2022/11/04
東京大学大学院農学生命科学研究科 浅見忠男教授、東京農業大学生命科学部 伊藤晋作准教
授、宇都宮大学バイオサイエンス教育研究センター 野村崇人准教授、サウジアラビア King Abdullah University of Science and Technology の Salim Al-Babili 教授らの共同研究チームは、四環性ストリゴラクトン特異的な生合成阻害剤 TIS108 を開発し、この化合物を処理したイネにおいては四環性ストリゴラクトン量が減少するにもかかわらず、収量に大きな影響をあ
たえる過剰な枝分かれが誘導されないことに加えてAM菌の共生が可能であることを見出しました。これらの発見はこれまでの常識を覆し、二環性ストリゴラクトンは植物ホルモンとしての機能が、四環性ストリゴラクトンは根圏のシグナル物質としての機能が主要であるという知
見をもたらしました。続いて四環性ストリゴラクトン生合成のみを阻害できるこの TIS108 処理したイネや TIS108 の標的酵素をコードする遺伝子の働きをゲノム編集で抑えたイネでは、期待通りに根寄生雑草被害が大きく低減することも見出しました。
本研究の成果は、世界の多くの地域で甚大な被害を与えている根寄生雑草の防除のための化学的や生物学的な新しい技術開発に大きく役立つものと考えられます。
詳細は添付資料をご参照下さい。