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屋久島採集記

学部4年 柳原健人・修士1年 松田卓巳

B4の内藤と石垣島で採集していた時、屋久島に行かないかというお誘いの電話が小島先生からかかってきた。
屋久島はもう一度行きたいと思っていた島だ、これは行くしかない。
今回のメンバーは小島先生、M1の松田(カメムシ)、B4の内藤、柳原(ゾウムシ)、B3の阿部(ゴミムシ)だ。

4月22日


翌日の朝のフェリーに乗るため、4/22の夜に鹿児島の天文館に前泊した。
居酒屋さんで一飲みして、それぞれの宿で翌朝を待つ。




4月23日 ~1日目~



朝発のフェリーで屋久島に向かう。


海面からはフェリーに驚いた屋久島名物のトビウオが飛び出す。


白くまを食べる小島先生。


屋久島が見えてきた。大きな島だ。


屋久島に到着!レンタカー屋さんの方があたたかく出迎えてくれた。


今回は紫水館という民宿にお世話になった。
宿の方がとても優しく、いろいろなお話を聞かせていただいた。


24日からは雨の予報だったので、急いで採集地に向かい採集を行った。
良質なリターのおかげでさまざまな昆虫が落ちてきた。

この時に採集したリターからは目的のサシガメも採集でき、とても嬉しかった。


ヤマモガシについていたサツマニシキの幼虫


蛾の研究をしている同期に飼育してもらい、美しい成虫の姿を拝むことができた。


早めに宿に戻り、おいしい夜ご飯をいただいた。
食べきれない量のごちそうをお腹いっぱいいただいた後で、夜の採集に向かう。

夜の採集では、昆研OBの加藤さんと地元の方と合流した。


私は立ち枯れや倒木についている昆虫を主に採集した。
1時過ぎに宿に戻り、就寝。




4月24日 ~2日目~


昨夜はそこそこ遅くまで調査をしていたため,目蓋が重い。
朝食をいただいて支度を整え出発。

水田に向かう。


農家の方にご挨拶し、
田植えをしたばかりの田んぼで少しだけ採集させていただきました。

ありがとうございました。


水田から海が見えました。
写っているのは、小島先生と農家の方。


この日はあいにくのお天気だったので、
雨雲から逃げるように採集地を移動していきました。


ホシガタハラボソコマユバチの集合繭を見つけました。
外敵から身を守るために多数の幼虫が集まってこのような繭を形成するようです。


林道の空き地でアリノタイマツを見つけました。
キノコなどの菌類ではなく、地衣類の仲間です。
小さいながら存在感があります。


雨雲から逃げながら移動に移動を重ね、慌ただしい一日でした。


一日の疲れを癒すということで海中温泉に来ました。
干潮の時しか入れないそうです。とってもいいお湯でした。


夕食では、トビウオを頂きました。




4月25日 ~3日目~


この日初めての虫は、ホウロクイチゴの葉状にいたルリナカボソタマムシです。




倒木でカドムネヒラタカメムシを見つけました。
菌類などを食べるカメムシの仲間です。


ヤエザクラが咲いていました。


口永良部島が見えました。


大きく移動して川に来ました。




川の中を覗くとボウズハゼの仲間がいました。
なぜかは分かりませんが親近感が湧きます。


道中の売店でお土産にサンダルを購入しました。
見た目は普通の便所サンダルですが、頑丈そうで軽い散歩や採集にも使えそうです。

これまで低地で調査をしていましたが山地向かいます。


車で山道を登っていくと、何度かヤクザルに遭遇しました。



巨大な屋久杉の森。


雨の中ですがせっかく来たのでビーティングしていきます。
想像以上にたくさんの虫が採れました。


アオクチナガヒゲボソゾウムシ。
屋久島固有のゾウムシです。スギのビーティングで得られました。


今日は雨の中頑張ったのでプチ贅沢。




4月26日 ~4日目~


この日は小島教授が先に島を出るとのことだったので、
松田さんがレンタカーを新たに借りて来るのと所用を済ませている間に
他三人と現地の方でとある甲虫が住まうという海岸へ向かった。


カニさん(ベンケイガニ?)と岩礁。



シオダマリセスジダルマガムシ。

内藤さんが一箇所、目的の本種が集まっている場所を見つけるも、
広大な岩礁の中で他の水溜りでは中々発見出来なかった。

その後、松田さんと合流して別の場所で採集をした。
荷物の準備を進めているうちに陽が傾き始めた。


夕食を済ませた後、お酒を飲んだ先輩方2人を置き去りにし、
屋久島固有のモリヒラタゴミムシ達3種を求めて
柳原を無理矢理引き連れて山へ向かった。


前日に松田さんが採集した固有種のヤクシマヒラタゴミムシ。
非常に美しい姿をしている。


山に入ると、夜間になり気温が5℃まで冷え込んでいる。
そんな中永遠にビーティングを続けるが目的の種は得られない。
流石に寒すぎるのだろうか…?

しかし、手摺りを見ていると求めていた種ではないが
ようやく固有のモリヒラタゴミムシが得られた。



ニセヒコサンモリヒラタゴミムシ。屋久島固有種。

この寒い中、平気で交尾していた。

固有種を一種得られ、兆しが見えたように思えたが、
この後は追加個体が得られず、終了することとなった。



4月27日


この日は時間が無いので起床後足早に準備を済ませ、美味しい朝食を頂いて港へ向かう。
船内では往路では経由しなかった種子島を経由した為、こちらの景色も存分に楽しむことが出来た。
船を降りた後、空港までの帰路で経由する鹿児島市内にて皆で昼食の豚骨ラーメンを食べ、屋久島採集は幕を閉じた。


今回の採集〆の豚骨ラーメン。値段が非常に良心的であった。


P.S. 色々あって、阿部のサブのレンズが車に蹂躙されてケチョンケチョンになりました…。



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