東京農業大学

メニュー

学校法人 東京農業大学

新・実学ジャーナル 2025年12月号

東京農業大学第二高等学校・中等部

社会で活躍できる人材育成を目指し、コース再編へ

2023年4月に中等部が開設され、2025年で完成年度を迎えた東京農業大学第二高等学校・中等部。(以下、農大二高、農大二中)
中等部1期生が高校へ入学する2026年4月から農大二高はコース再編を行います。
12月号では新コースの概要だけでなく、再編に至った経緯などについて農大二高・農大二中 加藤校長にお話しを伺いました。

―コース再編の概要を教えてください。

2023年4月に創設された中等部の生徒が2026年4月に農大二高へ進学することから、新たに内部進学生を対象とした収容定員70名の「一貫コース」を新設します。従来設置していた4コースについては、グローバルコース(Gコース)をグローバル・アントレプレナーシップコース(GEコース)と名称を改め、30名のコース定員とし、さらに、Ⅰコース定員を120名から105名、Ⅱコース定員を260名から210名、Ⅲコース定員を120名から105名とそれぞれのコースのコース定員を下記のように変更して募集を行います。Ⅱコースについては、発展クラスと標準クラスを統合し、Ⅱコースとして一本化する予定です。

―これまでのコースとの違いや特徴はどこでしょうか。

GコースはGEコースと名称を改め、これまで推進していたグローバル教育と英語活用能力の育成に加え、アントレプレナーシップ教育を取り入れます。社会課題の解決を目指し、生徒自ら課題を設定し、情報の収集や分析を行い、解決策をビジネスプランとして提案する活動を推進します。従来の1年間の海外留学とは別に、ベトナム研修やシリコンバレー研修など複数の短期留学を可能にし、1年留学班と短期留学班に分けて指導を行います。

また、一貫コースについてはアントレプレナーシップ教育を中等部3年生から開始しており、Ⅰコースを含めた形でアントレプレナーシップ教育を展開します。Ⅱコース、Ⅲコースについてはグローバル教育やICT教育を深化させ、特にDXハイスクールとしての特徴を生かしたデータサイエンスなどの活動を推進する予定です。さらに、すべてのコースの教育課程を見直し、理系人材の育成や情報教育の充実を目指し、数学や情報などの単位を増加させました。

―どのようなニーズを踏まえて再編に踏み切ったのでしょうか。

予測困難な社会を生き抜く力として、課題発見・課題解決能力の養成が重要であると考えます。さらにグローバル社会での活躍の場を広げるという観点も必要です。そのためには、基礎技能として、英語運用力の養成やプログラミング言語の習得を行い、道具としてそれらの言語を自由に活用できることが大切であると考えます。

アントレプレナーシップ教育は単に起業家を目指すことではなく、様々な活動を通じて生徒たちが課題解決の基本姿勢を身に付けてくれることを狙いとします。また、東京情報大学との連携を深め、DXハイスクールとしてデータ収集力や活用力、メディアデザインなどの学習を進め、高度情報化社会におけるリーダー養成に注力します。

フィリピン社会課題研修(サイズ変更)v3.JPG

フィリピン社会課題研修

ロボテックプログラミング(ライントレースロボ).JPG

ロボテックプログラミング(ライントレースロボ)

―コース再編によって作られる学校の新しい魅力について教えてください。

学習指導の充実・進学実績の向上・クラブ活動の推進などに加え、グローバル教育、ICT教育、アントレプレナーシップ教育、そして、東京農業大学との連携による理科教育など、生徒の「やれること」の選択肢が多岐にわたることが本校の魅力です。

総合的な探究の時間は、各コースの状況を踏まえてコースごとに活動内容が計画されますが、協働して取り組む場面を多く作ることにより、各コースがお互いに刺激し合えるような環境を整えます。各コースの特色を明確化し、それぞれのコースが切磋琢磨しながら並走することにより、多様性のある人材育成が可能となります。

-NIA 探究学習発表会-
NIA:Noni Innovation Awardの略
農大二高卒業生が関係する企業や行政がそれぞれ抱える課題やテーマを生徒に提示し、各課題に対してグループごとに解決策などを考案して、5 分間の制限時間の中でプレゼンテーションする企画です。

―生徒たちにはどのような生活を送ってほしいとお考えですか。

日頃の学習やクラブ活動に加えて各自の選択により、フィールドラーニング、オホーツク自然観察、富士農場実習、ロス研修やフィリピン研修、オーストラリアスタディツアーなどにも参加が可能です。高校時代の経験は、豊かな人格形成に寄与するだけでなく、将来のキャリア形成にも役立ちます。生徒の皆さんには、積極的に様々な活動へチャレンジしてもらいたいと考えています。そのことにより、学びに向かう力が醸成されれば、その力は今後の人生の大きなアドバンテージとなるはずです。

世界学生サミット.JPG

「食と農と環境を考える世界学生サミット」での発表

富士農場実習.JPG

富士農場(静岡県富士宮市)での実習

―最後に受験生や今後、農大二高・農大二中を目指す皆さんへメッセージをお願いします。

農大二高・農大二中は体験的な授業を重視しています。質が高く、楽しいと感じられる体験的な活動を通じて、数値では表せない非認知能力(集中力、協働する力、表現力、粘り強さなど)が養成されます。本校でのすべての活動を通じて知的好奇心が刺激され、一生をかけて取り組みたいと思える課題に出会えるかもしれません。一人ひとりの生徒の潜在的な力が開花し、その力がやがて社会全体の福祉に役立つことを期待しています。「やりたいことができる」「やりたいことが見つかる」学校として農大二高・農大二中はさらに力強く歩みを進めます。

今回お話しを伺った先生
東京農業大学第二高等学校・同中等部校長
加藤 秀隆(かとう ひでたか)

ページの先頭へ