラム組織委員会として別に組織し、世界学生フォーラムの学生メンバーの指導や世界学生サミットの実施をすることとした。
 外国人留学生部会は、外国人留学生に関することを審議することとし、特に、外国人留学生対象の奨学金について審議する。
 研究交流部会は、研究交流に関することを審議する部会とし、特に、本学教職員の依命留学、特別研究期間制度の選考を全学的に行う。
 国際協力部会は、教育・学術にかかわる国や他公益機関との国際協力事業に関することを審議する。

 

【点検・評価 長所と問題点】
 本学の国際交流は姉妹校を中心に行われてきている。本学は一国一大学主義を堅持し、名目だけの協力提携を避け、実質的に交流できる各地域を代表する名門農学系大学と提携している。それでも、平成16年12月現在、姉妹校は18校を数え、アジア9カ国・地域、南北アメリカ5カ国、ヨーロッパ3カ国、中近東1カ国と着実に範囲を広げてきた。学生・教員を研修に送り出すだけでなく、本学の教職員・学生が積極的にこれら大学からの訪問団を受入れ、活発な交流を行っている。オホーツクキャンパスでは独自にロシア農業科学アカデミー極東サハリン農業科学研究所と共同研究を推進するなど、それぞれの学部独自で国際研究を推進できるようになっている。また、GCHERA、SEARCA、AAACUなどの高等教育機関連合に参加し、積極的に存在をアピールするだけでなく、わが国を代表する農学系大学として世界の平和と繁栄に貢献している。


 また、新世紀の食と農と環境を考える世界学生サミットを毎年本学世田谷キャンパスで開催し、厚木・オホーツク両キャンパスに同時にマルチメディア中継している。これは本学が中心になって、世界のオピニオンリーダーの育成を姉妹校間の連携によって推進している好例である。この世界学生サミットは姉妹校の学生・教員が一堂に会する機会で平成16年11月25・26日に第4回目のサミットを開催した。
 大学内の国際交流の機会の増大、教職員・学生の派遣、外国人留学生の帰国後の活躍など、それぞれが「多国間国際化」と「普段着の国際交流」の基本理念に向けた実施形態となっている。
 国際交流の推進で大きな問題は費用の増大、一部担当教職員の負担増である。国際交流に費用増大はつきものであるが、充分な外部資金の導入が必要である。例えば世界学生サミット実施に当たり、文部科学省の平成15年度特色ある大学教育支援プログラム(GP)で費用の一部補助、国際会議として事業費の半額補助など外部資金の導入を図っているが、全体的には不充分である。加えて、担当部署の人員の不足と全体では国際交流担当教職員のみが実施すればよいという風潮がある。


 その他に、学生と教職員の語学力も問題である。国際交流では共通語として英語を使用することになるが、本学の学生・教職員の語学力は低いといわざるを得ない。例えば、国際会議を本学主催で行うときは同時通訳を入れなければならない。また、国際会議や交流の場面に参加する者は語学力が低いため、特定の者に偏りやすい。多少の低い語学力であってもコミュニケーションが図れるので機会を増大し、場慣れさせる必要がある。
 また、国際交流を推進するには情報の発信が不可欠であり、今日ではインターネットのホームページが主要手段となっている。しかし、本学のホームページは広報部主管となっており、そこでは日本語ホームページで手一杯であり、英文ホームページの更新、内容の充実化が遅延している。

 

【将来の改善・改革に向けた方策】
 国際化推進において事業費が最大の問題である。大学からの予算増が見込めない状況下では、外部資金・補助金の導入増大を図る以外に方法はない。外部資金の導入はまだ緒についたばかりであり、一層の努力をしている。
 姉妹校が増大し、交流プログラムが増加することにより担当教職員の負担増大が起こっている。業務増大の解決は大学内の人員配置の見直しが必要であり、語学力不足は語学力のある教職員の採用を計ることと現在の教職員に対する再教育を検討している。教職員の留学の機会増大と海外への短期派遣機会の増大により、海外事情の理解深化と会話力の改善が見込まれる。


 学生に関しては、国際交流機会の増大と語学力改善のための語学プログラムの充実も検討している。本学は学内に23カ国・地域から外国人留学生が来ているので、日本人学生と外国人留学生との交流会を持つことにより、日本人学生の海外事情理解の増加、語学力の改善が見込まれ、外国人留学生は日本語、日本文化理解の深化が期待できる。現在は世界学生サミットと世界学生フォーラムの参加及び世田谷キャンパスで開催する年1回の外国人留学生懇談会がこれに相当しているが、懇談会回数の増加と一般学生に対する世界学生フォーラムの周知徹底により、機会の増大に努めている。語学プログラムの充実は多国言語講座の開設、英語関係カリキュラムの増加を図る必要がある。
 英文ホームページに関しては、全学審議会国際交流委員会に「英文ホームページ部会」(仮称)を増設して、緊急に対応したいが、予算措置も必要となる。

 

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