東京農業大学

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自己点検・評価

序章
自己点検・評価に当たって
第1章  建学の精神・教育
理念,教育目的・
目標
第2章  教育の内容
第3章  教育の実施体制
第4章  教育目標の達成
        度と教育の効果
第5章  学生支援
第6章  研究
第7章  社会的活動
第8章  管理運営
第9章  財政
第10章 改革・改善
第11章 将来計画の策定
第三者評価結果 
・ 教職員の留学、海外派遣、国際会議出席等の状況
 

 全学審議会国際交流委員会研究交流部会において研究交流に関することを審議し、特に、本学教職員の依命留学、特別研究期間制度の選考を全学的に行っている。

 依命留学については、併設する東京農業大学と共通枠で年間3名としており、過去3ケ年においては、厳正な審査の結果、各年度とも応募者多数ではあったが本学に所属する教職員の留学実績はなかった。

 海外派遣、国際会議出席等については、毎年、各教員の研究分野に関わる国際学会への参加・発表、姉妹校を中心とした共同研究の実施、姉妹校への短期派遣実習引率等、活発に行われている。

 本学では、より積極的な研究交流及び国際協力事業を展開するために、平成16年4月に、姉妹校(学術交流協定締結校)交流の中の研究者交流、国内外の諸機関からの派遣要請、受入要請、世界銀行・アジア開発銀行、国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)などが行う開発途上国向けの国際協力開発プロジェクトへの参加などを強化する目的で、総合研究所に国際協力部をおいた。現在行っている主な研究交流を以下に説明する。

 

(1) 研究者の派遣・受入

 国際協力機構(JICA)、農林水産省、海外農業開発協会などの依頼により、毎年本学研究者の派遣や諸外国からの研究者の受入を行い、学術交流を積極的に進め、各国農業の発展に寄与している。毎年20〜30名近い研究者を派遣し、10組前後の研究者・グループを受入、指導している。このほかに帰国した留学生が研究者となり、本学で再度研究する場合や日本学術振興会の研究者交流事業による研究者交流を実施している。

 

(2) 国際機関・組織との連携

 本学は次の国際団体にいち早く参加し、国際的な農学ネットーク作りを推進している。

 GCHERA:農学分野の高等教育研究に寄与する世界的規模の団体。132カ国260大学が加盟。

 SEARCA:東南アジアにおける持続的農業を推進する指導的団体であり、農業分野における大学院教育のための地域センター。東南アジア諸国の著名な農学系大学が加盟。

 AAACU:アジア農学系大学15カ国49大学が協力し、メンバー間の交流事業も推進する団体。

 ISSAAS(東南アジア国際農学会):昭和53年から約20年間にわたって日本学術振興会東南アジア諸国との学術交流事業の拠点大学(農学分野)として機能した実績を踏まえて、平成6年に設立した国際学会。本学は本部事務局を担当し、東南アジア地域での農学研究・農業開発の推進に貢献している。

 

(3) 国際開発協力

 平成16年7月に国際協力銀行の新設事業「提案型調査」にインドネシアの「コメリン灌漑地域における農業生産力と所得の向上に向けた基礎調査」プロポーザルを提出した。残念ながら、今回は不採択であったが、今後もこのようなプロジェクト案件への積極的な対応を進めて行く。

 

 研究交流の主体は教員と大学院生である。姉妹校とのプロジェクト研究に教職員の他に大学院生が協力している。本学の研究機関との連携状況を鑑みるにほとんどの地域をカバーしていることがわかるが、学生交流に比較して研究交流は一部の姉妹校に限定されており、全体としてはやや停滞気味である。本学教職員の留学機会は確保され、規程の整備は終了しているが、今後は教職員が留学しやすい学内環境(たとえば留学中の講義、実験、論文指導の代行制度など)を整備するとともに留学前の語学力の改善を図る必要がある。

 国際組織・団体との連携は随時推進してきたが、未だ全学的規模の支持・協力を得ているとは言い難い。教職員は国内学会・協会などの社会的活動で手一杯のところがあり、国際組織・団体で活動する余裕がない。また語学力による制限も大きい。国際開発協力活動(文科省)への参加は登録済みであるが、具体的な協力活動は今後の課題である。

 また、姉妹校の増加は一段落したが、ヨーロッパ地域での充実(ドイツ、イギリス)、アフリカ・大洋州の新規策定及び、国際交流を推進する教職員の大幅な増加を考える必要がある。

 依命留学制度・特別研究期間制度の見直しを平成15年度行ったが、今後も教職員が利用しやすいように検討が必要である。その際に、教職員と本学の国際貢献を高度化するため、国際機関、開発協力プロジェクトなどへの特別出向制度の新設を提案したが、時期尚早とのことでペンディングになっている。若手教員の育成、ベテラン教員の再生と多くの課題があるが、本学の国際交流推進役の多くは教職員が担っている。国際研究のためにも教員に研究時間を自由に使用できるように策定する必要があると同時に、依命留学においては姉妹校への留学を最優先させ国際共同研究への発展を図ることが肝要である。

 国際組織・団体での活動は本学のみならず日本の国際貢献を高める重要な手段となるべきもので、学内の支援基盤を強化する必要がある。国際活動をより積極的に推進するためには留学経験のある教職員の一層の意識改革とネットワーク化が不可欠である。さらに、語学力のある事務員を発掘し適材適所で配置する必要があるだけでなく、事務職員は留学フェア、短期農業実習・語学研修の引率補助などの機会を利用して海外研修の機会を増大させることが重要である。さらに、ISSAAS本部機能を一部教職員に任せるのではなく、本学の国際戦略の一部に位置付けて、より積極的な東南アジア農学研究への協力を推進する必要がある。援助的発想ではなく共同研究あるいは開発協力の一部と見なすことが重要である。総合研究所に設置した国際協力部に専門スタッフを配置し、国際協力諸事業の事務局機能を強化することが緊急の課題である。

 

 

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