【点検・評価 長所と問題点】
本学部は平成元年に、地域に密着した教育のもとに、地域産業の発展と地域文化の向上に寄与する技術者および経営者を養成することを目的として設置され、完成年度を終えた平成5年度に設置以来派生してきた問題点をチェックし、教育目標とカリキュラムの見直しを行っている。また、この時、平成3年度に施行された大学設置基準の一部改正を受けて、教養課程の廃止など教育組織の改正もおこなっており、時代の要請に即応できる体制を整えた。しかし、社会・経済環境の変化は急速に進み、高校生のニーズの変化、基礎学力の低下、18才人口の減少など大学教育を取り巻く環境は極めて厳しい状況になってきたのを受けて、平成14年度に改めて学部・学科の教育理念・目的を見直し、新しいニーズに適応出来るように、カリキュラムの大幅な改正を行った。現在、受験生の確保、就職状況共に厳しい状況ながら、おおむね順調に推移しており、教育目標はほぼ達成されていると思われる。
本学部が立地する網走管内は我が国における農林漁業・加工業の最大の拠点であり、その隣接地には知床をはじめとした雄大な自然が横たわっている。この恵まれた環境は全て生物産業学の教育研究のフィールドであり、我々が掲げている教育理念・目標を達成する為には正に絶好の地と言える。地元の農業、畜業産、水産業に密着した体験実習は学生を感動させ、モチベーションを高め、キャンパスライフを豊かにしている。一方で、自然環境を対象とした教育研究は充分とは言えない状況にあり、これを強化する為の将来計画が求められている。
生物産業学は、生物産業に係わる生産、加工、流通、経営を取り巻く自然的・社会経済的環境を研究対象とする総合的学問であると位置付けており、これを学ぶために文理融合の教育体系を取っている。しかし、この方法は生物産業に係わる幅広い知識を習得できる反面、専門技術者としての力量が低くなる恐れがある。技術者を目指す学生を対象として免許取得コースなどの充実が課題となっている。
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