東京農業大学大学院 Graduate School of Tokyo Univ of Agriculture

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食品安全健康学専攻:修士課程

1.人材養成、その他教育研究上の目的

 食品安全健康学専攻修士課程は、「食品の安全性」と「食品の機能性」とを統合した学問領域を科学するため、農学を基盤とした生命科学の教育研究を展開することにより、難度の高い問題に対する解決力を備えた、食品関連の技術者・研究者・行政官となり得る人材の養成を目的とする。

2.教育目標

 食品安全健康学専攻修士課程は、食による健康維持を科学的に追求するため、「食品の安全性」と「食品の機能性」の両分野を教育研究の柱とする。本専攻における「食品の安全性」とは、食品(成分)のリスクを科学的に評価し、リスクを的確に管理し、方法論を構築し、リスクに関する情報を正しく発信することである。具体的には、1)食品中物質の化学構造と生体影響の相関性(ケミカルトキシコロジー)、2)食品成分の安全性の病理学的評価(リスク評価)、3)咀嚼・嚥下システムを考慮した食品開発(食品開発)に着目して教育研究を行う。一方、「食品の機能性」とは、食品に関連する新規機能性成分を探索し、その機能を解明し、生体に応用することである。具体的には、1)食材に含有される新規機能性成分の探索(生理活性物質)、2)食品因子の機能メカニズム解明(生理機能)、3)生体を一つの環境として捉えた食品因子の健康機能解析(生体環境解析)に着目して教育研究を行う。
 本専攻では、これら両分野における高度な知識と技術、研究能力を修得し、高度な問題解決力を身に付けた人材を養成する。

3.学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

 食品安全健康学専攻修士課程は、「食品の安全性」と「食品の機能性」の両分野において、食の安全と健康機能上の問題解決力を身につけた研究者や高度な専門職業人を輩出するため、以下の要件を満たし、かつ、所定の単位を修得した学生に修士(食品安全健康学)の学位を授与します。
(1)「食品の安全性」について、食品(成分)のリスクの科学的評価、当該リスクの的確な管理、さらに、リスク情報の正しい発信に関する深い造詣と、広範な専門的知識を修得している。
(2)「食品の機能性」について、食品中の新規機能性成分の探索、当該機能の解明と応用に関する深い造詣と、広範な専門的知識を修得している。
(3)前二項に関する高度な専門的知識・研究能力・倫理性を持って修士論文を作成することを通じて、難度の高い問題を解決し、その結果を社会に対して的確に発信する能力を修得している。

4.教育課程編成方針(カリキュラム・ポリシー)

 食品安全健康学専攻修士課程では、各専門領域における最先端の知識と技術を修得し、食品の安全性と機能性の両面を科学的に評価する研究を行います。その研究内容を実社会に発信し、柔軟性・機動性・問題解決力を兼ね備え、広く社会に寄与する人材(研究者)を育成するため、以下の方針のもと教育課程を編成します。
(1) 農学研究科共通科目群は、修了後のキャリア形成に繋がる科目として、講義科目「知的財産管理法」と産業界との連携カリキュラムの「インターンシップ」を配当し、レポートにより評価する。
(2) 基礎科目群は、高度な専門的知識・研究能力・倫理性の基盤となる科目として、必修講義科目の「食品安全健康科学概論」と「研究倫理」を配当し、レポートにより評価する。また、必修演習科目の「英語論文講読」と「プレゼンテーション法」は、ゼミや学会等での実践的な取り組みにより評価する。さらに、選択講義科目の「フードバイオケミストリー」、「フードモレキュラーバイオロジー」、「オミクス」を配当し、レポートにより評価する。
(3) 必修専門特論科目は、両分野の高度な専門的知識・研究能力を養う科目として、講義科目の「食品安全科学特論」と「食品機能科学特論」を配当し、レポートにより評価する。
(4) 選択専門特論科目と専門実験科目では、各領域の高度な専門的知識・研究能力を養う。講義科目として、「安全性分野」には「ケミカルトキシコロジー特論」、「リスク評価学特論」、「食品開発学特論」を、「機能性分野」には「生理活性物質学特論」、「生理機能学特論」、「生体環境解析学特論」を配当し、レポートにより評価する。実験科目として、「食品安全科学特論実験」と「食品機能科学特論実験」を配当し、レポートにより評価する。
(5) 研究科目群では、修士論文を作成することを通じて、難度の高い問題を解決し、その結果を社会に対して的確に発信する能力を修得させる。演習・実験科目の「食品安全健康学特別演習Ⅰ~Ⅳ」と「食品安全健康学特別実験Ⅰ~Ⅳ」を配当し、修士論文作成指導を行い、その内容を審査する。

5.入学者受け入れ方針(アドミッション・ポリシー)

 食品安全健康学専攻修士課程は、生命に直結する「食品の安全性」と「食品の機能性」に興味を持ち、それに関する極めて難解な課題を、必ず論理的かつ科学的に解決するという高い意欲を有し、将来、食品関連の技術者・研究者・教育者・行政官等として指導的立場で社会に貢献したいとする強い意志をもった人材を育成します。そのため、本専攻では次のような学生を求めています。
(1) 主観的思考にとらわれず、実験等により得られた結果などを客観的事実として受け入れることにより、事象を的確にかつ冷静に判断することができる。
(2) 「食品の安全性」と「食品の機能性」に対し普段から高い関心を持ち、未解決の難題に対し、自らが主体となり解決したいという強い意欲を有している。
(3) 実験研究に興味があり、自らが主体となってその研究を実施する能力を有し、得られた成果を社会に向けて発信し、貢献したいという意欲を有している。

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