ブックタイトル2019年度学生ハンドブック

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概要

2019年度学生ハンドブック

諸研究施設― 89 ―宮古亜熱帯農場 本農場のある沖縄県宮古島は,北緯24度から25度,東経124度から125度の間に位置し,沖縄本島と台湾のほぼ中間にあります。年平均気温は23℃,平均湿度80%と亜熱帯海洋性気候に属し,島は年間を通して緑に包まれ,島は色とりどりのサンゴ礁にかこまれています。このように豊かな自然に恵まれた宮古島は,観光地としてはもちろんのこと,全日本トライアスロン大会の開催地としてスポーツアイランドとして知られています。また,近年では風力発電,太陽光発電(メガソーラー発電),さとうきび残渣を利用したバイオエタノールプラントの研究施設を有するなどエコアイランドとしても注目されています。 現在宮古島では,農地の基盤整備事業をはじめ,世界的にも珍しい地下ダムの建設,無料で渡れる橋では日本一の伊良部大橋(3,540m),下地島空港の開港(2019年完成),総合室内体育施設など各種公共施設の整備が進められています。島の基幹産業である農業に関しては,地下ダムの水を利用した灌漑施設の整備により基幹作物であるサトウキビや葉タバコ,施設園芸(マンゴーや野菜類)が盛んになってきています。 宮古亜熱帯農場はこのような環境下で,熱帯農学に基づく熱帯・亜熱帯農業の実習教育と試験研究を行うことを目的として設置されました。本農場は,宮古島の地域自治体等との協力により,地域農業の発展や農業生産環境の保全をともに考え,これらの活動を通じ地域と共に歩むことを基本姿勢のひとつとしています。農場の面積は約9.5haで,現在,農場施設として管理研究棟,学生宿泊棟(72名収容),研究者宿泊棟,農機具収納舎,大型冷蔵庫,職員住宅及び育苗ハウスが設置されています。農地は,防風林に囲まれ,圃場ではヤムイモやサトウキビなどの熱帯作物,温室内ではマンゴーなどの熱帯果樹が栽培され実習や研究に利用されています。また,ヤムイモやタロイモなどは日本でも最大規模の遺伝資源を有し,その他にコーヒー(アラビカ種)の主要品種も有しています。教育面では,国際農業開発学科の学生が農家の協力のもとで毎年1週間の実習を行うほか,国際食農科学科の実習も本年度から実施します。教員や大学院生の研究,学部学生の卒業論文研究,また,協力隊を志望する農大卒業生向けの農業研修(3 ? 6カ月)なども行っています。 本農場における熱帯農業や熱帯の食料生産環境に関する幅広い研究教育の実施は,わが国が世界から期待されている開発途上国との国際協力活動においても,とりわけ熱帯地域の農業開発協力に携わる人材育成にも大きく貢献し得るものとなっています。