[ オホーツク臨海研究センター

オホーツク臨海研究センターは、平成18年度、本学学生に対する水圏に係わる教育および研究を行うことを目的に、能取湖畔の網走市共同利用施設用地内に設置されました。本センターの役割のひとつは、学部学生の臨海実習の受け入れです。臨海施設でなければできない、海を体験しつつ、生きた生物にふれながら行う実習が工夫されます。すべての大学が臨海施設を持っているわけではないので,本学の学生は恵まれた環境にあるといえます。
 もうひとつの教育上の役割は、学部学生による卒業論文のための調査実験、大学院学生による修士および博士論文のための調査研究の場を提供することです。さらに、本センターでは、教員の先進的な研究が行われ、また、他大学等の人々が来所して研究することもあります。それらの調査研究は、主として、オホーツク海における物理化学的環境と生物の活動およびそれらの相互関係に関する知見、海洋資源の合理的な開発利用に必要な知見、海洋の環境と生態系の保全と修復に欠かせない基礎的知見などを求めることになるでしょう。
 そのような研究を円滑に実施するためにも、まず、産業的に有用か否かに関係なく、四季を通じてさまざまな海洋生物を採集して、この海域における生物相を明らかにしなければなりません。それらの生物を培養飼育して究明される生理学、発生学、遺伝学、生物化学などは、それ自体がアクアバイオ科学領域における今日的な研究課題であるのみならず、それぞれの生物を資源として利用するために欠かすことができない知識となるものです。さらに、実際の海に出て行われる生態学的研究の成果は、自然の環境と生態系の保全と修復には必要不可欠なものです。それゆえ、オホーツク臨海研究センターには、そうした研究ができるように各種の実験室が配置され、採集艇を含む調査研究の設備が整えられています。
 現場海洋における調査研究には、学生と教職員との強い連携協力が必要であり、ときには夜を徹した作業が必要になります。そのため、本センターの実験研究スペースは多人数を受け入れるように設計されており、また、隣接する網走市水産科学センターの宿泊施設の供与が受けられることになっています。