博士前期課程一年 樽 宗一朗
大変お待たせ致しました。台湾採集記後編です。ここからは樽がお届けします。
今日で日月潭とお別れだったので、出発時間を少し遅らせ、観光をしました。
朝は閑散としていました。
夜中吠えていた犬
観光の後、フーティエンがとても行きたがっていた河川敷に行くことに。
車を発進させて45分後くらいだったでしょうか。フーティエンが後部座席から一言、「靴がない」。
どうやら2晩過ごした駐車場に忘れて来たようです。
車内にはまたかという微妙な雰囲気が少し流れかけましたが、とりあえず、フーティエンが靴を回収している間に二人は林道沿いで採集することにしました。(靴は駐車場のゴミ箱に捨てられていたようです。)
マダラテントウ属の一種 Epilachna sp.
気を取り直して、河川敷へ。道中で採集しながら進みました。
かっこいいハムシ
そんなこんなでついにたどり着いた河川敷。そこで待っていたものは…
なんか思ってたのと違う。 何もかも違う。 地面セメントみたいだし。
それでもそれぞれがなんとか虫を採りました。
誰も気づかないところでしまもとがこっそりと川に落ちていました。
台湾中部の環境に少し飽きた僕らは当初の予定通り、南下することにしました。
朝の4:00に出発し、6時間ほど運転をして一気に牡丹までやってきました。
移動中のフーティエン
当初予定していた場所には工事中で入れなかったので、別の場所での採集になりました。
フーティエンは環境が良かったようで、とても満足そうでした。
楽しそうに網の中を覗くフーティエンと不満そうな嶋本
しまもとと僕にはあまり環境が良くなかったので場所を変更しました。
が、あまりにも環境が悪くなり、少し採集を行なっただけでこの日は終わりました。
たくさんあったマンゴー畑(奥はギンネム)
南部で少し失敗した雰囲気が出たので、予定を変更し少し北に移動しました。
いつも通り出発して、登山口に到着後、採集の準備中になんか車がいつもと違う音を発していたので、気になって見てみるとタイヤには釘が…
現地の人に協力してもらい、車からタイヤを外した後スペアタイヤに取り替え一回街へ戻ることに。(教習所を出て初めてまともにタイヤ交換を行いました。)
適当なコンビニに停車して、レンタカー会社に連絡を取り、コンビニの店員さんに協力をしてもらい、業者に来てもらいました。
パンクによるタイヤ交換は保険内容に入っておらず、すべて自費でしたがタイヤの全てを交換するのではなく、パンクしたゴムの部分だけを交換したので、びっくりするくらい値段が安く済みました。
タイヤ修理の様子 気を取り直して、もう一度山に行き、採集を行いました。
他の二人がトラニウスを採集している中、自分だけが採集できていませんでしたが、やっとこの日に採集できました。
リター篩いで。さすがリター。リターは僕を裏切らない。
リターから採集したトラニウス
この後、雨が降って来たので適当なところで採集を終わりにし、街に戻りました。
オオカメムシ
フーティエン(トトロver.)
前日、前々日あまりにも成果が上がらなかったしまもとと僕は、明るい環境ではなく暗い環境に行きたいと文句を言い、山に登ることにしました。
中国語のブログと地図を交互に見ながら、登山口を探し、辿り着いた道はとてつもない急坂でした。
車中泊の体にはとてもきつい 山の環境は、標高の低いところは少し乾燥気味でしたが、いい倒木や立ち枯れが多くしまもとはとても満足そうでした。
1500mまで標高をあげると、登山道が笹に覆われてとても良い土壌環境でした。
林内環境
笹に覆われた登山道
昨日の林内環境での素晴らしさに味をしめたしまもとと僕は今日も暗い場所に行くことを決めました。
少し東へ場所を変え、一昨日の夜に話題に上がった林道へ。
写真の脇の茂っている部分から多くのアリヅカを得ることができました。
満足に思いながら採集していると、しまもとが引き返して来ました。
「林道の奥に登山口がある。」
しまもと曰く、とても湿度が保たれていて、今まで行った中でいちばんの環境かもしれないと。
昨日の登山採集がまだ頭の中に強く残っていたので、良さそうな林道脇を全て無視し登山口から山を登ることにしました。
写真の左側の土を篩うと、今までの林道脇よりもずっと多くの土壌動物がトレイの中に見えました。
夢中で土を篩い、気づけば人生で一番アリヅカを採集した日になっていました。
しかし、この日は途中で日没を迎えてしまったため、引き返すことに。
実はこの登山口にたどり着くまでに駐車場から林道を1時間強歩かなくてはならないのです。
山頂までたどり着くことができなかったので、楽しみは明日に回して車に戻ることにしました。
昨日の環境が素晴らしすぎたため、今日も同じ場所での採集を行いました。
まずは昨日たどり着けなかった山頂にたどり着くことを目標に、カバンの中に自分の昼食を確認した後、急いで山頂へ。
山頂は多くの虫が飛び交っていて、なんだか幻想的でした。
写真はありませんが。
翌日に期待をせず事実上の最終日と位置付けていた、しまもとと僕は、片道1時間強の道のりを灯火総研を持って移動することを決定し、夜はこの林道沿いでライトトラップを行いました。
ライトはテントウが大当たりしたようで、フーティエンは叫びながら採集を行なっていました。
しまもとはたくさんの蛾の処理に追われていました。
え?お前は何をやっていたかって?ええ。多数飛来したPhysopeltaと戯れていました。
今回の遠征でいちばん当たったライトでした。
その後、山に登りナイトビーティングをしました。
やはりいいポイントなので、かなりの数の虫が材の上を這っていました。
最高の最終日でした。
今日はフーティエンが待ちに待っていた阿里山の日です。
お目当てのテントウの基準産地が阿里山だと言います。
フーティエンにプレゼンまでしてもらい、最終日に行こうと決めた場所です。
朝早く出発し、フーティエンの運転で元気よく阿里山に向かいました。(書いていませんが、いろいろあって自信をなくしたフーティエンは後半ほとんど運転をしていません。)
休日だったため、道は混んでいました。現地には10:30頃到着しました。
人がごった返す細い路地
ついにたどり着いた阿里山でフーティエンを待ち受けていたのは国家風景区の文字。
フーティエン曰く、ここは国家風景区からは外れていると思ったそうです。
看板
看板の前で崩れ落ちるフーティエン
場所を変更しなくてはならなくなったので、フーティエンが代替案を探している間に少し観光をしました。
雲潭爆布
フーティエンが提案した場所に行きましたが、そこも採集禁止区域で、結局この日は採集をほとんど行うことができませんでした。
がっかりしながら車へ戻るフーティエン
それを見ながら鳴いていた鳥
事前にしっかり調べなくてはいけないことを痛感した1日でした。
翌日が最終日なので、この日は宿を取りました。
オーナーの弟さんが京都に住んでいるようです。
食事がついて一泊のお値段はなんと200元(約800円)でした。
とてもいい宿でした。詳細は以下のとおりです。
名前:嘉義泊岸居民宿 住所:臺灣嘉義縣鹿草鄉鹿草村268號 電話番号:+886 5 375 2326
部屋の中
飼われている犬 明日は気を取り直して台北観光です。
お世話になった宿で朝御飯を頂きました。
朝御飯は芋粥を主食とした台湾の家庭料理のようでした。
写真だと伝わりにくいですが、量がとっても多かったです。
特に見た目がシャケフレークっぽいもの(肉髭)がとても美味しく全て食べてしまいました。
朝御飯
美味しかった肉髭
久しぶりのまともな食事で喜ぶ二人
食後
最後に記念撮影とお礼をして、レンタカーを返しに台中に向かいました。
宿のオーナーさんと
台中でレンタカーを返した後、新幹線(高速鉄道)で台北へ。
新幹線内ではしまもとがルルブを開いて今日の予定を立てていました。
台北のコインロッカーに長竿ケースが入らなかったので、全員が長竿ケースを持ったままの観光です。
まず行った場所はこちら。
かき氷
マンゴーかき氷(店の名前は忘れました)です。
日本に上陸した時に食べてみたいと思っていたのですが、まさか本場で食べることになるとは考えてもいませんでした。
お値段は400ドルでした。
今までの僕らの1日分の食費以上のお金がかき氷一つで飛んで行きました。
とても美味しくて10分で食べ終わりました。
その後は、台北市内をぶらぶらと観光をしたり、本屋に行ったりして時間を過ごしました。
台北大学構内にも入りました。
近未来感溢れる駅
大きい本屋
夜は観光最大の目玉である夜市に行きました。
日本では体感することのできない熱気が辺りを漂っていました。
お腹も一杯になり、満足して帰路につくことができました。
空港にあった阿里山鉄道とフーティエン
帰りも行きと同じジェットスターに乗って帰りました(やっぱり機内食が出ました)。
もうすぐにでも台湾に行きたいです。
最後までお読み頂き有難うございました。