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ニュースリリース

2月13日福島・宮城震度6強地震 学長メッセージ

2021年2月19日

お知らせ

東京農業大学学長 髙野克己

 2月13日午後11時過ぎ、福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生し、福島県相馬市や宮城県蔵王町などで震度6強の激しい揺れを観測したほか、両県の広い範囲で震度6弱を記録しました。亡くなられた方がいなかったなど、人的被害は最小で済みましたが、水道、電気などのライフラインが長時間途絶し、鉄道など交通インフラの完全復旧にはまだ日数がかかりそうです。被災地にお住まいのみなさま方に、心からのお見舞いを申し上げます。

 東日本大震災の発生から間もなく10年を迎えようとしている時です。強い揺れを感じた東北、関東にお住まいのみなさま方の脳裏には、10年前のあの日の記憶が瞬時によみがえったのではないでしょうか。私もそうでした。テレビのニュースをずっと見続け、布団に入っても興奮してなかなか寝付けませんでした。
 さまざまなことを思い出しました。
 震災発生から2カ月後の2011年5月、東京農業大学は「東日本復興プロジェクト」を始動させました。福島県相馬市を中心に、土壌肥料、畜産、経営など幅広い分野で、大学の総力を挙げて復興を支援する活動で、10年を迎える現在も継続中です。
 津波により大量の土砂が流入した水田は「相馬農大方式」という特別な土壌改良方法によって復旧、稲作が可能になりました。栽培された「復興米」は近隣の「道の駅」などで販売されるほか、東京農大の大学祭「収穫祭」でも、学生たちが来場者に取り組みを説明して、購入していただいています。
 「復興プロジェクト」の活動は、毎年、相馬市で開かれる報告会で、地元住民のみなさんに説明しています。「東京農大は相馬の農業復興に欠かせぬパートナー」などとの声をいただき、歩んできたことに間違いはなかったのだと喜びを感じます。
 また、農業・産業復興支援だけでなく、福島県浜通り地方の高校生に農学分野の勉強の面白さを理解してもらうことを目的とした「東京農大サマースクール」も開催し、地元農林業の担い手となりうる高校生の人材育成も手がけました。

 間もなく10年を迎えます。ですが、被災地はまだ復興途上にあります。特に東京電力福島原子力発電所の事故は、修復不能な被害を与えてしまいました。私たちの「プロジェクト」も、歩みを止めることはできません。これからも、被災地のみなさんと手を携えて、復興支援に取り組んでいくつもりです。

 改めて、今回の地震に被災されたみなさま方にお見舞い申し上げます。一日も早く安心して毎日を過ごすことができますよう念じております。

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