社会が求める農学士力を備えた自律型就農者の育成支援プログラム

スイトピーのわき芽摘みの作業
スイトピーのわき芽摘みの作業

就農者は現在減少の一途をたどっており、農学系大学におけるその養成と輩出は、政策的にも重要な社会的ニーズとなっている。近年、食の安全に対して意識が社会全体で高まっている中、安全・安心な農産物を生産する就農者を育成することは現代社会が農学に求めている学士力の一つである。本取組みは、本学農学部におけるこれまでの特色ある農学教育をさらに発展させ、「実践的農業技術と問題解決能力、高いコミュニケーション能力を有する自律型就農者の育成」を目的とし、農学部3学科のカリキュラムと本取組みで計画した独自のプログラムを融合して実施する。具体的には、学生の「考えて行動できる力」を養うことを目的とし、《1》就農ゼミナール、《2》就農関連科目の履修、《3》学外農業研修・実習、《4》学外農業研修・実習の事後研修、《5》就農活動及び就農支援の5段階で組立てられたプログラムを展開する。特に前記《1》、《3》、《4》は、教員等と学生のコミュニケーションを重視して行い、《4》ではポートフォリオ作成も導入する。

就農ゼミナールでは学生自身に考えさせながら就農意識の啓発を行い、就農関連科目の履修では各学科に配当された対象科目を修得する。学外農業研修・実習とその事後研修については農業関連団体等の支援も得てフィールドワークを行い、農業研修・実習の経験と知識の確認も含めて教職員の就職相談、指導を受け、支援を受けながら就農活動を行なう体制をつくる。

自律型就農者の育成と就農支援だけでなく、就農への動機付け、農業技術、環境への配慮などについて、学生自身が考えて行動できるようになることに重点を置き、その過程で農学士力を育成することもねらいである。(農学部教授 小池安比古)



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