ツキノワグマの独り立ち
国立大学法人東京農工大学大学院農学府 修士課程学生 高山楓(当時)、同大学院グローバルイノベーション研究院の小池伸介教授、長沼知子特任助教(当時、現 農研機構)、同大学院連合農学研究科 博士課程学生 稲垣亜希乃、栃木香帆子、ノルウェー南東部大学(兼任 元東京農工大学大学院グローバルイノベーション研究院・特任准教授)のAndreas Zedrosser教授、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所東北支所の大西尚樹動物生態遺伝担当チーム長、群馬県自然史博物館の姉崎智子主幹(学芸員)、東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科の山﨑晃司教授らの国際共同研究チームは、計550頭(オス378頭、メス172頭)の遺伝情報と年齢情報に基づいて、世界で初めてツキノワグマにおける出生地(注1)からの分散(注2)距離と、分散を行う時期を明らかにしました。その結果、平均分散距離はオスの17.4kmに対し、メスは4.8kmと短いことが分かりました。また、オスは3歳になるまでにほとんどの個体が出生地を離れることも分かりました。一方、メスは成長しても出生地周辺にとどまることで、比較的狭い範囲において遺伝的に関係の近い、母系の集団が維持されていることが示唆されました。
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