第一回マレーシア留学報告書

農学部バイオセラピー学科3年

西宮 奈緒子

マレーシアに来てから、一ヶ月が経ちました。こちらに来てからの日々は、一日一日が長くゆっくりと感じられます。

 この一ヶ月間は、登録手続き・支払い・バスの乗り方・メインキャンパスへの行き方・施設の場所を覚えたり、沢山の人と出会って友達ができたり、知り合いが増えたりと、身の周りの環境を作るための期間だった様に思います。私は8月中旬に来たので、今学期の正規授業登録は出来ませんが、今週から一科目だけ聴講させて頂いています。講義以外では、ミニ・プロジェクトとしてドラゴンフルーツについて調査することになったので、大半の時間を大学内のフィールドで過ごしています。

マレーシアに着いたのは8月19日の深夜12時、真夜中でした。荷物を受け取り待合フロアに出ると、すぐにUPMのスタッフの方に会えました。車に乗ってUPMに向かう道の夜景はとても綺麗で、何となく東京よりも都会という印象を受けました。

 始めの2週間は登録や支払い・銀行口座を開くなど、事務的なことに追われました。大学は広過ぎて、どこがどこだか分らず、目的地に辿り着くまでに時間がかかりました。

 私が使っている寮は3年前に建ったばかりの新しい寮(写真@)で、本来は医学部・栄養学部の学生が使用しています。私は一人部屋ですが、キッチンやバスルームを共有するハウスメイトが4人いて、4人とも栄養士コース4年生のChinese Malayの女の子です(写真A)。彼女たちは、朝早くから夕方まで病院で働いていますが、帰って来ると色々な場所に連れて行ってくれたり、週末には実家に招いてくれたり、生活面でも精神面でも本当に支えてもらっています。彼女たちは中国人同士ではマンダリン語を使い、マレーシア人にはマレー語、外国人には英語を使います。更に、出身地によっては福建語・広東語などを喋ります。ここでは2・3ヶ国語を喋る人が多く、中国語を喋っていると思ったら、突然英語になったりするので面白いです。マレーシアはマレー系・中華系・インド系が住む多民族国家だということは知っていましたが、宗教も言葉も服装も違うのに、こうして一つの国で暮らしているのは日本とは違って、とても興味深いことです。

 食事は、夕食だけは寮にあるカフェテリアを利用しています。食べ物は辛い味付けが多いですが、マレー料理・中国料理・中東料理など様々な国の料理が売られています。一食RM1.604.00(51128)と日本と比べると安いですし、味もとても美味しいです。

夕方には、毎回違う場所でChinese night market(写真B)Malay night marketが開かれているのですが、店舗数も多く賑わっていて、歩いて見ているだけでも楽しいです。

 私は、ハウスメイトが中国人ということもあって、中国文化に触れている時間が長い気がします。9月14日にはMoon Cake Festivalという中国のお祭りがあり、大学内で開かれたcoming soon Moon Cake Festivalに参加しました。ランターンを灯して、Moon Cakeを食べてゲームをして、沢山の人と喋れたのは良かったと思います。彼女たちは、マレーシア生まれマレーシア育ちで中国に行ったことは一度もないそうですが、中国の言葉を喋って、中国のカレンダーを使って生活をしています。同じ様に、マレーシア人・インド人も独自のカレンダーに従って生活をしています。モスクのすぐ傍に中国人のお墓があったり、三民族とも新年の日にちが違っていたりと、とても不思議な環境だと思います。

 こちらに来てから、日本人だと言うと、日本のアニメが好きだと言ってくれる人が非常に多いです。日本のテクノロジーが好きだと言う人もいます。日本のアニメ・ドラマ・映画の影響で日本語を少しでも喋れる人が多く、日本のこともよく知っています。日本料理も日本のメーカーもあちこちで目にするので、日本が恋しくなることはないと思う程です。

 マレーシアの気候は、想像していた程暑くはなく、むしろ東京の夏より涼しく、過ごしやすいです。日中は確かに日差しも強く暑いですが、朝と夕方は風も吹いて肌寒く感じます(こんなに涼しいのは大学や寮の周りに植物が多いせいで、都心や住宅街は涼しくないそうですが…)。ここに来る前は、もっとマレーシアと日本は違うのかと思っていました。しかし実際は、似ている部分が多いと思います。どことなく日本の風景と重なる部分があったり、食べ物も似ている物があったり、そういう発見がとても面白いです。

私はこちらでは農学部に所属していますが、お世話になっているsupervisorはマレーシア人で、本当に親切な方です。農業関係の祭典に連れて行ってくれたり、色々な方を紹介してくれたり、生活面でも色々と心配して下さいます。プロジェクトに関しても、私が動きやすいようにサポートして下さるので本当に心強いです。

マレーシアに来てまだ一カ月ですが、本当に沢山の人に支えてもらっての一ヶ月でした。道が分からなくて尋ねたら、授業があるのに場所まで案内してくれた人。乗るバスが分からなくて尋ねたら、降りた後も声をかけて来てくれた人。具合が悪くなった時、その日に知り合ったばかりなのに介抱してくれた人。先生方や友達。とにかく沢山の人の優しさに、心から感謝する毎日でした。

 マレーシアでの留学生活は、良い意味でも悪い意味でも想像していたものと違うこともありますが、色んなタイミングが合わさっての今なのだと、つくづく実感します。周りの人への感謝の気持ちだけは忘れずに、日本で送り出してくれた家族や友達に、お土産話を沢山持って帰れるように、この留学を充実させられたらと思います。まだまだ始まったばかりですが、この機会を与えて下さった両親・大学関係者の皆様に感謝して、第一回マレーシア留学報告を終わります。

 

 

 

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