農生命科学研究所 Research Institute for Agricultural and Life Sciences

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実学主義の理念を支える東京農大の戦略的研究

シングルセル解析による霊長類味覚受容機構の解明

岩槻 健

応用生物科学部・食品安全健康学科
生体環境解析学 教授

キーワード:味細胞、霊長類、培養、Single cell

この研究に取り組もうとしたきっかけはなんですか?

 誰もがおいしいものを食べたいと願うが、おいしさのメカニズム研究はそれほど進んでいない。その理由の一つに、生体内と同様の性質を持つ味細胞の培養系が確立されていなかったことが挙げられる。我々は最近、マウスを用いて味細胞の培養系(味蕾オルガノイド)を世界に先駆けて確立したが、マウスの味覚とヒトをはじめとする霊長類の味覚は異なることがわかってきた。そこで我々はヒトに近いサルの味細胞を培養し、その性質を解析しようとしている。(図1)

研究を進めるうえでの工夫や特徴はありますか?

 ヒトやサルなどの霊長類は「味にうるさい」と言われるが、霊長類と他の生物の味覚の違いどうして生じるかは分かっていない。本研究の特徴は、サル味蕾オルガノイドを作製し、霊長類の味細胞に発現する遺伝子を1細胞レベルで解析することである。同じ味細胞でも霊長類と他の生物では栄養要求性が異なるので、培養条件などを工夫している。(図2)

今後の展望、期待される効果はなんですか?

 げっ歯類と我々霊長類の味覚受容機構が異なることを、発現遺伝子を調べることや、呈味物質に対する反応を調べることで証明したい。今回作製したサルの培養味細胞を用いて、様々な呈味物質のスクリーニングができる他、再生医療にも活用できると期待されている。将来は高齢になっても美味しく健康的な食生活を続けられるような社会が実現されるかもしれない。(図3)

研究実績 http://dbs.nodai.ac.jp/html/100000860_ja.html
食品安全健康学科 https://www.nodai.ac.jp/academics/app/safety/

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