【将来の改善・改革に向けた方策】
以上のようなことから、本学における改善事項と改革の課題は、次のように整理できる。入学希望人口減少の時代を迎えて、東京農業大学は、その適正規模を十分検討して、入学者受け入れと、十分な教育、そして人材養成を目指すべきである。
現在、学士課程として5学部、準学士課程として短期大学部を有するが、この中で短期大学部については、遠からず再編の必要性が浮かび上がると想定し、これを新しい学士課程の学部とするか、あるいは既存の学部に吸収する形をとるかについては、重要な将来改革の一つであると考え、現在、学内委員会で具体的方向についての検討をしている。
また、既存の学部についても、東京農業大学全体の教育研究範囲の充実のため、あるいは、当該学部の進化のため、再編を検討する時期に来ていると認識している。すでに、厚木キャンパスの農学部とオホーツクキャンパスの生物産業学部については、高度教育研究機関としての魅力をより高めることを目標に、全学審議会の中に学部再編委員会を設け、新学科増設を含め検討を進めているところである。具体的には、オホーツクキャンパスの場合、生物系総合大学としての東京農業大学の研究教育領域の完全化を目指して、水圏・水産系の新学科増設の準備をしている。また、厚木キャンパスの農学部については、旧来の生産農学を生活農学にまで広げることを目標に、生物セラピー系の新学科増設を準備している。
また、地域環境科学部を構成する森林総合科学科、生産環境工学科、造園科学科は、いずれもその教育研究内容にエンジニアリング教育の比重が高い。このことから、当学部の3学科はJABEE認定校の手続きを進めている。生産環境工学科は、平成15年に試行をし、平成16年に認定校となり、造園科学科は、平成15年の試行で、平成16年の本申請である。そして、森林総合科学科は、現在試行に向けて準備中である。
応用生物科学部にあっては、構成学科の学問的性格から先端的科学研究が中軸であるため、大学院教育までを希望する学生が大変多い。そこで、受け入れ大学院の充実を図り、学部・大学院の連携教育プログラム開発を早急に実施する計画を進めている。
国際食料情報学部は、国際と情報を武器に食料問題の解決に寄与する使命を持っている。生物系総合大学にあって、文型志向の入学者も多く集まる学部であることから、語学教育や海外体験等を充実させ、かつ外国人学生を多く抱える特性を活かした教育研究の活性化を図っている。
以上、総じて東京農業大学が掲げる、大学の理念、目的、教育目標とそれに伴う人材養成等の目的・達成状況は、適切な対応がとられており、しかも、これらの点検・評価の結果として、改善や改革の方向を把握できている。
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