生産環境工学科の紹介  学科長  坂口栄一郎  
学科の歴史  
  東京農業大学は1891年(明治24年)に徳川育英会育英黌農業科として創設され、 1905年(明治38年)には農商務省より東京農業大学に開墾及耕地整理技術員講習としての農業土木教育が委託された。 これが本学科の成り立ちで、わが国の農業土木教育機関としては最も古い歴史を有する。 そして、1940年(昭和15年)には東京農業大学創立50周年の記念式典が行われ、 この年に農業工学科が創設された。 一方、長年にわたって継続されてきた伝統ある農林省委託の開墾及耕地整理技術員講習も 1955年(昭和30年)の農林省の機構改革によって廃止されるに至った。

 1940年に創設された農業工学科は、1944年(昭和19年)に名称を農業土木科と改称され、1945年(昭和20年)には農学部に農業土木学科が新設された。終戦後わが国の学制にも大改革がなされ、1949年(昭和24年)にはこの改革によって新制大学が設置されることになった。これに伴って旧制度による農業土木学科はなくなり、学科名を再び農業工学科として発足することになった。

 さらに、1990年(平成2年)には、農業工学科創設50周年記念式典が挙行され、この年4月より大学院農学研究科農業工学専攻修士課程が開設された。
1991年(平成3年)には東京農業大学創立百周年記念式典が挙行されたが、この時に本学は「地球時代の食料・環境・健康・エネルギー」分野に大学を挙げて取り組むことになった。そのためには学部を再編することが重要課題となり、生物学を基調とするユニークな総合大学を目指すべく従来の農学部を4つの学部に再編することになった。すなわち、農学部、応用生物科学部、地域環境科学部、国際食料情報学部の4学部で、この再編にともなって本学科は地域環境科学部に属し、生産環境工学科と名称を変更した。

 学部・学科の再編による教育および研究体制の充実にあわせて、大学院教育を発展させるべく2002年(平成14年)4月より大学院農学研究科農業工学専攻博士後期課程が増設され、学部から大学院博士前期・後期課程まで一貫した専門教育の高度化が図られ今日に至っている。

 また,本学科は2004年度から生産環境コースとJABEEコース(現在名称: 生産基盤コース)の2コース制とし, 各々の学習・教育目標を掲げ,すぐれた人材の育成に努めている.
 
   
学科の紹介  
  近年における化石燃料を主とするエネルギーの多量消費や資源の乱開発・多使用など活発化した生産活動の影響は、温暖化、異常気象、沙漠化、内分泌系撹乱物質の蔓延など、地球規模に及ぶ環境の悪化という形で噴出し始め、人類と生物の存続をも脅かす問題となっている。そのため、本学科では生物の存続と生産に当たり、長年培ってきた農業土木・機械技術を応用して、自然と共生した循環型社会を創造し、地球規模の環境保全を実現するために、以下のような新しい試みを展開し、教育に反映させている。

 具体的には
 
沙漠における土壌・大気中の水分子移動メカニズムの解明と沙漠緑化のためのウォーターハーべストを主軸とする技術  
森林伐採によって生じた塩類集積土壌の浄化対策としての地下水位の制御技術  
湖沼・河川における富栄養化物質の移動メカニズムの解析による水質浄化技術や水辺環境の整備技術  
農地や農村のもつ多面的機能や環境保全のための評価と活用  
地理情報や環境情報の的確な掌握と迅速で正確な処理  
有機ゴミを緑化資源や土木素材として活用するリサイクル技術  
省エネルギー・高作業性を目指す農業ロボット技術  
食料資源を有効に使うための穀物調製加工技術と農産物の状態を的確に判断する品質評価技術  
等々である。  
     
教育研究分野と研究室  
生産環境工学科にはに4つの教育研究分野があり、各々の分野は2つの研究室によって構成されている。なお、各分野の概要は以下の通りである。  
(1) 地域資源利用分野
地域を人間の生活と自然、生物生産のための共存空間として捉え、土地や水などを生態系に配慮しつつ生産資源として有効利用・保全するための理論、技術を追求する。
 
(2) 生産環境情報・計画分野
生物生産のための農地環境や自然環境を、 ランドサットなどの衛星画像データを含めた広域情報、土中水の動きや微気象などの局地情報の両面から捉え、環境情報をシステム工学的に考究する。
 
(3) 環境建設システム分野
地域環境に配慮した空間づくりのために適した施設の建設を考えていく分野で、環境をふまえた構造物の設計や施工法、 新素材の開発と利用技術、植物と共生できる施設のデザインなどをシステム工学的に捉える。
 
(4) 生産機械・エネルギー分野
生物生産技術、加工技術を人間の生存環境および生態系の保全に配慮したシステム工学として捉える。
 
   
     
     
     
     


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