チャピンゴ自治大学長期留学 第一回 報告書

 

国際農業開発学科3年

小川 恵

 

8月13日、アエロメヒコ航空の直行便でメキシコに入国しました。直行便といっても途中、燃料補給の為にティファナで一旦降り入国審査を受け、燃料補給が完了した後にメキシコシティの空港に向かいます。通常なら日本からメキシコシティまで直行便で約15時間掛るそうですが、今回は3時間遅延で到着しました。メキシコでは遅延はよくあるそうです。

到着後はメキシコの移民局に行き現住所の登録をしなければなりません。その際、書類を書くのですが、FM3(学生ビザ)を改めて確認したところ、日付が2か所間違っていることに気がつきました。メキシコには入国することが出来ましたが出国の際、万が一ということもあるので、在日メキシコ大使館にビザを送り返し訂正してもらうという、とんだ災難に遭いました。私もしっかりと確認しなかったことを反省しましたが、今後このようなミスは起こって欲しくないものです。

 

メキシコの気候ですが、北半球にあるので暑い時期・寒い時期とも日本とほぼ同じで、6〜9月が雨季、10〜5月が乾季となります。夕方に突然激しい雨が降るということもしばしばあります。雨が降っても現地の人は慣れているせいか傘をあまり差していません。また標高が高い為、朝晩の気温差がとても激しく、温度調節が少し大変です。昼間は半袖で過ごせますが、紫外線が強いので私は長袖を羽織るようにしています。朝晩は基本的に長袖を着ています。また、湿度は低くとても乾燥しているので水分補給が大切です。

チャピンゴ大学はメキシコ州にあり、メキシコシティから車で約1時間、比較的田舎な場所に位置しているのでキャンパスは広大です。留学生はスペイン語圏(スペインや中南米など)からが多く、アジア系・日本人留学生は私のみだそうです。やはり珍しいのか、キャンパスや街で話し掛けられることも少なくありません。

 

こちらでは大学の近くの寮に住んでいて(といっても寮から教室まで徒歩15分)、私の寮は外国人留学生が住む特別な所です。一棟につき3部屋、トイレ・シャワー、キッチンがあります。8月末までモロッコ人がいましたが、現在は私1人で住んでいます。キッチンがあるので、お昼は食堂でとり、朝晩は自炊をしています。寮には洗濯機がないので洗濯物は近くのコインランドリーに出しています。学生証の発行などの各種手続きは、Departamento de intercambio academico y asuntos internacionales国際支援課)のアドバイザーAngelica先生にお世話になっています。語学力不足な私に親切にしていただいています。私は昨年、短期研修プログラムでチャピンゴ大学に来ていたので、ある程度建物は知っていましたが、今回の長期留学で来て間もない頃は、手続きの為に様々な部署に行かなければならなかったので、目的地に到着するまで迷ったりして相当時間が掛りました。

 

 私はParasitología Agrícola(農業寄生虫学)という学科で授業を受けています。主に農業昆虫学、植物病理学(カビ・ウイルス)、農薬等を扱う学科です。ここには、昔日本の大学に留学した経験があり、日本人妻を持つ先生がいらっしゃいます。日本語を話すので非常に頼もしい先生です。

チャピンゴ大学では農学、畜産、経済学科をはじめ、農業工学科、農村社会学科、土壌学科、植物学科・・・等々、セクションが細かく分かれています。今学期はEntomología Agrícola(農業昆虫学)の授業を1コマ聴講しており、この授業は1コマ90分・週2回あります。出席している学生達はとても真面目で、授業中に居眠りする生徒は一人もいません。授業に対する意欲が高く、わからないことがあれば授業中、積極的に先生へ質問をします。本来ならこれが当たり前の光景であり日本の授業では“ただ聞いていた”自分に少し情けなさを感じました。

チャピンゴ大学にはスペイン語の授業がありません。ですから、Centro de idiomas(語学センター)でチャピンゴの英語教師であり日本語クラスを受講している先生から週4回、スペイン語を教わっています。この授業は私1人だけなので、わからなければ全て質問が出来ます。先生もとても気さくな方で、スペイン語の説明で理解できない時は、英語でわかりやすく教えてくださります。授業後は、20:0021:00までダンスクラスに友達と参加しています。ラテンダンスは全くの素人ですが、先生や友達は親切に教えてくれます。1時間踊り続けるとたくさん汗をかくので良い運動となっています。

語学力不足の為、授業や日常会話でも辞書が手放せません。日常会話も覚束ない私に友達は解りやすいように話しかけてくれ、週末は買い物に付き合ってもらったり、市場、サッカー観戦など誘ってもらいます。今月に誕生日を迎えましたが、その時も盛大に祝って頂き一生忘れないであろう思い出となりました。友達に感謝する気持ちと共に、早く喋れるようにならなければというスペイン語の意欲が湧いています。メキシコに来てからの1ヵ月は、あっという間に過ぎ去ってしまったので、これから更に計画的に学習し、残りの留学生活が決して無駄にならないようにしていきたいと思います。

 

また、今回農大の短期研修プログラムの方々と3週間ほとんど一緒に行動していました。引率の先生をはじめ、10名の学生さんとは本当に毎日楽しく過ごすことができました。研修期間中、私が体調を崩してしまった時は看病や、心配していただき、逆にお世話になってしまったと思います。ありがとうございました。今後、体調管理には十分気を付けたいと思います。