a. 国土に存在する水資源の形態や流域的水循環システムの特性を各地域の事例をもとに検討する。その中で、地域と融和した水利用技術、水田が存在することによる洪水緩和や河川ならびに湖沼の水質保全、河川流水の安定化、水生生物の生息保全などといった水環境保全にかかわる諸機能について現地調査や実験を通して定量的に研究するものである。
b. 土壌侵食による土地の荒廃化、砂漠化は世界規模で進行しており、重大な環境問題の一つである。日本国内においても土壌侵食によって窒素やリンなどの富栄養化成分が表面流出し、河川や湖沼などの陸水圏の水質汚濁を生じている。そのため土壌侵食の機構解明と共に、工学的および化学的処理による有効な水環境保全対策の確立に取り組んでいる。