序章
自己点検・評価に当たって
終章
あとがき
第三者評価結果
〔生物産業学研究科〕 【現状】 本学の建学精神である実学主義に基づいて、自然科学と社会科学が総合化された総合的先端科学としての「生物産業学」の理論及び応用を教授・研究し奥義を窮めることを使命とし、広い学問領域の知識をもつ研究水準の高い後継の研究者養成および創造的人材を社会に輩出する教育を行うことを理念としている。本大学の実学主義とは、社会の現実を直視した実証研究を基盤にもち、諸改革を提案できる実用的で実際的な学問のあり方を意味する。とくに、大学全体が真剣に取り組んでいる21世紀の重要課題は食料、環境、健康、資源エネルギーの全てに亘り、基礎科学から応用科学、さらには具体的な技術にいたる広範な分野の研究と教育、そして実社会に目に見える貢献としての人材育成である。
本研究科は、生物産業学部設置後5年目の平成5年に修士課程、平成7年年に修士課程を博士前期課程と改め、博士後期課程が設置され1研究科1専攻とする本研究科の体制ができた。教育体制は、学部3学科の研究室を横断する4つの研究分野、すなわち生物資源生産学分野、生物資源利用学分野および経営経済学分野を設置している。本研究科が目標とする生物産業学は、学部の共通基盤である生物産業学の上に立ち農業、林業、畜産業、水産業並びに食品産業、木材加工業、それら全てにかかわる流通産業、情報通信などを包含する学問分野を、学問体系上分けられた生物系および経営経済系が個々に究めるのではなく、相互に補完的立場に立って究明する、幅広くかつ先端的な生物産業学、すなわち「実学」を目指している。
【点検・評価 長所と問題点】 本研究科の理念にそった実学教育の充実を図るべく、地域に密接させた地域グループ型研究を通した実践教育の導入、また、研究者養成教育のためのみでなく、学生のニーズの多様化への対応、高度職業人養成のための知識・技術の拡大を目的に平成13年度から公立研究所と、平成16年度には(独)農業・生物系特定産業技術機構との連携大学院方式による教育研究法を取り入れるなど積極的な取り組みをしている。地域グループ型研究方式による研究教育は、徐々にその成果が上がっている。現在、連携大学院方式による教育研究では生物系の2研究室が実施している。問題としては、実施してからの年数が浅いため研究室間の連携が主で、本研究科の理念を遂行するためには、専門分野のみの自閉した教育研究に陥らないように、生物系分野と経営経済系分野の連携へと規模を拡大していく必要がある。
【将来の改善・改革に向けた方策】 さらなる教育水準の向上と世界をリードする創造的人材の育成、個性輝く大学院の研究・教育の拠点づくりを推進するための見直しが必要である。とくに、研究の拠点としては、一層の国際、地域社会への貢献をするため、グローバルな人材養成を組織的・効果的に展開し、食・農・環境に関する実践的リーダーを育成することも要請されている。